釣りで取り上げられる「回遊魚」とは、エサや水温変化による魚の移動のことを表し、主に時間帯やベイト(小魚)の群れにより釣り場に寄ってくることを示しています。
厳密にいえば、一般的な回遊魚の定義は、マグロを主とした青物など季節によって適した水温域への移動をいいます。これにはシーバスやアオリイカなど沿岸部のみの回遊も含まれています。

これに対して「死滅回遊魚」とは、回遊によって死んでしまう魚ではなく、元々回遊しないが暖流などに乗って自分のすむ環境ではない場所へたどり着く魚を示しています。
川と海を産卵や捕食などで行き来することは「通し回遊」といいます。
当然、生息できる環境ではないため、水温の低下とともに死んでしまう魚がほとんどです。
特に熱帯に棲むチョウチョウウオやスズメダイなどが代表で、夏には見られますが冬になるとほとんどいなくなってしまいます。
ただし、冬期でも水温があまり下がらない湾内など一部のエリアでは、そのまま棲み着いてしまうケースもあるようです。

釣りの対象魚であるメッキ(ロウニンアジやギンガメアジの幼魚)のほとんどが死滅回遊魚で、冬期に南の海に戻ることなく死んでしまいます。
もしそのまま成長していれば、本州でも大型のGT釣りが楽しめるでしょう。すでにそのレベルに達するほど大きく成長する海域もあるそうです。
しかし、温暖化傾向もあり徐々にではありますが、魚の南限が北上傾向にあります。
つい最近ですが、もっと浅いレンジにいるはずのアジが深海で確認されたニュースがありました。自然の中で遊ぶ趣味なだけに環境変化はとても深刻な要素なのです。
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