ジギング<ボート>

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ジギングとは

ターゲット

オフショアジギングで狙う水深は幅広く、20mほどしかない湾内のライトジギングから、200mを超す沖のディープ層までとさまざま。
主な対象魚はブリ、ヒラマサ、マダイ、カンパチ、サワラ、シーバス、タチウオと船釣りの人気魚のほとんどがターゲットとなる万能的な釣り方だ。その中でも青物狙いに人気が高く、ヒラマサやカンパチなど大型でパワーのある魚が好まれている。
使用するルアーはメタルジグと呼ばれる、細長く鉛やタングステンなどで作られたルアーだ。素早く深くまで沈めることができ、手返しの早い釣りをすることが可能だ。

世界で楽しまれている

船上での基本

船は岩礁帯など魚が生息しているエリアを流しながら釣るのが基本。このため、他のアングラーと同重量のメタルジグを使う。船長からの指示があればそれに従うようにしよう。好き勝手に重量を変えた場合、潮の流れによっては沈む角度が大きく変わるため仕掛けが絡んでしまうので注意。
メタルジグは船の真下に落として巻き上げてくるやり方と、キャスティングして探る方法があるので、ポイントに着いて狙い方がわからないときは船長に聞くようにすること。

船上での基本
船のルアー釣りでは短い時合を効率良く狙えるように、あらかじめ数種類のタックルをセッティングしている人が多い。

狙う水深

基本はボトムまで落として船長から指示のあったタナまで狙い、アタリがなければ再度ボトムまでメタルジグを落としての繰り返しだ。ロッドをシャクリながらリールでラインを巻き取る作業を早い動作で行うため、オフショアルアーでもかなりヘビーな釣りとなる。
とくに初心者は、要領を得るまではその日のうちに筋肉痛になってしまうこともあるほどなので、始めるならまずは近海で水深100mくらいまでを狙うライトジギングがおすすめだ。

キャッチ

魚が掛かり船縁まで浮かせたら、通常は船長やポーターがタモで掬ってくれる。船が混み合っている場合は隣との距離が短く、魚が暴れてラインが絡むこともあるので、避けるようにしよう。自分が掛かった場合もできるだけ絡まないように素早く取り込むように心がけよう。
同時に掛かった場合、タモが間に合わないこともある。この場合は近くの人がヘルプするのが望ましい。お願いされたときに慣れていないことを伝えておくと失敗しても気難しくならないだろう。
大型魚の場合はギャフを利用することもある。理想はエラの後ろ付近だが、どこかに掛かれば外れにくいので、魚がおとなしくなった瞬間を見計らって一気に掛けるようにする。

ロッドセレクト

まず揃えるなら

いきなり200mラインを流すジギング船に乗るのであれば別だが、沿岸の100mくらいまでの海域で釣る場合は、メタルジグも130gくらいまでがマックスだと考えていいだろう。このように使用するメタルジグのMAX重量がロッド選びの基準となる。
釣り竿のほとんどは、使用するラインの号数(太さ・強さ)と、ルアー(オモリ)で選ぶことができるようになっており、ロッドや説明書に明記されている。ルアーウエイト・マックス150gクラスのロッドをまずは揃えよう。

ロッドのテーパーによる違い

テーパーとは魚が掛かったときやオモリを付けた際のロッドの曲がり具合(調子)のことだ。これに加えてルアーロッドにはL(ライト)やM(ミディアム)などの表記があり、こちらはロッドの硬さ(アクション)を表している。
少しややこしいが、アクションはロッドがどの部分を中心に曲がるかで、硬さはそのロッドのシリーズやメーカーの基準号数だと考えればいいだろう。
ジギングの場合、重いメタルジグを操作するわけだから、硬いロッドでガンガン操作したほうがやりやすそうに思えるが、硬すぎるとメタルジグが暴れすぎて魚に食わせるタイミングを与えなかったり、余計に疲れてしまうことがある。できれば使用するメタルジグに合わせてロッドも替えたいところだが、実際にはそうはいかないので、最初に購入するならファストテーパーがおすすめだ。
理由は、先調子のほうが比較的アタリを取りやすく、メタルジグの操作も行いやすいからだ。慣れてくれば自分のスタンスがはっきりしてくるので、好みに合わせて買い直せばいいだろう。まずはメタルジグの動かし方を体感しやすいものを選ぼう。

ロッドのテーパー
ロッドの硬さ選びは、自分の体力も考慮しておきたい。

長さを選ぶ

ジギングロッドはオフショアルアーの中でも短い部類に入る。これはルアーの操作をメインに考えているからで、疲労度を考えても短いほうが断然有利だ。
しかし欠点も多く、短い分小さな動きがメインになり、魚とのやり取りではロッドの反発力があまり活かせないためラインに負担が掛かりやすい。取り込み時も船の下に魚が潜り込んでしまった場合、通常はロッドを海中に差し込んでラインブレイクを交わすのだが、短いとやりづらいということもある。
このような利点と欠点から、ロッドの長さは6〜6・5ftクラスが好まれているようだ。

ガイドを確認する

オフショアジギングで使うメインラインのほとんどがPEラインなので、ロッドはそれに対応したガイドが当然セットされているが、ガイドにもグレードがある。当然価格の安いロッドほどグレードが下がる傾向にあるため、購入する際は確認しておこう。

リールシートを確認する

リールはスピニングリールとベイトリールの2種類がオフショアジギングで使われるため、ロッドも2種類存在する。リールの使い分けは後に説明するが、ロッドを購入する際は間違えないように気をつけよう。リールの取り付けはもちろんできないが、ガイドのセッティングやガイド自体が違うものもあるので流用はできない。

