道糸が風に煽られ、仕掛けが沈まないときの対策

遊動仕掛けの弱点は風に弱いこと

深いウキ下を取れる遊動仕掛け、移動仕掛けの登場はウキフカセ釣りに大きな革命をもたらしました。固定ウキではどんなに頑張っても6〜7mのウキ下しか確保できなかったのに、ウキ止めを利用すれば簡単に10m以上の深場を探れるのですから。

特に、近年はグレの警戒心が増してタナは平均して深くなっており、浅場しか流せない固定ウキの出番はどんどん少なくなっているというのが現状です。

ところが、ガン玉の重量で仕掛けを沈める遊動仕掛けには大きな弱点があります。それは、ガン玉の重さ以上の力が道糸に加わると仕掛けが沈んでくれないのです。

道糸に加わる力とはこの場合は風であり、横風が強いと道糸を煽って、少しばかりのオモリの重量では沈みません。

オモリを大きくして無理に沈めようとすれば仕掛けはタテ糸になり、ハリスだけがフカせた状態になります。それでもタナが確保できればグレがアタるチャンスはないこともないのですが、可能ならウキから下をすべてフカせたい。それがグレ釣り師の本音といっていいでしょう。

道糸を沈めるには時間がかかる

このような場合の対策は、大抵の入門書には竿先を水中に沈め、道糸すべてを沈めるとあります。カン付ウキを使えば道糸が水上に出る部分はまったくなくなるし、棒ウキだと道糸の接触部分はさらに深くなります。

風に対する強さでいえば沈め釣りがトップクラスといえます。ウキも道糸も沈んでしまうから風を受けることはなく、仕掛けは間違いなく沈んでいき、マキエと同じ潮にも乗ります。

ところが、サスペンド系の道糸を使ってウキを沈めるにしても、風の影響を受けなくなるほど沈めるには時間がかかる。軽い仕掛けを使っていればなおさらです。

仕掛けを投入して沈むまでの間にかなり移動している可能性があり、ヒットポイントで同調させるのは難しいのです。

それを解消するにはフロロカーボンの道糸が効果を発揮します。ナイロンの比重1・14に比較してフロロカーボンのそれは1・78であり、沈むのが速いです。横風が強いときはこれほど頼りになるものはありません。

とはいえ、フロロカーボンを道糸として使うとさまざまな問題が生じます。硬いため巻き癖がつき、なかなか解消できないというのが一つ。

重たすぎてウキの動きを妨げ、潮筋から外れやすいというのが二つ目になります。自然に任せていたのではマキエと同調しづらい。

同じく、重たいため海底まで沈み、根掛かりしやすいというのが三番目になります。

ロングハリス&固定ウキでタナを確保する

風が強いと遊動仕掛けではタナを確保できません。それなら遊動にしなければいい。ハリスを長くして固定ウキにすればウキから下のタナは確保できます。風の影響は受けません。

ただし、いくつかの問題があります。

まず、どこまでウキ下を深くできるかということです。

固定ウキのウキ下が深いと取り扱いが難しくなります。特に、巻き取った仕掛けを手に取るときが厄介です。足場が低いと竿先のすぐ下まで巻き取ってもハリスは水面にある。風でもあろうものならハリスをつかむのに相当苦労します。

といって、ウキを取ろうとするとハリやハリスが足元の岩に引っ掛かってしまいます。沈み瀬に引っ掛かればまず回収はできません。一度や二度は対応できても何度も続くと心が折れます。

これは仕掛け投入時にも影響します。やはりハリやハリスが背後の岩やその他の障害物に引っ掛かる可能性が高く、それを避けようとすると精神的なストレスが溜まってきます。

風がなく、適度に足場が高くて切れ落ちていれば引っ掛かる確率は減るものの、それでも5mの竿で7mのウキ下を取れれば精一杯でしょう。

ウキ下を深くするならハリスを長くする必要はないのではないかと思うかもしれません。ですが、ロングハリスの効用は皆さんもよくご存じでしょう。重たいフロロカーボンは水中ウキの役目も兼ねるのです。

強い風は表層流を発生させます。ウキがその流れに振り回されると仕掛けがマキエから外れる可能性が高い。それを極力防いでくれるのがロングハリスということになります。

さらに深くするときはウキを沈めていく

固定ウキでは7mのウキ下が精一杯と記しましたが、では、グレのタナがそれ以上だったらどうするか?

