






サビキ釣りとは
釣りに興味がある人なら、サビキ仕掛けに鈴なりに掛かった魚を目にしたことがあるでしょう。鯉のぼりのようになったその光景は、とても魅力的に見え、自分も味わってみたいと思うものです。このように数が狙えるというのはサビキ釣りにとって魅力的ある釣りなのです。
次に、道具が比較的安価で手に入るということもあります。海に近い釣具店では、夏になるとサビキ釣りに関する商品売上がトップになるほどで、ファミリー=サビキ釣りという図式が成り立っています。特に全く釣り道具を持っていなくても、2,000円も出せばエサを含めて一式揃うというのが魅力です。それに家からさほど遠くない場所で釣れるから、忙しい現代人にとっては、短時間で遊べるというのもうれしいものです。特に釣って楽しく、食べて美味しいアジやイワシはファミリーの人気魚種でもあります。
サビキ釣りの基本とは
好まれるターゲット

■アジ
サビキ釣りに限らず釣りものとしてポピュラーな魚種。サイズが小さいものほど群れが大きくたくさん釣れる。
■コノシロ
小型はコハダとして鮨ネタに使われる。小骨が多く食べづらいためつみれにすると子供でも食べやすい。
■イワシ
いつも狙えるというわけではなく、群れが接岸したときにのみ釣れる。長居はしないので情報収集が重要。
■サバ
泳ぎが速く引きが強いためハリに掛かったら四方に走り回る。他の釣り人の仕掛けに絡まないように注意。
■サッパ
コノシロによく似ているが別種類。ママカリとも呼ばれ小型は酢漬けに、大きいものはみりん干しが美味。
主なポイント

先端部は特に有望なポイント。遠くのポイントまで仕掛けを投げることができるし、港内を向けば潮の緩い場所を狙うことができます。
ケーソンに変化がある場所は、エサが溜まりやすく魚が集まりやすいポイント。
港内の奥まった場所では、夏~秋にかけて活性の高い個体が集まりやすい。特に朝夕まづめは狙いめです。とはいえ、潮が淀んでいるような潮の入れ替わりがない場所は期待が薄い傾向にあります。
常夜灯のある場所は夜釣りに期待が持てるポイント。明かりの下にはプランクトンが集まり、それを追って魚がやってきます。群れが入っていれば短時間で大釣りすることも可能です。

奥まった場所でアジの群れが溜まっていると爆釣しやすいようです。ポイント選びで当たれば、とても数が釣れる場所なのです。
常夜灯のある場所は、夜間に魚が集まりやすく一級ポイントとなりやすい。特にオレンジの常夜灯を魚は好むようです。
サビキ釣りにも種類がある
超初心者向きなのが、サビキ仕掛けとアミカゴのみの「胴突き仕掛け」。仕掛けを投げたりせず、足元付近のみ狙う仕掛けです。もう一つが「ウキサビキ仕掛け」。サビキ用の大きめのウキをセットして、沖も狙えるようにしたもの。近年はこちらの方が人気で、ベテランも多く楽しんでいます。
基本の仕掛け


ハリはカラーで選ぶ
サビキバリは幹糸と呼ばれる糸に、複数の枝スと呼ばれる糸が枝分かれして構成されたものです。ハリの先はエサに見立てた疑餌バリとなっていて、サビキバリとも呼ばれます。サビキバリは種類が多く、加えてハリの大小もあります。だからどれを選べばよいか迷ってしまうのも事実です。
ハリの号数は釣れる魚のサイズに合わせるのが基本です。問題は擬似餌となる素材のカラーで、その選択によって釣れる数に影響が出るので重要です。
カラーとその効果については次の通り。選ぶ際の参考にしてください。これらを状況によって使い分けることが重要で、できるだけ多くのパターンに対応するため、数種類そろえておくことをおすすめします。