ロッド選びの手順

  1. 予算を決めて、各社のロッドを比較検討。釣具店に行き、オフショアジギングロッドコーナーをチェック。
  2. 使用するジグウエイトをチェック。通常は◯〜◯gかマックス数値が表記されている。
  3. 対応ライン表記をチェック。PE◯〜◯号(lb)と表記されているが、ジグウエイトがマッチしていればほとんど問題ない。
  4. 店員さんに頼み、実際にロッドを曲げて調子を確認する。個人差やテクニックによって大きく好みが変わってくるが、わからない場合はジグを感じやすいファストテーパーがおすすめ。
  5. 気に入ったロッドにシリーズがある場合は、硬さで分けられていることがある。メーカーのカタログを見ればどんな釣りに適しているのか書いてあるのでチェックしておこう。

リールセレクト

スピニングリール

船釣りのほとんどがベイトリールを使うが、ジギングやキャスティング、一つテンヤではスピニングリールが活躍する。初級者にも扱いやすいので購入するならスピニングをすすめる。
利点としてラインの放出がスムーズなためキャスティングしてもトラブルが少なく、ルアーを素早く沈めることができる。また、ラインの巻き取りも速いため広範囲を探る場合は手返しが良い。
ドラグ調整も細かに設定でき、不意の大物とも対峙しやすい。
最大の欠点はラインがヨレやすいことだ。PEラインや細いラインを使用しているとさほど気にならないが、ナイロンやカーボンの太号数を使うとヨレが激しく、ルアーが海中で無駄な回転をすることになる。もちろんトラブルも起こりやすくなる。

ジギングでのリール選びの基本は、ドラグ性能と耐久性。ドラグがスムーズに出て、なおかつしっかりと締まるもの。魚が一気にラインを引き出したときスムーズにラインがでないとブレイクしやすくなる。

また、やりとり中はロッドガイドやリールのラインローラーでPEラインに摩擦熱が発生して切れやすくなるため、ラインローラーも重要となる。耐久性については、ギアが破損したりリールハンドルが折れることも珍しくないほど酷使するため、予算が許す限りグレードの高いものを選ぼう。できれば予備を持って行きたいところだ。

ベイトリール

船釣りは深い場所を狙うため、通常は糸ヨレが少ないベイトリールが向いている。ジギングの場合はベイトリールの細かな性能を重視して使用されるケースが多い。
その機能の代表として、クラッチによる巻き上げ&フォールの素早い切り替えが可能なところだ。浅い海域や同じレンジを繰り返し探るのに適している。
また、細かな巻き取り性能で使い分けることもある。スピニングリールに比べて巻き取り量の少ないものを選び、ワンピッチのジグの動きをセーブしながら狙うときに重宝する。
欠点はキャスティングに向いていないところ。慣れないとバックラッシュを起こしやすく、スピニングに比べて飛距離は劣ってしまう。

ベイトリール

 ベイトリールを選択する際、巻き上げ量にも注意すること。ハイギア仕様も多く発売されているので、釣り方に合わせて選択しよう。

リールのカスタムパーツ

スピニングリールにはスプールの互換性やカスタムパーツが多く販売されており、自分好みの仕様に変更することが可能だ。

リールのサイズ

対象魚によってリールのサイズも変わってくる。リールの場合、大は小を兼ねることも可能なので大きいリールでもいいのだが、疲れを抑えるためにもできるだけ小型で軽量なものが望ましい。
リールのサイズに一番影響するのがラインの太さと必要な長さである。大物狙いを除き、ジギングではPEラインの3号以下でほとんど対応可能だ。
水深150mくらいまでを狙う場合でも、潮の流れでラインは斜めになるので200mくらいまで狙えるようにしておき、魚に走られたことも想定して最低でもPEラインの長さは250mは必要だ。これに、ラインブレイクやトラブルを考えると300mのPEラインをリールに巻いておけば安心ということになる。
リールは3号のPEラインが300m巻けるサイズが使えるということになる。リールの番数はメーカーによって違うので、かならずスプールの糸巻き量を確認してから購入すること。
これで一般的な海域でジギングをするのに適したリールサイズを選べるが、魚の大きさに合わせたリールサイズも考えなければならない。リールのサイズは大きくなるほどハンドル1回転のライン巻き取り量が多くなる。つまり小さいリールほどラインを回収するのに労力を費やすということだ。大型魚とのやり取りでは、一気に数十m走られることも珍しくなく、ラインの回収速度が重要になることも多いことから、大型でパワーのあるリールを使用する。自分が行く釣り場の状況(水深・魚種)を確認して、最初の1台を購入しよう。

ギア比を選ぶ

リールに搭載されているギアにはいくつか設定がある。それぞれの性能を知っておき用途に応じて使い分けると便利だ。オフショアジギングで好まれるのは巻き取りがスムーズに行えるパワーギアなどだ。

  • パワーギア/汎用性が高いノーマル仕様。
  • ハイギア/巻き取りスピードを活かしたハイテンポな釣りに向いている。
  • エキストラハイギア/巻き取り量は多いが他のギアに比べて巻き取りが重いためキャスティングゲーム向き。

ドラグの調整

ドラグとはリールからラインを引いたとき、ラインが出るように調整できるリールの機能である。ドラグを調整することで、使用しているラインが切れそうになったら、リールスプールが自動で逆転してラインを出してくれる優れものだ。スピニングリールはフロントに、ベイトリールはハンドル付近に取り付けられている。
大きな理由はラインブレイクを阻止するためだが、無理に魚と引きあうとフックが刺さった穴が広がったり、口が軟らかい魚を狙うときはゆるく設定して口切れを防止する効果も得られる。ただし、ラインに手を添えていていきなりドラグを引き出す力が加わった場合、手が切れてしまう恐れがあるので注意が必要だ。
まず使用するラインの強度を調べる。パッケージやカタログに直強力やkgfなどとして表記されている。例えば10㎏と書かれていた場合、PEラインのドラグの設定は1/5〜1/4を目安にするので、2〜2・5㎏ということになる。
ではどうやって測ればいいかだが、図のようにタックルをセットして行うのが一番。こうすればロッドガイドの摩擦抵抗なども加わるため、より実際に近い数字が出せる。専用のドラグチェッカーも売られているので、使ってみるとよい。

