堤防を知れば釣果が変わる。堤防の基本構造と魚が好む場所

海中がどうなっているのか、一見しても分からない。

近年では水中カメラを簡単に操作できるようになったとはいえ、持っている人は少ない。釣り人はどのようにして海底の様子を知っているのであろうか。また魚はどんな地形の場所に集まるのだろうか。

人間がビルや繁華街に集まるように、魚も岩礁や藻場に多く集まる。堤防の基本構造を知り、魚のすみかを学ぼう。

堤防の根元は魚の寄り場

堤防は魚礁でもある

堤防の海上に見える部分は、変化の少ないコンクリートブロックだ。

犬走りと呼ばれる少し高くなっている場所以外は、ほとんどが平坦。しかし、地上にそびえ立つビルなどと違い、根元付近では基礎石が敷き詰められている。

海中はビルの地下部分だと考えればいいだろう。だから見えない部分で補強されているのだ。海中では絶えず流れの圧力が掛かっているから、動いたりしないような強固さも大切。

海中に道路などあるわけではないので、基礎部分はむき出しとなっている。そして、そこに海藻類や貝類が付着し、微生物が集まり、それをエサにする生物が暮らすという、豊かな環境を育んでいる場所だ。

潮が当たる場所が特に良い

もともと、堤防は潮の流れを遮り、船舶を安全に停泊(収納)させる目的もある。だから、漁港の一角には流れが当たる場所がある。

プランクトンや微生物は、自力で遠くまで移動することができないので、潮流に乗って移動する。つまり、流れが当たる場所ではプランクトンや微生物が豊富なため、魚も寄りやすく、回遊魚のコースにもなる。イコール、魚釣りの好ポイントになるのだ。

段差がある場所も見逃せない

堤防の足元には基礎部分が施工されており、切れ目に段差が生じる。

この境目にも生物が付着しやすいから、外洋から来た魚の立ち寄り場となる。浅過ぎる場所や透けて見える場合では魚が警戒して寄らないこともあるが、ほとんどの魚はこの段差を意識して回遊しているようだ。

もっとも、段差スレスレだけというわけではなく、基礎石の上や境目だったり少し距離をおく場合もあるから、魚種の習性により狙う場所を決めよう。

テトラは魚のマンション

潮が強く当たるからテトラはある

テトラと呼ばれるブロックは、消波ブロックというのが一般的な呼び名。テトラポッドとは日本の企業、㈱不動テトラ社の商品名だ。世界で最初に開発されたのはフランスで、モロッコの火力発電所の冷却水取水口を守るために造られたと伝えられている。

本来の目的は「消波」であるものの、釣り人にとっては魚礁という最高のポイントになる。足場が悪いのが難点であるが、安全装備をきちんとして無理をしなければなんとか釣りは可能だ。それでも、事故者が後を絶たないから場所としてのおすすめ度は漁港の中でも下位ランクである。

テトラの上だけがポイントではない

テトラの上に乗って竿を出すから釣れるのではなく、テトラ周辺に魚が居るから釣れるのである。だから、テトラの上に必ずしも乗らなくても大丈夫だ。

テトラの入り具合によっては、上に乗らない方が良い場合もある。ひとつの魚礁だと思って、うまく利用しながら釣ることを考えよう。

それに、長く続くテトラでは、どこがポイントになるのか分かりにくいし、テトラの際を狙うことは、根魚以外にあまりない。

排水口や流れ込みもチェック

潮が動く場所を魚は好む

漁港内部は堤防で囲まれている場合が多いため、潮の動きは鈍くなる。もちろん、「港内釣り禁止」の場所ではダメだが、流れがゆっくりな分、初心者には釣りやすい場所となりやすい。

本来なら外海側で竿を出したほうが釣果は得られやすいのであるが、時と場合によっては、港内も捨てがたい。

海がシケ気味のとき、小魚たちはより安定した海域へと移動するから、アジやイワシなどが昼夜を問わず港内に続々と入ってくることがある。そんなときは青物などフィッシュイーターも入ってきやすいから、漁港は釣り人で賑わうことも。

港内ならどこでも良いというわけではなく、その中でも潮通しの良い場所や排水口など流れがある場所に多く集まりやすい。冬期は少しでも水温が高い場所を好むから、温水が出る場所は要チェックだ。

夜間も同様に外敵から身を守るため港内に集まったり、漁港に設置してある常夜灯の灯りにエサを求めて集まることがある。だから、夜間の釣りでは港内から攻める場合も多い。

カケアガリが全てのポイント

雨が降ったり波をかぶると堤防は滑りやすくなるから注意。特にいつも波をかぶっているところは海苔やコケが生えているから近づかないようにしよう。

カケアガリとは

海底が斜面になっている場所のことを「カケアガリ(カケサガリ・ブレイク)」と呼ぶ。

平面な場所よりもモノが溜まりやすいため、植物などが根付きやすい。

だから、平面な場所よりも魚影が濃い部分となる。またこの斜面状の部分を横切るように、もしくは頂上付近をトレースするように回遊する魚が多いから、魚の通り道ともなっている。国道のようなものだ。

カケアガリの見つけ方

海上から見付ける場合、海の色が変わっている(濃くなっている)場所や、波の形が変わる部分などが目安となるが、見分けるには経験が必要。海底を見通すように理解することは難しい。

サビキ釣り

サビキ釣りではさほどカケアガリにこだわる必要はない。アジやサバ、コノシロ、イワシなどは絶えず回遊しているから、カケアガリの場所というよりはタナが重要となる。釣れる場所も足元だったり、30m沖だったりとそのときの状況で変わりやすい。マキエで寄せるように心掛けるのが一番で、釣れるまでは同じ場所を手返し良く狙ってみよう。

投げ釣り、ブッ込み釣り

海底をダイレクトに探りながら狙う釣り方では、カケアガリは重要なポイントになる。仕掛けをズルズルと引いてくると、突然重くなったり、ガリガリと手応えが変わる場所がある。

そういった場所はカケアガリになっていることが多く、カケアガリではなくても海底の変化がある場所だから、魚が居着きやすい場所だ。こういった場所では、カケアガリの途中や頂上付近で仕掛けを止めてアタリを待つと良い。

ウキ釣り

「タナ取りオモリ」と呼ばれる水深を把握するアイテムを使うと、周辺の水深が分かるから、カケアガリはもちろん、障害物の確認も可能だ。

要は、ハリにオモリを付けて仕掛けを投げ込み、周囲の水深を測るということだ。こうすることで、自分が釣り場の深さのなかで、どの水深を狙っているのか明確になるから、対象魚の遊泳層に合わせた釣り方が可能になる。

タナを知るということは、ウキ釣りでは重要で、絶えず対象魚の遊泳層に合わせた、深さ(ウキ下)調整が必要になる。

ルアー釣り

フローティングタイプを使う場合は、ルアーを引いてくると負荷が変わる場所がある。流れが強い場合は重く、弱い場合は軽く感じる。流れが変わる場所の海底には変化があるから、カケアガリの可能性もある。

シンキングルアーでは、いったん海底を取ってから巻き始めるルアーなら、何度か海底を取り直すことで海底の様子が掴める。 同様にカケアガリ付近や頂上付近(ブレイクライン)はアタリが出やすいポイントだから、ルアーを一瞬緩めたり・速くしたりとアクションを加えるポイントの目安になる

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