■ハゲ皮
疑似餌バリにカワハギの皮を使用したもの。魚が群れているように見せることで、集魚力をアップしてくれる。
■ピンク
マキエのアミと同色に近く、魚に違和感なくハリを食わせる。
■グリーン
潮が濁っているときや魚が底に溜まっているときに有効。
■ブレンド
さまざまなカラーが組み合わされており、異なる色で魚にアピールしてくれる。なかなか釣れないときなど有効。
■蛍光色
夜釣りのサビキ釣りなど、周囲が暗いときなどに使用する。アピール力は抜群。
■ラメ・オーロラ系
透明、あるいはホワイト系を基調にして、ラメを入れることによって小魚を演出する。食い渋りの切り札となることもある。
オモリの選び方
まず、魚の泳いでいる層や留まっている層まで仕掛けを落とさなければ釣りになりません。オモリのチョイスが釣果を分けるということです。
例えば釣り場の水深が浅い場合は、狙う範囲も当然浅くなります。このときに重いオモリを使用すると、仕掛けの落ちるスピードが速すぎてせっかくの魚が驚いて逃げてしまいます。だから、ある程度仕掛けがゆっくり落ちるように適度な重さのオモリを使用するのがコツです。
逆に釣り場の水深が深い場合は、魚がどのくらいの深さを泳いでいるかということも考慮する必要がありますが、それなりに重いオモリを使用して一気に仕掛けを落とすのも手です。しかし、あまり重いものを選ぶと全体が重く釣りづらくなるから注意しましょう。
カゴの選び方
コマセカゴ(マキエカゴ)にはいくつかの種類があり、ナイロン製で作られた軟らかく軽いものや、プラスチック製あるいはステンレス製の硬いものがあります。
ナイロン製で作られたコマセ袋やコマセカゴは軽いため、サビキバリより上に付けて使用します。そのままでは軽くて仕掛けを沈めることはできないから、ナス型オモリと併用するのが基本です。サビキバリの上にセットするためマキエはハリの上から落ちてきます。
オモリ付きのプラカゴやステンレスカゴは、仕掛けの末端、サビキバリより下に取り付けます。仕掛けが沈む際にカゴから放出されたマキエがハリに同調する仕組みです。浅いタナを狙うときに適した仕掛けとなります。
釣り場の環境によって適したカゴがあるから、釣り場にいる他の釣り人を参考にするか釣具店で聞くとよいでしょう。地域によって使用するカゴの形状や種類は異なることもあります。
コマセカゴの中には、よりエサの詰めやすさを追求した洗濯バサミのような商品もあります。両脇のつまみを押して開き、そのままマキエを挟むようにしてカゴに詰めることが可能です。オモリ付きの仕掛けと同じ位置に付けて使います。このタイプはマキエを詰める際に手が汚れないのがメリット。
下カゴ仕掛けの場合、根掛かりなどでコマセカゴを紛失したり、カゴ自体が破損することも考えて、2〜3個予備を準備しておくと安心です。ウキとの重さの兼ね合いに気をつけて選びましょう。色はさほど釣果に関係しないから、見やすいものがよいでしょう。


仕掛けの投入方法
サビキ仕掛けの投入方法は2パターンあります。一つは足元に落とすだけなので、何も難しいことはありません。ただ竿を前に出し、リールから道糸を出してやるだけです。
もう一つはウキサビキ仕掛けの場合。沖のポイントを狙うためには、遠くへ仕掛けを飛ばす必要があります。
投げ方の基本はオーバーヘッドキャスト。頭上に大きく振りかぶって、利き手で竿を押し出し、竿尻を持った反対の手を胸元に強く引いて竿の弾力を生かした飛ばし方をします。これが遠くへ仕掛けを飛ばすコツです。形ができていれば、投入時にサビキバリとウキが絡まることもありません。
仕掛け投入時は周りに人がいないかだけは必ず確認しましょう。

- 竿先からウキを20㎝ほど離れるように調節する。ウキが穂先にぶつかると折れることもあるので注意。
- 道糸をリールから引き出して人差し指に掛け、リールのベイルを起こしてオープン状態にする。
- そのまま後方に振りかぶる。障害物や人がいないか注意しよう。無理してあせって投入しないこと。
- 右手で押し出し竿尻を持った左手は体に引きつける。頭上を竿が通過するときに道糸を掛けていた人差し指を離す。
- 仕掛けが着水するまで、竿の角度は45度を維持することが理想的。道糸が出なくなるまでじっとしておく。
ワンポイント
仕掛けを投げるために大きく振りかぶる際には、後方に人がいないかしっかり確認しよう。自分の不注意から人にケガをさせてしまうと大変です。
サビキ釣りのエサ
サビキ釣りのエサは主にアミを使用します。アミは姿形がエビに似たプランクトンの一種です。アミを詰めたコマセカゴ(アミカゴ)を水中に入れると同時に拡散し、その匂いで魚を仕掛けに寄せてきます。
サビキ仕掛けにはエサに似せた疑餌バリがついているため、基本的にはハリにエサは付けません。しかし、魚は見えているのに釣れないとき、またサイズアップを狙いたい場合などはハリにエサを刺して使用するのも効果的です。サビキバリは小さいから、ツケエにはサシアミが使いやすいです。