ドラグ調整

本来はドラグチェッカーなどでやったほうが良いが、ペットボトルで簡易的に設定できる。測るときはゆっくりと持ち上げること。リーダーは不要。4本縒りのPEラインの場合は、使用しているラインの強度の1/5〜1/4を目安に行う。8本縒りの強度はかなり高いので、締め過ぎないように注意。

強度・耐久性が大切

ハードな釣りの部類に入るジギングでは、リールの耐久性も重要となる。ハイスピードで巻いてギアに負担を掛けたり、魚の走りを強引に止めるためドラグ性能を目一杯使ったりとリールを酷使する釣りだ。
このため、剛性が不充分なリールでは釣りの最中にギアが破損したり、ハンドルが曲がったりというトラブルも珍しくない。突然のトラブルは最上位機種を使用していても避けられないが、やはり値段が上がると性能だけでなく耐久性もアップすることを知っておこう。できれば、予備のリールを持ち込むのが理想なので、いきなり上位機種を買うよりは、ミドルクラスを2台揃えるくらいのほうがいいだろう。

リールオイル

水で丸洗いできるリールも増えており、以前よりメンテナンスは楽になっている。ただし、定期的にオイルやグリスを塗布しなければ、表面だけきれいになるだけだ。各社から専用の油が発売されているので釣行後は手入れを怠らないようにしよう。

メインラインを決める

主流はPEライン

PEラインが普及してからは、ジギングのメインラインはほぼPEラインとなった。他のラインに比べて伸縮率が非常に低く、ロッドを軽く操作するだけでジグを思い通りにアクションさせることが可能だからだ。
ラインの感度もよく、ラインが張った状態のジギングでは特にアタリが取りやすいといっていいだろう。しかし、PEラインは緩んだときの感度は他のラインよりも劣っている。フォーリング時などにアタリを取りたい場合は、少しテンションを掛けながらジグをフォールさせるといいだろう。

PEラインとは

細いポリエチレン(Polyethylene)繊維を複数合わせて編みこんだ「マルチフィラメント」。対して、ナイロンラインやフロロカーボンラインなどの単線ラインを「モノフィラメント」という。

カラーの活用

スピニングリールを使用していると、どのくらいラインを放出したのか(どのくらいの水深を狙っているのか)分かりにくい。その点、ベイトリールにはカウンターが付いているものもあり便利だ。
これをより分かりやすくするためにPEラインには色分けされているものがある。商品によって違うが、10mごとや25mごとに色分けされたラインをカウントし、現在どのくらいのタナを狙っているのかを把握することができる。

PEライン

100mごとの連結と、200m以上の単品が発売されているので、使用する長さに合わせて選択しよう。PEラインであればどれでも使用出来るが、専用に設計されたラインのほうが使い勝手は向上されている。

太さを決める

社団法人日本釣用品工業会により、ナイロンライン、フロロカーボンライン、PEラインの号数が制定されている。この号数の基準は素材の重さからきているため、強さを表したものではなく、均一な標準直径を目指したという意味が大きい。ちなみに均一な標準直径は、ラインの強さを生むためである。ラインの太さが均一でないと切れやすくなる。
ラインの表記にはもうひとつ、「lb」と書かれているものがある。これはポンド(重さ)を表す記号で、1ポンド0.45359237㎏という計算になる。つまり10lbだと約4.5㎏まで耐えられる計算になる。
使用する釣り糸の号数を決める場合、魚の大きさに合わせた釣り糸の「強さ(直強力)」と、「長さ(水深・飛距離)」などを考慮して選ぶのが一般的だ。
しかしその都度メインラインを変更するのは経済的にも好ましくない。ほとんどの場合、自分が釣りをする平均値で使っていることが多いようだ。

ラインの太さと長さの目安

■シーバス、タチウオ、小型青物、一つテンヤなど
号数:PE0.6〜1.5号
巻量:200m
■中型青物(5kg以下)、深場のタチウオなど
号数:PE1.5〜3号
巻量:200〜300m
■青物(10kgクラス)など
号数:PE3〜4号
巻量:300〜400m

PEラインのカラー

PEラインには水深が分かりやすいように等間隔でラインの色を変えたりマーカーが付いているものが発売されているので、スピニングリールを使う際には活用しよう。

PEラインの原糸は同じなので、その撚り方で特性が変わってくる。撚り方は二重構造、モノ構造、マルチ構造、マルチ構造ストレートなどがあり、その強弱などを変えることによりラインの特性を変えて釣り方別に最適なものを作り出している。もちろん、撚りだけではなくコーティングなどを施すことにより、さらに使い勝手の良いラインができるのだ。
4本撚りと8本撚りの違いはその名の通り撚る糸の数。4本よりも8本の方がなめらかな撚りになり強度も増すがその分高価になる。

長さを決める

PEラインにはパッケージ単品で売られているものと、100mごとに巻かれたスプールが連結されて販売されているものがある。
連結のラインを購入する場合は、1スプールごとの販売になるので、ほとんどが100m単位となる。店員さんに声を掛け、必要な長さをカットしてもらおう。
問題の必要な長さだが、船長に確認しておかないと自分だけラインの長さが足りないということにもなりかねないので、必ず聞いておくこと。また、長さが少しだけ足りないからといってPEライン同士を途中で繋ぐのはトラブルの原因になるのでやらないこと。

4本縒りと8本縒り

マルチフィラメントであるPEラインには、4本で縒ったラインと8本のものがある。当然8本で縒ったほうが強く、細かな編み目になるので滑り性能も良い。
できれば全て8本縒りを使いたいくらいであるが、4本縒りに比べて価格が高いのが難点だ。8本縒りを使いたい理由はその強度にある。同じ号数でも強度が高いため、ワンランク細い号数のPEラインが使える。細いラインのほうが空中・海中ともに抵抗が少ないため、より遠くへルアーを飛ばすことができ、より早くルアーを沈めることができるからだ。
釣りの上級者ほど細いラインを好む傾向にあるのはその理由で、細いラインのほうが使いやすいからだ。ただし、大物を狙う船釣りの場合、無理に細いラインを使用するよりも確実に魚が獲れるライン選択が王道だろう。

