百合野 崇のチヌ釣り学 黒鯛心悸 第七回「誘い」

百合野崇プロフィール

百合野 崇
ゆりの たかし

金龍鉤スペシャルスタッフ、シマノフィールドテスター、マルキユーフィールドスタッフ。2018年シマノジャパンカップクロダイ大会優勝。チヌ釣りに賭ける情熱は師匠である大知 昭さんに「世界の百合野」と呼ばせるほど。


チヌの視線がどちらを向いているかによって、誘い方も変わってくる。

ずっとアタリもなく時間だけが過ぎていたけれど、ふと何気なく誘いを入れてみたら、一発でチヌが食ってきた。または潮や風向きに、何かしら変化があったので誘ってみたら食ってきたなど、多くのチヌ釣り師は必ずこのような経験を幾度とされているかと思います。

その日の釣果を大きく左右し、競技など勝負の局面でも勝敗を左右することもある「誘い」ですが、いろいろな方法がありますし、過去に多くの方がさまざまなことを述べられたりしているかと思います。

私なりに思う「誘い」についてお話しさせていただきます。

誘いの二つの意味

エサを動かす誘いには、二つの意味があります。それは、「エサのありかをアピールする誘い」と、「リアクションバイトの誘い」です。


誘いに反応したアタリにアワセが決まった瞬間。

エサのありかをアピールする誘い自体は、チヌにかなり有効ですが、実際にはエサに興味を示してもチヌの食い気がたってエサを口にしているのではなく、ブラックバスと一緒で急に動いたものに対して思わず口を使ってしまう習性(リアクションバイト)に近い現象だと思います。

それは、オキアミだろうが練りエサだろうが誘いについての効果は一緒だからです。チヌという魚は、目で選んでエサを拾うというより、まずは口に入れて食べられるのか? 安全なのか? を確認して捕食している確率がかなり高い気がします。

季節によって変わる誘い方

チヌは、捕食スイッチが入る秋夏は比較的に上を見ていることが多く、冬から春は底を見ることが多いようなので、誘い方も時期によって変わります。


チヌは生きているエサを食うことが多いので、エサを動かすこと自体は問題ないし、誘いは生物のようにエサを動かすことでもない。マキエの帯上で捕食スイッチの入ったチヌの目に止まれば誘いは成功したも同然。

秋夏は、上を向いている視覚に合わせて縦の誘いが有効となります。この誘いは前者のエサの在りかをアピールする誘いです。ツケエを持ち上げるようなイメージで、竿を立てて道糸をウキからゆっくり抜く動作です。※マキエの帯の中心に仕掛けを落とすことが重要です。

冬から春は、下を向いているチヌに合わせて横の誘いをかけ、リアクションバイトを狙います。これは竿の操作、またはラインを巻き取って仕掛けを張って、数10㎝から数m底の地形に合わせて横に動かします。

※マキエの沖に仕掛けを入れて、ツケエはマキエの帯を横断させます。


チヌ特有の竿を叩く重量感を感じたら、抵抗力を消耗させるべく竿の胴でチヌの走りをコントロールする。

活性が高い時期は縦の誘い、低いときは横の誘いが有効ということになります。

誘いはマキエの帯とかなり関係しています。仕掛けとマキエの同調がしていればしているほど、誘いの効果もさらに上がります。

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