チューブタイプ(写真左)
チューブ式になっていて手が汚れないため使いやすい。水の中に入るとゆっくり溶けて魚を誘う。
生エサタイプ(写真右)
アミはこのように冷凍状態のままブロックになって販売されています。そのままでは使えないから、しっかり解凍しましょう。「溶かしアミ」として、解凍したものを販売していたり、解凍をあらかじめ予約できるお店もあります。
エサは解凍して使う
マキエに使うアミは冷凍販売されています。この状態では使用できないから解凍が必要です。
春〜夏はバケツに海水を入れてその中に浸けておきます。外気温が高いのでそれほど解凍に時間もかかりません。
気温も水温も下がる冬季は、自然解凍に時間が掛かるので釣行前日に購入して屋外に出しておきましょう。一晩外気にさらせば大抵は解凍できます。釣り場に行ってから解凍するのは効率が悪くなります。
マキエを入れる
アミは匂いが強く、よい香りとはとてもいえません。また水分が出るため衣類や手も汚れるからタオルは必需品となります。
本来ならコマセカゴへは手で入れるほうが手早くできておすすめですが、苦手な人は便利グッズを使うと快適な釣りが楽しめます。

スプーンはプラスチック製でも金属製でもどちらでもよいですが、コマセカゴにマキエを入れやすいサイズのものを選びましょう。
サビキ釣りを長く続けるようであれば、持っていて損はありません。釣具店では吸い込みバケツを売っています。
◯スプーンや割り箸を利用する
コマセカゴにエサを詰める際、バケツでそのまま解凍して使用するのであれば、スプーンや割り箸を使うと手が汚れません。より詰めやすい専用品も売られています。
◯専用のバケツを利用する
吸い込みバケツを準備しておくと、サビキ釣りで大変重宝します。解凍した状態のアミと海水を入れて使用します。完全に解凍できていなくても海水が入っているから徐々に解凍しながら釣りができます。
サビキ釣り専用の設計になっており、コマセカゴをバケツの中央に入れて2~3回シャクるとバケツの中が撹拌され、舞いあがったアミが自動的にコマセカゴの中に入る仕組みです。手返しもよくアミが飛び散らないのがメリットです。
◯ザルを利用する
料理などに使用するザルも便利。軽量で持ち運び優先ならプラスチック製、長持ち優先ならステンレス製を選びます。解凍したマキエをバケツに入れておくと、水分が出てカゴに入れにくいもの。しかしザルに入れておけば水分が切れてカゴに入れるときにも手の汚れを抑えることができます。
サビキ釣りのイロハ
実際は難しい釣り
魅力的で安価に手に入る道具類に反比例して、釣り方は想像よりも難しいです。それでも、胴突きサビキと呼ばれる、足元だけを狙ったサビキ釣りなら、仕掛けを放置していても、そこそこアタリがあるから楽しめる可能性はあります。
しかし、ウキサビキ釣りはウキ釣り経験者なら理解できるものの、釣り自体初めてという人は「移動仕掛け」という原理が説明なしには理解しづらいようです。そしてそれを理解していないと、全く釣れないということもありえます。
「タナの調整」がキーポイント
ウキサビキ釣りには、「ウキ止め」というものが必要で、これは道糸にセットするゴムだったり糸だったりします。ハリからこのウキ止めの位置までを「タナ」と呼び、仕掛けが沈む距離となります。つまり、このタナの調整をきちんとやらなければ、魚の居ない水深を探ることになるということです。アジ狙いなら、当日アジが回遊してくるであろう水深を予測し、調整する必要があります。
タナ調整のキーワード
釣り場自体の水深にもよりますが、イワシの場合は浅い場所で群れていることが多く、目視しながら狙うというシーンも多いです。しかし、アジのタナはコロコロと変わりやすく、浅かったり深かったりと時間によりまちまちになります。これは、アジは群れで回遊していて、同じ場所にじっとしているというわけではないからです。このため、釣れるときには一気に掛かり、釣れない時間が長く続くこともあります。
基本のタナ設定は、早朝や夕暮れ時は水深5mくらい。朝晩のまづめ時は浮いていることが多いから、2mと浅い場所から狙うのがセオリーです。
日中は底から3~4mくらい深く狙うほうが効率的です。釣れなければ徐々にタナを浅くしていくようにします。
もちろん、これは一般論なので予想通りうまくいくことのほうが少ないです。他の釣り人の釣れ具合も確認しながら、タナを調整していきましょう。
「誘い」が差をつける
ウキサビキ仕掛けをそのまま流しているだけではいけません。アミカゴに溜まったアミを排出して魚を寄せなければ意味がないのです。そのまま流しても徐々にアミは排出されますが、意図的にカゴからエサを出すことで、自分が狙っているエリアに魚を寄せることができるため手返しも良くなり数釣れる可能性も高くなります。