PEラインの欠点

ジギングに最適なPEラインだが欠点もある。最大の欠点は耐熱性だ。細いポリエチレンを編み込んだラインのため、摩擦で劣化し強度が低下してしまう。特にリーダーラインとの結節時の摩擦にその現象が起きやすい。
このため、ラインの結節方法が様々な釣り人から考案されており、多くの種類が生み出されているのはそのせいだ。最初は本書籍に掲載されているPRノットがおすすめなので、マスターした後は他のノット方法も試してみるとよい。
また、ナイロンやフロロカーボンラインに比べて交換頻度が少ない釣り人も多いようだ。他のラインよりも値段が高いということもあるが、思ったよりロッドガイドやリールのラインローラーの摩擦で劣化していることも多いので、毛羽立ったり潰れて変形していれば交換したほうがいいだろう。
次に欠点となるのがしなやかさ。そのおかげで巻きグセが少なくスピニングリールでも使いやすいという大きな利点はあるが、縺(もつ)れたり絡んだりすると解くのが困難だということ。結びコブができやすく、解くことができてもその部分の強度が弱くなっていることが多い。また、ロッドガイドに絡みやすいこともあり、絡んだまま巻いたりキャストするとラインブレイクしてしまうので注意が必要だ。

PEラインのささくれ

ささくれたりダマになった部分は強度が下がってしまう。ダマを強く引いてほどいても、その部分がささくれやすい。

リーダーラインをセットする

なぜ必要なのか

メインラインにPEを使い、わざわざその先端にリーダーラインを結ぶのはなぜか。全て同じラインでいいのではないかという疑問もあるはず。
まずメインラインがPEの場合、瀬ズレや魚の歯・ヒレ・エラなどで擦れて切れる確率が高い。なので先端にPEラインよりも強いフロロカーボンやナイロンをセットする。
逆にメインラインにPEラインを使わない場合、スピニングリールでは巻き癖がつきやすいため、釣りにくくなってしまう。
以上の理由から、PEライン+リーダーラインのラインシステムを採用しているのだ。

ナイロンとフロロ

リーダーラインは、フロロカーボンとナイロンのどちらも使われている。好みと言ってしまえばそれまでだが、まずはフロロカーボンラインを選択するといいだろう。
フロロカーボンラインの特長は、摩擦に対して強いことと、吸水性が低いため劣化が遅いということだ。根のきついポイントや歯の鋭い魚を狙うときに重宝される。
ただし、細い号数ではあまり気にならないが、太号数になるとキンク(折れ)部分から切れやすくなったり、ノット部の締め込みが上手くいかないこともあるので、締め込みは充分に行う。
ナイロンラインの特長は柔軟性だ。ソフトにジグを操りたいときや他のラインよりも伸縮率が高いため、ショックを吸収したいときに使用する。ただし、熱や摩擦に弱く、吸水率も他のラインよりも高いので、若干の耐久性に劣る。この弱点をカバーしたナイロンラインも発売されているので、必要に応じて使いわけよう。

リーダーライン

リーダーラインにはフロロカーボンとナイロン素材のものがある。それぞれの特性を生かして使用するが、ナイロンラインでも強度があるものが開発されている。状況や自分の釣りスタイルに合わせて選ぼう。また、釣り糸は素材が同じであれば他のジャンルのラインでも基本的に流用が可能だ。

太さを決める

リーダーラインは強ければいいというものではない。強くするためには太さも必要になるため、太すぎるとジグの操作に影響が出てしまう。ラインは細いほどジグの動きを妨げずナチュラルな動作をしてくれるのだ。
基本となるリーダーラインの太さはPEラインの2〜3倍の強度。これより弱いものはリーダーラインの役割を果たさないので気をつけること。
もちろん、狙う魚種やサイズによっても号数を使い分けることはあるが、その場合はPEラインの号数も見直すようにしたい。
また、歯の鋭い魚を狙う場合、リーダーラインにワイヤーリーダーを使用する選択肢もあるが、ジグの動きがギクシャクしてしまうのであまりおすすめできない。使うのであればできるだけ短くしたほうが無難だろう。それよりも、リーダーラインの先に、さらに太いリーダーラインをセットしたほうがいいだろう。

長さを決める

瀬ズレや魚の歯やエラからのラインブレイクを守ってくれる役目として考えれば、まず釣れる魚よりも長くなければPEラインが魚に触れてしまう。
さらに、船釣りの場合は船縁での魚の格闘も予想される。取り込む際も、船縁にラインが擦れることも多い。このため、海面に魚が浮いてきたときには、リーダーラインがロッドに巻き込んでいる長さが望ましい。
以上のことから、最低でも3m以上は必要ということになる。一般的に好まれる長さは3〜5mだが、根が荒い場所で釣る場合は8〜10mと長いリーダーを好む釣り人も多い。

メインラインとの結節

PEラインとリーダーラインを結ぶのが一番厄介に思える人も多いほど、ノット法は慣れが必要となる。一見複雑に見えるのだが、数回結んでその原理とやり方さえ理解できれば、あとは慣れるのみだ。
また、結べたからといってそれで終わりではないのもノットの難しいところ。強度が保たれていなければ「ただ結んだだけ」になりかねない。実際、結ぶと強度は落ちるが、しっかりと結べていればラインが切れる場所はルアーとの結節部からが多い。
専用の器具やプライヤーなどを使ってしっかりと締め込み、特にフロロカーボンラインの場合は締め込みが緩いと隙間ができやすいので注意しよう。