固定ウキである以上、限界はあります。遊動ウキのように10mも20mも深くはできません。そういう状況で効果が期待できるのが沈め釣りです。

道糸やウキを沈める方法は時間がかかるため効果的ではないと前述しました。

ですが、ロングハリスを先に沈めて仕掛けの位置を安定させてしまえば、深ダナの攻略は不可能ではありません。ここでもロングハリスの効果が期待できます。

横風が道糸を煽ってウキを引き上げたとしても、5〜7mのウキ下は確保されています。そこからまた沈めていけばいい。誘いになるし、タナを探ることにもなります。15mレベルの深場が釣りづらくなりますが、グレはそれほど深いところには少ない。まったくいないということはありませんが、そのような深ダナでアタるのはマダイやフエフキといった魚の方が多いです。

グレ釣りではそこまで深く釣ることはないと思って良いでしょう。

ウキ下が深いときの大きな問題は取り込み

固定ウキでウキ下が深いときの課題の最後が取り込みになります。足場が低いと竿をいっぱいに立てても魚の口を切ることはできず、水中を泳ぎ回っています。魚が小さいならいざ知らず、中型以上だと磯に張りつかれてバラすのがオチです。

といって、そうそう足場が高いところばかりとは限りません。仲間に掬い役をやってもらえばなんとかなる可能性はあります。ですが、いつもそうだとは限りません。そういう場合に試してもらいたいのが、魚が掛かれば遊動になる仕掛けです。

ウキの下にゴム管を通してそれに差し込む

手順はまず昼夜アダプターは下端のスナップサルカンを外しておく。その方がゴム管に差し込みやすいからで、太い径のゴム管を使うのならそのままでも使用できます。ウキの軸穴に昼夜アダプターを上から差し込んだら下部の穴に道糸を通す。そして、ゴム管にも道糸を通します。

それが終わったらゴム管を上下反対にして昼夜アダプターを下から差し込む。これがキモで、上下を反対にしないとウキは遊動になりません。

この状態で仕掛けを流せば、魚がヒットした時点でゴム管が抜けて遊動になります。ゴム管に深く差し込めば、魚が小さい場合は抜けません。しかし、ある程度のサイズ以上ならゴム管が抜け、ウキがからまん棒まで落ちるから楽に取り込めます。

この方法の問題点は道糸が痛みやすいことにあります。道糸が通っているゴム管に昼夜アダプターの下部を差し込むため、道糸は圧迫されます。道糸が細いとダメージが大きく、そこから切れやすくなってしまいます。ソフトで大きいゴム管を使用するか、またはサルカンを外すなどの対応が必要になります。

また、魚を取り込んだあと、再び同じウキ下を設定するときの目安がありません。目印としてのウキ止めをセットしておくか、竿のどの位置で固定したかを覚えておかなくてはなりません。

大きく重たいウキの抵抗を小さい玉ウキで和らげる

強い風にも負けないほど大きいオモリを使えば、それを浮かせるための浮力を持つ大きなウキが必要になります。しかし、それだけ仕掛けが重くなれば魚の食い込みに大きな影響が出ます。

風が強いからといって必ずしも活性が上がるとは限らず、食い渋ることもままあります。

そんなとき、効果があるのが小さい玉ウキです。かつてハリスウキというグッズが大流行したことがあり、さまざまな製品が釣具店の店頭に並んだ時代がありました。

今では商品自体は存続しているものの、話題になることは少なくなりました。そのハリスウキを活用するのがこの釣法で、ハリスウキを使わずとも小さな玉ウキで代用できるから、ここでは玉ウキと表現しておきます。

その玉ウキをセットするのはハリスの中間部で、そうすればハリスは張らず、L字、またはN字を描きます。つまり、意識してフケを作るわけで、そうすれば魚が食い込んだときはこのフケが消えるだけで、ウキの抵抗がかかったときはすでに魚が食い込んできます。

玉ウキとガン玉のサイズは微調整が必要で、実際にハリスがどうなっているかは足元に沈めて確認しておきます。

オモリの代わりに水中ウキを使えば潮をよく受け、ツケエはより安定します。結果としてアタリウキ、水中ウキ、玉ウキと三つのウキを使うことになり、仕掛け絡みが多くなります。その点には十分注意してください。

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