
アナゴ狙いのブッコミ釣り
船釣りで有名な魚だが、砂泥質や泥質の海底を好むため、湾奥などの漁港でも狙える身近なターゲットだ。
釣りの旬は晩春から晩秋までで、特に夏の半夜釣りが盛んだ。食味としては秋が旬だが、2月ごろの寒い時期のアナゴも旨い。
狙う時間帯は日没から午後9時くらいまで。深夜はあまり釣れない。日中でも釣れることがあるが夜間に比べて実績が低い。
アナゴは回遊してエサを探しまわるというよりは巣穴で待ち構えるタイプなので、一か所をずっと狙うよりは広範囲を探りながら狙うほうが効率的だ。
狙う場所

■堤防の際
投げずにそのまま足下に仕掛けを落とす。湾奥の漁港なら港外の足下もポイント。
■捨石の際
隠れるスペースがあると巣穴になっている可能性がある。
■底室
砂泥の底質を好む。障害物が少しある場所も狙い目だ。
仕掛け

エサの付け方

イソメは房掛けや縫い刺しにする。目立つように大きくつける。
魚の切り身は一旦ハリを通して再度ハリ先を通して抜けにくくする。
釣り方
漁港内を狙うのが一般的で、遠くまで飛ばす必要がないため10号くらいまでの軽いオモリを使ったブッコミ釣りがおすすめ。
丸玉やおたふくなど中通しのオモリを使い、ハリは一本だけにする。その理由は、アナゴはハリに掛かった後、外そうと暴れてぐるぐる巻きになるからだ。ハリが複数本付いているとアナゴに刺さってほどくのも大変だ。このためハリスは取り外しやすいようにスナップスイベルを利用するとよい。
また、アナゴは光物などを好む派手好きで有名だ。夜光パイプや発光体を使ったほうが断然釣果が上がるのでおすすめだ。
しかし、前述のように巻き付いて仕掛けが再起不能になることも多い。発光体や夜光パイプを再利用したいなら、ハサミなどを持って行き、仕掛けを切り刻んで分解できる用意をしておこう。特に発光体は使い捨てのため当日しか使用できないので、再利用したほうが経済的だ。
ハリはアナゴバリやウナギバリなどの流線型が代表だが、飲み込まれにくい丸セイゴもおすすめ。
エサは魚の切り身やイソメの房掛けを使う。特に脂が乗った魚の切り身に反応が良い。キラキラ光る魚皮もアピール効果が高いため、タチウオやサバ、イワシも食いが良い。身が固い魚は切り身で使うが、軟らかいものはぶつ切りで良い。
アタリは意外と繊細で、コンコンという感じで現れる。このままほったらかしにしてもハリ掛かりしてくれるが、仕掛けをぐちゃぐちゃにするので早急に上げたほうがよい。
これまでの釣り方の要点をまとめると…
- 狙うポイントは足下から5mくらいまで。
- アタリがあればすぐにアワせて仕掛けを回収する。
- ハリスに絡むことが多いため、替えのハリスはワンタッチで替えられるようにしておき、多めに用意する。
- 派手好きなので夜光パイプや発光体、ビーズ玉を多用すると釣果が上がる。
そしてこれにプラスしてさらに釣果を上げたいなら、複数本の竿出しをすることだ。足下から徐々に沖向きと狙いを変えて投げ入れ広範囲を効率よく狙う。
夜のアナゴ狙いでは、厄介なエサ盗りも掛かるので注意

■ゴンズイ(写真左)
ムシエサ使用時に掛かる。トゲに毒を持っているので注意。
■ウミケムシ(写真中)
魚ではないがハリ掛かりすることがある。毒がある。
■ダイナンウミヘビ(写真右)
毒はないがぬめりと鋭い歯を持っている。