ノット

PEラインとリーダーの結節は永遠の課題と言っても過言ではないほど、みんなが悩むところだ。疎かにしていい部分ではない。

メタルジグの選び方

メタルジグの素材

「メタル」という名称から素材が想像できるが、鉛製を中心に鉄、スズ、アルミニウム、タングステンなどの素材がある。
様々な素材がある理由はそれぞれの比重にあるが、鋼材の流通に影響されるほど釣りでは「鉛」が多用されてきた。近年では鉛よりも比重が高いタングステン素材も増えてきたが、高価なため手が届かないアングラーも多い。
逆に鉛よりも軽い比重の鉄やアルミなどを利用することにより、ライトタックルで大型のジグが使えたりと沿岸ジギングでも幅が広がっている。

材質と比重

図にあるように、素材の違いにより、大きくサイズが変わってくる。イラストは付属品などを計算しない状態なので、実際にはもう少しサイズの差は小さくなる。
比重の重い素材は小さなメタルジグを早く沈ませて手返しを早く狙うことができる。逆に軽い素材は大きなメタルジグが使えたり、スローフォールで誘うことが可能だ。このように、それぞれの比重を利用したメタルジグが販売されている。

同重量でのサイズ比較

サイズと重量選びの基本

ジギングでもマッチザベイトは基本となるため、その日のベイトによって使用するメタルジグもサイズが変わってくる。
しかし、オフショアジギングの場合、対象魚や狙う場所によって大きく水深が変わってくる。浅い場所ではさほど問題はないが、深い場所では軽くて小さなメタルジグを使用するにはいくつか難点がある。
まず、ボトムまで着底させるまでに時間がかかるということ。手返しが悪くルアー釣りに向いていない。
そして一番の問題が潮流だ。メタルジグ本体はもちろん、PEラインが潮の抵抗を受けて流されてしまう。こうなると着底が分かりづらくなったり、ラインが膨らんで隣の釣り人と絡んだりとトラブルが発生しやすくなる。
基本の重量選びは水深と同じから2倍の範囲(1m=1〜2g)で良いが、メタルジグの形状やPEラインの太さによっても沈む速度や潮流を受ける抵抗が変わってくるので、馴れるまでは隣の釣り人に重量を合わせるようにするといいだろう。また、船長から指示がある場合はそれに従うことだ。
基準よりも重い(サイズの大きい)メタルジグを使うこともある。これはその日のベイトサイズに合わせる意味合いが強い。浅場狙いだから軽いジグだけ持っていけば良いということはないので、オールラウンドで狙えるように準備しておこう。

ジグいろいろ

形状を決める

形状は大きく分けて2種類。
左右対称形と左右非対称型。前者はテンポよく探るハイスピードジャークや、大きくあおるロングジャークに向いている。後者は片面が膨らんでいて反面がフラットなものが多く、軽いロッドワークでもジグがアクションしやすい。

ジグいろいろ

重心を決める

大別するとフロントバランス、センターバランス、リアバランスの3種類がある。これは重心位置で区別されており、ジグ本来のアクションに大きく関わってくる。

■フロントバランス
フロントに重心があるため引き重りが少なく、ロッドを軽快に扱いやすい。このため、ロッドワークに敏感に反応してくれるレスポンス重視タイプ。
■センターバランス
ジャーク後の間でスライドアクションしやすい。ロングジグなどに多い重心。
■リアバランス
船の下にジグを落として引きながら縦の層を狙う「バーチカルジギング」向き。沈下が速いといわれているが、引き重りする。

メタルジグの重心と特性

カラーを選ぶ

市販されているルアーのカラーバリエーションは、沿岸部に生息する魚を狙うほど多いのをご存知だろうか。特にバスやシーバス用ルアーはダントツで多い。その理由は水の透明度にある。
そもそも、フィッシュイーターは魚を食べているわけだから、その魚に合わせたカラーであれば、どんな場所でも食うはずなので、多くのカラーは必要ないはずである。多くのカラーが用意されている理由は、対象魚に見つけてもらえやすくするため、つまり、目立たせるという意味が大きい。
沿岸や池、河川ほど泥や砂で濁りが発生しやすく、海中の透明度が悪くなる。このためその日に合わせたカラー選択が必要になってくるのだ。
つまり、沖に出るほど潮の色は安定しているため、カラーバリエーションは少なくなる傾向にある。それでもカラーが用意されている理由は、光量に関係する。
透明度の高い海では、水深300mほどまで太陽の光が差している。しかし魚は人間には見えない紫外線が見えているため(すべての魚種ではない)、人間よりもはるかにいろいろなものが判別できていることになる。
ルアーはエサではないため、魚を騙す必要がある。エサと思わせて食いつかせたり、興味を惹いて思わず口を使わせたり(リアクションバイト)という作業が重要になってくる。このため、状況に合わせたルアーアクションやカラーが必要となるのだ。
具体的な選び方は、当日の潮色や天気を考え、アピール度を決めてルアーを選択する。よくわからない場合は、船長に実績があるカラーを聞くと良い。
光量に合わせてベースカラーを選択したら、塗装カラーを決める。カラーローテーションをする場合もベースと塗装カラーを考えるとやりやすい。例えば、ショートバイトが続く場合は大きく外れていないと判断し、ベースはそのままで塗装カラーを替えて当たりを探る。一向にアタリがない場合はベースカラー自体を全く替えてしまうという風にローテーションするとわかりやすい。

海の色とジグ

一般的に澄み過ぎている潮よりも少し濁りがあったほうがルアーで釣りやすいとされている。これは、ルアーを見切られにくいということからであるが、釣り人からは魚が見つけてくれるカラー選択が必要になる。

まづめとジグ

まづめ時は、魚の活性が上がりやすいが、日中に比べて光量が少なくなる。このため、朝一は派手なカラーで狙い、日が昇るにつれて日中用のナチュラルカラーへとローテーションするのが基本。

