釣果を左右するタイゲームロッドのティップ

さまざまなメーカーからリリースされ、多彩なラインアップで充実しているタイゲーム用ロッド。各社ブランクスやガイド、リールシートなど独自のアイデアと技術を惜しみなく投入しています。

ロッドに求められる機能や性能は釣りの種類によって異なってきます。オフショア用のロッドの場合、一部の釣りを除いてはキャスト性能というのはあまり重視する必要がなくルアーのアクションやバットのパワー・粘りなどというものに注力しているものが多いようです。

タイゲーム用ロッドに求められる重要な要素の一つとしては感度というのが挙げられるでしょう。ルアーのボトムタッチをしっかりと把握して、潮流の変化やわずかなアタリなどを手元に伝えることはさまざまなルアーゲームで共通して求められます。また、食い込みやハリ掛かりの良さというのも外せないポイントとなっています。マダイがルアーをくわえても違和感を与えず、スムーズなフッキングを実現することは特にタイラバでは最重要項目ともいえます。

これらの性能を大きく左右するのがティップ部分です。繊細さが要求されるロッドのティップにさまざまな構造や材質が採用されています。

ティップの構造

タイゲームに使用するロッドのティップには大きく分けて2つの構造があります。チューブラーとソリッドです。

チューブラー

中が空洞となった筒状の構造で釣り用のロッドの多くはチューブラーを採用しています。型となる芯棒にカーボンシートを巻き付けて整形する工法で、使用するカーボンシートを変えることにより、ロッドの特性を調整しやすいという特徴があります。

メリットとしては中が空洞となっているため軽量に仕上げられ、弾性が高く反発力を得やすい、手元に伝わる感度に優れる、ネジレに強いなどが挙げられます。そのため、キャスト性能を求められるロッドやジギングのようにルアーを積極的にアクションさせる必要があるもの、また、アングラー自身がしっかりと掛けにいくようなロッドに採用されているケースが多いです。

こちらはチューブラーロッド、スミスのグラビテーションGRVC-LCT60MLのファイトシーン。チューブラーロッドはアタリが取りやすく掛ける釣りに向いています。

タイラバロッドでいうと、キャストを視野に入れたスピニングロッドや「掛け」を謳っているものに多く使われています。また、設計通りの特性を出しやすく、製造工程がシンプルなため、比較的低価格帯のモデルはほぼチューブラーとなっています。

デメリットとしては弾性が高いため、アタリを弾きやすい、魚がルアーをくわえたときに違和感を覚えやすいなどが挙げられます。

ソリッド

カーボンの芯材を削って整形したもので中が詰まっている分、細くすることができます。そのためソフトな特性にしやすく、しっかりと曲がり込んで粘りがあり、追従性が高いというのが最大の特徴として挙げられます。ソリッドティップと呼ばれるものはチューブラーのブランクスのティップ部分にこのソリッド素材を結合した構造となっています。

ソリッドのメリットは粘りがあり繊細に曲がり込むためアタリを弾きにくく、魚が違和感を覚えにくいため食い込みが良いという点が挙げられます。また、曲がり込んでも潰れに強く破損しにくいという特性があります。手元に伝わる感度はチューブラーより低くなりますが、見た目でアタリや潮の流れなどを把握しやすいという点もあります。

こちらはソリッドティップを採用した、がまかつラグゼの桜幻鯛ラバーXB69ML-solid.F。乗せやすく食い込みの良さが特徴。

タイラバロッドの場合、アタリを弾かずに食い込みを重視した「乗せ」のタイプが主流となるため、ソリッドティップが採用されているモデルが多いです。

デメリットとしては、中が詰まっている分、どうしてもチューブラーと比べて重量が重くなってしまうということが挙げられるでしょう。ティップ部だけであればチューブラーとほぼ変わらないといえますが、フルソリッドと呼ばれるブランクス全体にソリッド素材を使用したものはどうしても差が出やすくなってしまいます。そのためフルソリッドのロッドは短めで極端なパワーを必要としないターゲット用のオフショアロッドやライトゲーム用ロッドなどに採用されています。またフルソリッドロッドの場合、ブランクス全体にソリッド素材が使用されていますが、バット部などにカーボンシートを巻いて特性を調整したり反発力を上げたりしています。

その他にはしなやかに変形するために手元に伝わる感度がチューブラーに比べて低くなりやすい、製造工程が増えるためにコストが高くなりやすいという面もあります。

チューブラーの写真のときに紹介したスミスのグラビテーション。そのフルソリッドモデルがこのGRVC-TRS69M。同じロッドでもモデルによって大きな違いが表れる。

より高性能な材質

チューブラーとソリッドはそれぞれに優れた特性を有しており求められるロッドの性質に見合ったものが備えられています。それらの特性をより向上させるため、またデメリットを補うために構造だけでなく、その素材にも工夫が凝らされています。しかし特殊な素材を使用するとコストアップしてしまうため、各社上位モデルに採用されているケースが多いです。

高弾性カーボンソリッド

弾性の高いカーボンソリッド素材を使用したもので、しなやかに曲がるソリッドの長所を活かしながら、高い反発力と感度を備えています。食い込みが良く、アタリを弾きにくいというソリッドのメリットはそのままに、ソリッドの欠点でもあった手元に伝わる感度が大幅に向上しています。

メタルトップ

カーボンの代わりに金属製の素材を使用して感度の大幅アップを実現しています。使用される金属はチタン合金など超軽量で高い強度を持ったものです。ちなみにチタンはロケットやレース車両など軽さと強度を求められる分野で使用されており、非常にコストが高いことで知られています。

ロッドに使用されているのは超高弾性形状記憶チタンなどと呼ばれており、実際に触ってみるとその柔軟性に驚かされます。クルッと一回りさせても大丈夫なのではと思えるフレキシブル性を備えながら、高い弾性でしっかり元に戻ります。それでいてわずかな潮の変化や魚のアタリを手元に伝える高い感度を持ち合わせています。

この高性能な素材はそのままチューブラー、ソリッドに加工されて、それぞれの特徴を大幅に性能アップさせた高性能なティップへと変貌しています。

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