釣れないときはこうする
サビキバリは擬餌バリであり、スキンや魚皮、セロファンなどがハリにセットされています。これを魚がエサと勘違いして食いつくのですが、なぜか釣れる仕掛けというのがあります。いつもではなく、そのときだけである場合も多いから、サビキの種類は2つは用意しておきたいものです。現地の釣具店に寄って教えてもらうのが一番よいでしょう。
さらに、プラス本物のエサをハリに付けることで、もっと食いがよくなります。釣れない場合は試してみましょう。エサはアミカゴに入れるアミか、サシアミを用意します。
ハリの号数は釣果に関係する
5㎝くらいまでの豆アジなら3、4号。10㎝未満の小アジなら5、6号。20㎝クラスが交ざるなら7、8号のサビキバリが一般的。意外と魚のサイズに合わないハリは、食いが悪かったり釣り上げる途中で外れやすくなります。釣れているサイズを確認できない場合は、号数もバラエティに揃えておきましょう。
胴突きサビキ釣り
胴突きサビキ釣りは、サビキ仕掛けの一番下にオモリを付けるだけのシンプルなもの。仕掛けを海底まで落とし、竿先を上下させるだけでアジが食ってくる簡単な釣りです。アタリは明確でビクビクと竿先に伝わってきます。堤防の陰になっているところや潮の流れがあまり速くないところを狙いましょう。オモリだけでなくオモリの付いたコマセカゴを使う方が一般的で、マキエが底まで届き集魚効果は倍増します。この場合、アミカゴが着底したあと、竿をシャクってエサをカゴから出しアピールするのがコツです。
竿や仕掛けの長さは、アタリがあり竿を上げたらアジをちょうどキャッチできる長さがよいでしょう。アジを外したあとは、エサバケツのアミの中にアミカゴを入れてエサを補充。再びサビキを投入します。この一連の動作はスムーズなほどよく、手返しをよくすれば群れで動いているアジを足止めでき、更なる釣果が見込めます。サビキのサイズは4〜5号。ハリにはハゲ皮やスキンといった装飾加工がされているものを選びましょう。なお、サビキはハリの数が多いから周りの人に引っ掛けないよう気を付けましょう。
ウキサビキ釣り
明け方、足元で釣れていたアジは日が昇るにつれ沖へと移動します。沖を狙うには、オモリ負荷8〜10号に耐えられる竿が必要になってきます。目立つようにウキも大きいサイズとなります。沖は潮の干満で水深が大きく変わってくるので半遊動仕掛けを使いタナの調整をするようにします。基本的には底付近を狙いますが、釣り人から距離があるので警戒心が少なく中層でも食ってくることがあります。どのタナにアジが居るかは下から何番目のハリに掛かったかを見れば分かります。
まずは、胴突きサビキ仕掛けにウキを付けたものを使いましょう。これは10〜20mくらいの距離を狙うのに適しているからです。次に30m以上の遠投になってくると、投げた勢いでサビキが切れたり、絡まったりすることがあります。そのため遠投用のカゴが必要で、テンビン付きカゴに変更します。サビキの下にはオモリは付けません。このアミカゴは枝が伸びていて、そこにサビキを付ければカゴにサビキが絡みにくくなります。エダスを3本ほど間引きするとなお良いでしょう。この仕掛けなら思い切り遠投しても大丈夫。潮流が速いとエサが流されてしまって底に沈まないため、そんなときはパン粉を混ぜてカゴからエサが出るスピードを調整しましょう。
コノシロを狙うウキサビキ釣り