水深とジグ

当然深いほど光量が少なくなるため反射素材などが有効となり、ゴールドやレッド、オレンジ系の実績も高い。しかし、暗い場所のためシルエットが重要となるケースも多い。カラーだけでなく形状も決め手だ。

ジグ選びの順序
  1. ジグウエイト/水深や潮流の速度に合わせてウエイトを決める。確実に魚がいるタナまで届く重量にする。
  2. 形状の選択/ベイトを参考に選ぶと良い。ロングやショート、スリムなど。
  3. アクションを決める/対象魚に合わせたアクションを決め、操作しやすいジグの形状を選ぶ。
  4. カラー選択/海水の色、光量を見てカラーを選ぶ。
ジグ

形状や見た目の塗装カラーだけではなく、ベースになっているカラーも重要。ローテーション時にはここを変えることで大きく変化をつけることが可能だ。

フックセッティング

オフショア用のメタルジグは、フックなしで販売されているものがほとんどだ。このため、自分でフックをセットしなければならない。
「アシストフック」をフロントに1本取り付けるのが基本。アシストラインの長さはメタルジグの1/3以内に収める。長すぎるとリーダーやジグに絡みやすくなる。ショートバイトが多発するなど状況によりフロントとリヤの両方にセットすることもあるが、キャスティング時やフリーフォール時に「エビ」状態になることがあり敬遠されがちだ。
フロントにフックを2本セットする場合は、フッキング時に力が分散されて深くフッキングしにくいので、アワセは力強く数回行うとよい。
セットするフックサイズは対象魚のサイズによっても変わるが、メタルジグの幅よりも大きなフックを装着するのが基本。メタルジグとフックのバランスが悪いとフックがメタルジグを抱き込んでしまう。
タチウオ狙いやキャスティングで後ろから魚が食ってくる場合は、リヤにトレブルフックを取り付けるとフッキング率が上がる。

フックセット

 フックのフトコロよりもメタルジグが大きいと、フックがメタルジグを抱え込んでしまう。

フックセッティング

 通常はメタルジグの1/3くらいにフックがくるようにセッティングする。マダイ狙いの場合はもう少し長くすることもある。

ダブルフック

ツインにしたりリヤフックをつけたりと応用は様々。最初はトラブルを避けるためにシングルがおすすめ。掛かりが悪かったりマダイやタチウオ狙いのときはリヤフックセットの実績が高い。

テーリング
テイリング(エビ)状態。これでは魚は食ってこない。深くや遠くを狙っているときはかなりしんどい。

狙い方の基本

基本操作

メタルジグをボトムまで落とし、船上までシャクって狙う「バーチカルジギング」が一般的だが、状況によりキャスティングが必要になることもある。
地域や船により異なるが、ポイント付近に到着すると船を固定せずに流しながら釣るのが一般的。流し方も色々とあり、それに合わせて釣り人も仕掛けを操作しなければならない。逆に言うと、メタルジグがいつも真下に沈んでくれるとは限らないのだ。
特に潮が速いときなどはそのままジグを落としてもすぐにラインが斜めになってしまうため、潮上にキャストして巻き上げ時にはできるだけまっすぐになるようにするなど、潮の速さと船の流れる速度を計算して釣る必要が出てくる。この辺はビギナーには難しく経験を積むしかない。最初は着底が分からずに根掛かりの連発になるかもしれない。しかし、根掛かりを恐れていては上達はおろか魚が釣れないので、最初は授業料と考えてまずは着底が確実に感じ取れるようになっておこう。

シーアンカーやスパンカーを使用した流し釣り

 シーアンカーやスパンカーを使用した流し釣り。この流し方が一般的で、潮流と一緒に船が流れるので仕掛けが立ちやすい。

ドテラ流し

 横向きに流すどてら流し。エンジンを切って流すので、浅場などで有利。

水深と狙い方

水深の深さでも狙い方は大きく変わってくる。浅い場所ならジグの着底も速いため、キャストして狙えば広い範囲が探れる。逆にバーチカル(縦方向)に狙うと狙える距離が短くなってしまう。これは船を流す時間にも関係しており、一流しが短い距離で行われるときは、できるだけジグを水中に入れておきたいからだ。
しかし、魚礁やピンポイントの岩礁帯を狙う場合、キャストしてしまうとポイントから外れてしまうので、船長の指示や水深を聞いてから狙うこと。
逆に深い場所を狙う場合、キャストしたのでは着底するまで時間がかかり、ラインの抵抗などで手前に戻ってきてしまう。つまり、水深が深い場所を狙うときは重いジグで一気にボトムを探ったほうが効率が良いということだ。
バーチカル・キャスティング共に船の流し方にも大きく影響されるので、初めて乗船する船では常連さんを真似するのが手っ取り早い。

ピンポイントの瀬を狙う場合
広範囲(点在・浅場)の瀬を狙う場合
基本操作/水深が浅い場合

船釣りでは一流しする距離や時間が限られている。広範囲を効率良く狙うためにはキャスティングが有利。ただし、船元で釣れる場合は短い距離をバーチカルで狙ったほうが断然効率が良い。

キャスティング

通常、キャスティングというとオーバースローを想像するが、オフショアジギングの場合はアンダースローが定番だ。理由はメタルジグが重いということと、安全性を考慮してのこと。特にミスキャストは危険で、フックが刺さると病院行きとなるので注意しよう。
もう一つの注意点がドラグの緩みだ。キャスト時にドラグが緩んでいるとラインが出てしまい、添えている指を切ってしまうからだ。重いジグに替えた場合は、必ずドラグのチェックをするように心がけよう。

リールとロッドの操作

ジギングの基本は「ワンピッチ・ワンジャーク」。まずはこれをテンポよくできるようになることだ。規則正しいジグの動きは、意外と結果がついてくるものだ。これを基本にしてリーリングスピードやタイミング、ロッドアクションの大小を変えて自分なりのヒットパターンとなるコンビネーションジャークを作っていく。
ここで気をつけたいのがリールの巻き取り性能とロッドの長さ。巻き取り量の違うリール、長さが違うロッドのどれを使っても同じようにアクションすると、ジグは違う動きをしてしまう。逆に自分のテンポを変えないでいいようにこれを利用する場合もある。
もうひとつ、ロッドの柔らかさ。感じる以上にロッドがアクションを吸収していることが多く、見た目以上にジグが動いていないということ。ジグが見える範囲で確認しておこう。

水深が深い場合

深場を狙うときは一気に沈めるのが一番。潮流が速く流される状況で潮上にキャストしても、着底する頃にはかなり流されていることが多い。手っ取り早くジグのウエイトを上げたほうが無難。

基本操作/ピンポイント狙い場合
基本操作/潮が速い場合

潮が速いときは、着底時にはできるだけ真っ直ぐになっているように、潮上にキャストするとよい。ただし、無理に軽いジグを使うよりもウエイトを上げたほうが無難。サイズが気になるなら比重の違うジグを用意しておこう。

  • ロッドを下げながらリールハンドルを半回転下げる。
  • ロッドを上げながらリールハンドルを半回転上げる。

ジャークの長さ

沿岸のライトジギングではショートジャークが主流であるが、状況や魚種に合わせてジャークの長さを変えることで釣果が変わってくる。基本はストロークのメリハリ。バリエーションを豊かにするためにも、ジャークの長さを意識しておこう。

海中での動き

ショートジャーク

伸縮の少ないPEラインを使うことで可能となったメソッド。ロッド操作でキビキビとジグを動かせるため、短い距離で何度もアピールが可能だ。
根についた魚で遠くまでルアーを追ってこないときや、海の透明度が悪く遠くまで見えないときに有効な釣り方だ。
カンパチ狙いにも多用されるが、沿岸の比較的濁りがある海域ではほとんどで通用する。
リズム感が重要で、ギクシャクしたジャークになると無駄な体力を消耗して、釣行後半ではなまくらなジャークになってしまうので注意。ロッドを小脇に抱え肘から先の上下運動でリズムよく行うのがコツだ。
ロッドも短いほうが扱いやすく長いと疲れやすい。6ftくらいまでのロッドがよく、ベイトリールもテンポが崩れにくいのでおすすめだ。
使用するジグは左右非対称型がおすすめ。短いジャークでも大きくアクションしてくれるからだ。ただし高速ジャークを多用する場合はストレートタイプがあると引き重りがなく重宝する。

ショートジャーク

ロングジャーク

PEラインが普及する前はこちらがメインだった。伸びがあるナイロンラインなどを使用していたため、大きくロッドをあおらないとジグが動かなかったからだ。
しかし、目が良いと言われるヒラマサやマグロ狙いではPEライン使用時でもロングジャークが有利。長い距離を速い速度で動かすためルアーを見切られにくい。このことから透明度が高い海域でも有効で、シビアな状況でも魚のスイッチが入りやすくなる。
また、広範囲を早く探るときにも効率がよく、浅場でのキャスティング、深場の長距離、サーフェス狙いでも活躍する。
ロッドは長いほうが有利となるが、自分の体力と相談して決めたほうがよい。使用するジグは抵抗が少ないストレート系がおすすめ。ジャークの距離も大切だが、ジグを引くスピードも重要なので形状や重心にはこだわりたい。

ロングジャーク

ジャークの速さ

ジャーク(jerk)とは「引っ張る」という意味で、ここでは引っ張る速さのことだ。勘違いされやすいのがショートジャークやロングジャークのようにロッド操作だと思われることで、本来はリールを巻く速度のことになる。
魚の活性に合わせた速度が必要となるので、一日の中でも速度を変えながら狙うのが普通だ。

速いジャーク

俗に高速ジャークやジャカジャカ巻きと言われるもの。とにかくジグの移動を速くするように心がけるため、ジグ自体のアクションは乏しくなる。
これを補うためにジグは左右非対称型を多用してイレギュラーなアクションで魚を誘う。
操作はかんたん、ロッドとリールを交互に回すようなイメージでひたすら動かす体力勝負だ。
ショートバイトが多いときはスピードを緩めたり時折ポーズを入れてもよく、その瞬間にバイトすることも多い。
アクションが激しいためジグがエビになりやすいので、多発する際はフックシステムやジグの重心を変えたり、スピードを緩めてみよう。

高速ジャーク

スロージャーク

速巻きの反対でゆっくりとリーリングして、ジグの縦移動を短くするテクニック。ロッドのシャクリは通常通り鋭く行い、巻き取りをゆっくりにして同じレンジを長く狙いたいときに使え、大型狙いにも多用されるテクニックだ。根魚狙いでも重宝する。

フォーリング

フォール時の基本と注意点

リールのベイルをオープンにしてラインを送りジグを沈めていくが、潮流の影響などで真下に落ちることは少ない。そこで糸フケ(スラック)を多めに出して速く落とそうとする釣り人を見かけるが、オフショアジギングでやるとラインが海中で放物線を描き、底取りがわかりにくくなるのはもちろん、オマツリや根掛かりが頻発してしまう。ジグが落ちる速度に合わせてラインを出すのが基本だ。
しかし、速い潮流の場合はジグは真下に落ちようとしていても、ラインが流されてしまうこともある。こういう場合は時々リールスプールに指を当ててラインにテンションをかけ、ラインをできるだけ真っ直ぐになるよう修正しなければならない。まして二枚潮にでもなっていようならなおさらである。
ラインが途中から向きを変えたり、いつまでたっても着底が分からずにラインを放出し続けることになる。