コノシロは出世魚。寿司ネタで知られているコハダはコノシロの幼魚です。秋口には25〜30㎝ほどに成長するので釣っても良し食べても良しの人気ターゲット。仕掛けは、アミカゴを付けたウキサビキ仕掛け。上カゴにしてマキエをサビキの周りに落として食いを良くするのが理想です。
仕掛け着水後、軽く竿をシャクってエサを出します。釣れるのは底よりも中層の方が多いようです。流れの緩やかな場所を好むので、波止の内海で竿を出すとよいでしょう。サビキのサイズは4〜6号を使います。
堤防の岸から10〜30m付近のポイントまで仕掛けを投入できるタックルが必要です。コノシロは群れで行動するのでいったん釣れ始めると一荷で掛かることも珍しくありません。ウキに出るアタリはツンツンツンとウキが揺れ動き、一気に潜っていくことが多いです。同じ仕掛けに掛かるサッパの場合、アタリがあるとウキがツンツンツンと突き上げられたり倒れたりします。ウキの動き方を見ていると、何の魚が掛かったかが分かるようになります。カゴに入れるのはアミとヌカなどの集魚材やムギを入れます。回遊の範囲は広くないのでマキエの濁りでアピールすれば、長時間同じ場所に留まってくれるはずです。
ヒラメを狙ったサビキ釣り
サビキ釣りといっても、アジなどのようにヒラメが直接サビキに食ってくるわけではありません。サビキに食ってきた小魚を生きエサとしてそのまま使って、ヒラメを誘い出すのです。
九州エリアの船からの釣りでは「落とし込み釣り」といって非常に人気の高い釣法の一つがあります。
やり方は簡単。足元にサビキ仕掛けを沈め、普通にサビキ釣りでアジなどの小魚を狙います。基本的にキャストは必要としません。小魚が掛かったらそのまま仕掛けを沈めて待つだけです。このとき、置き竿にするのなら竿を持っていかれないようにドラグは緩めておく必要があります。大型船などが発着するような足元から深くなっている港湾部や海釣公園などでやりやすい釣り方です。
ヒラメは活性が高い場合は、かなり上のほうまで出てきて捕食活動をします。しかし活性が低い場合は、あまり動いてエサを取ろうとしません。食いが悪いときは、なるべくサビキの下のハリに魚が掛かっているほうがヒラメに対するアピール力が強くなります。エサとなる小魚が上のハリに掛かっている場合は、下のハリに付け直したほうが釣果が得られる場合もあります。
ボラを狙うウキサビキ釣り
ボラは海面表層を泳いでいるため、寄せるのにはマキエは軽いものが良いでしょう。アミよりもムギやヌカなど集魚材の量を増やして広範囲に濁りを出します。集魚効果が現れると3〜5尾のボラが寄ってきます。狙うボラのサイズにもよりますが40㎝を超す大型狙いの場合、重量もあるのでサビキのハリスは3号以上。ボラは海水を吸い込みながらエサを捕食するので、ハリは5〜7号程度。マキエは上カゴに入れます。大型がダブルで掛かることもあるのでタモの準備を怠りなく。
表層を泳いでいるボラには仕掛けが見えているため、サビキの下にオモリを付けません。できるだけフカせておいた方がよいでしょう。あとはサビキの種類を替えたり、マキエの濁りを強くしたり、サビキにツケエを付けたり(トリックサビキ)とひと工夫が必要です。冬になると脂が乗って目の周りが油膜で覆われるので、それまで仕掛けを避けていたようなボラも釣りやすくなります。
ボラのアタリは明確で、一気にウキが潜り右へ左へと走り回ります。隣のサビキに絡み付くことも多いので、隣の釣り人がボラを掛けたら仕掛けは回収しておきましょう。