フォール時のライン
エビ
リヤフックを付けている場合、ジグの頭から落ちるとテイリング(エビ)になりやすい。

フォールの目的

第一の目的はボトム(狙いのレンジ)まで沈めることである。これがスムーズでなければジギングは成立しない。しかし、ただ狙いの水深まで落ちているだけではなく、当然魚がいるレンジを通過しているのだ。
このチャンスを活かすか殺すかでも大きく釣果が変わってくる。といってもなにか特別なことをするのではなく、休まずにロッドを持ってバイトを感じ取ることと、適度にラインにテンションをかけておくことだ。PEラインは緩んでいるとバイトが伝わってこないので注意だ。

フリーフォール

ほったらかしでフォールさせるのではなく、前述したようにできるだけラインが膨らまないようにジグを落としていく。

カーブフォール

浅い海域や鳥山などをキャスティングで狙う場合に多用する。ラインを手で止めていると強烈な魚の引きで指が切れる場合があるので、かならずリールのベイルを寝かせておくこと。

リトリーブの活用

ロッド操作とのコンビネーションでリールを操作することが多いジギングだが、ジグの回収時に魚がバイトしてくることも珍しくない。単純にリトリーブする「ただ巻き」でも魚が狙えるということだ。
目が良い魚にはあまり効かないが、シーバスやタチウオなど少し濁りがある海域ではミスバイトも少なくおすすめだ。これに時折フォールを加えてもバイト数が向上する。
さらに、ただ巻き・速巻き・スロージャークなどを織り交ぜれば、独自のコンビネーションジャークが完成する。これがその日のパターンにハマると爆釣するので、いくつか自分のパターンを持っているとよい。

ジャークなどのテクニックはある程度必要だが、よく釣れる人はトラブルが少ないことに注視しよう。特にラインシステムやジグ交換時の「いいかげん」さはご法度だ。

スロージギング

主流であるハイピッチやハイスピードのリアクションバイトやジグを見切られない狙い方に対して、もっとジグを泳がせて魚に見せ、しっかりと食わせるのがスロージギングだ。スロージャークの進化系といえばわかりやすいだろうか。
とにかく「スロー」と名が着くと「ゆっくり」と勘違いされやすいジギングテクニックだが、魚に対してスローというのが正解だ。
ハイピッチでもスローでもロングジャークでもシャクる初速は同じで、その後の操作が違うと考えればよい。
スロージギングの特徴として、センターバランスの幅広いメタルジグが好まれるという点だ。ジャーク後やフォーリング時にこの形状のジグだと横向きにひらひらとフォールする。
その光景は弱った魚が動いているように見え、ルアーを見切られることなく魚の食い気を誘うというものだ。
指定したレンジまでのフォーリングから、コンビネーションジャークで発生させるフォールと、今までは引きの釣りだったことに対して、フォールで食わせる要素が加わったと思えばいいだろう。
しかしデメリットもあり、フォール速度が遅くなってしまうため、速い潮が流れるときは釣りづらくなる。船内でのオマツリを引き起こすので、身勝手に使用するのは控えることだ。

スロージャーク

リーリングアクション

通常のジギングと大きく違うのが小刻みに行うリーリングだ。短いジグの移動を演出するため、ベイトリールが好まれる。
まずロッドとラインを直角になるように持ち、リールハンドルを1/8〜1/2素早く回転させ、ロッドティップの跳ね返りを利用してジグを跳ね上げ横向きになるようにする。
ロッドの操作は動かさないのを基本として、リーリングと合わせて軽くアオったり、リーリングも1回転させたり半回転で止めたりとバリエーションを持たせて狙う。
キーポイントはジグを跳ね上げたあとに間を持たせ、ジグが横向きになるようにすることだ。たまにロッドを下げて短いフォールを演出するのも有効である。

ロングフォール

ロッドを下げた状態からゆっくりと頭上まで持ち上げる。このときリールを1回転させながら行う。頭上にロッドを上げてからジグのテンションが抜けたときに、今度はロッドを一気に下げる。
ラインのテンションを失ったジグは、イレギュラーな動きをしたり、ひらひらとフラッシングしながらフォールする。このアクションが魚を誘い食わせのタイミングとなる。
このときの注意点はアタリの取り方。テンションをフリーにしているため、もちろんロッドやリールで感じ取ることはできない。海中に沈むラインを観察し、沈みが速くなったり途中で止まるなど違和感があればアワせてみよう。

電動ジギング

電動リールはエサ釣りで主に使用され、深海釣りやウキ流し釣りで重宝されてきた。発売当初は糸巻き量が多い大型のリールが主流だったが、近海でのライトタックルが主流になり、小型でハイパワーの電動リールが開発され続けている。
このことでジギングでも使える電動リールが出てきた。ネックとなっていたのは巻き上げ力であったが、ハイスペックなものは人間の力よりも高い性能を持っている。
さらに巻き上げ速度や巻き上げ時のテンションの設定が変えられるなど多機能さもあり、バラシの軽減にも繋がっている。
しかし電動リールならどれでも使えるというわけではない。前述のようにパワーと高いドラグ性能が必要となる。両性能が低いものだと、ドラグが締まらず大型の魚がくるとラインの放出が激しくなる。また、巻き上げ時も手動で巻くことになったり、高速でジグを巻き上げるのもままならなくなってしまう。購入時は下調べしておこう。


基本の釣り方は、電動リールを早巻きに設定し、そのままロッドをシャクるだけだ。ロッドを手持ちではなく、ロッドホルダーを取り付け、セットして行なっても良い。魚が掛かったときも早巻き状態になっているため確実にフッキングしやすい。
巻き上げはロッドを立て気味にしてロッドの弾性を充分に活かしながら巻き上げてくる。
電動リールを使うことで、女性や子ども、高齢者までジギングを楽しむことができるのはもちろんだが、深海のジギングでも体力を切らすことなく最後まで楽しめるのが魅力だ。特に回収時の巻き上げは楽ちんである。

電動リール

小型化が進んでいるとはいえ、通常のリールに比べてひとまわり自重もサイズも大きい。ドラグ力も重要度が高いので、購入する際はよく行く釣り場に合わせて性能を決めよう。

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