トレブルフック
ルアーで使われるフックはさまざまありますが、その中でも特に使用率が高いのがトレブルフックでしょう。メーカーによってはトリプルフックと呼んでいるところもあります。
特にプラグ類は標準でトレブルフックが採用されているものが圧倒的に多いのです。
トレブルフックが選ばれる理由はなんといってもフッキング率の高さでしょう。
単純に考えても1本より2本、2本より3本のほうがフッキングする確率が高いのです。そのトレブルフックを2〜3カ所セットするのがプラグ類のスタンダードとなっています。
ターゲットがルアーのどこにアタックしてきてもフッキングするように考慮されたものですが、同時に多点掛けしてバレにくくなるというメリットもあります。

もちろんデメリットもあります。フッキング時にハリ先に掛かる力が分散しやすいためハリ掛かりが浅くなる傾向があり、それがバレに繋がる要因となります。
シングルフック
一方、シングルフックが標準装備されているルアーも多く存在します。シングルフックのメリットは、同じ強度であればトレブルフックよりも重量が軽く仕上げられることが挙げられます。
逆に言えば、同じ重量であればより高い強度のものを選ぶことができるということです。またフッキングしたときに、しっかりと根元まで入りやすいので外れにくいという点もあります。
ハリ先の数が少なくなれば根掛かりのリスクが低減されるというメリットもあります。

シングルフックが採用されているソルトルアーで代表的なのはメタルジグです。激しくアクションさせるのでトレブルではラインと絡みやすくなってしまいます。
またメタルジグは着底させてからシャクるのが基本なので、根掛かりしづらいシングルフックが好まれたと考えられます。メタルジグでもテールにトレブルフックが採用されているものはあります。
ショアジギング用で30g前後の比較的軽量なものに多く見られます。根掛かりの少ない場所での使用や、タダ巻きで使われることなどを想定しての仕様だと思われます。
その他にシングルフックが使われているのはタイラバやロックフィッシュゲームが挙げられます。

タイラバの場合、シングルフックが選ばれる理由として挙げられるのは「軽さ」でしょう。
トレブルフックでは必要な強度が得られるものでは重過ぎて、海中でネクタイやスカートと同調させることが難しくなります。
またシーバスや青物などに比べて口が小さいマダイにはシルエットの小さいシングルフックのほうが吸い込みやすく、口の内側に掛かりやすいという点も大きな理由の一つです。
ボトムを果敢に攻めるロックフィッシュゲームの場合は、やはり根掛かり回避というのが一番の理由でしょう。
ロックフィッシュゲームに使われるリグには、シングルフックの中でもオフセットフックというものが使用されます。
これはシャンクがラインアイ近くで直角に曲げられるオフセットクランクと呼ばれる構造をしており、この部分でワームをしっかりホールドするようになっています。
シングルフックカスタム

近年はプラグ類にシングルフックを装着するアングラーも増えています。
これは特にヒラマサなどの大型魚をターゲットとしている場合に多く見られます。
理由としてはバレにくさを優先した結果であったり、ルアーのアクションを変えずにより強度の強いものをセットするための手段であったりします。
またシングルフックに変えるとフックポイントによる引っ掻き傷がルアーのボディーに付くのが低減されるというメリットも生まれます。
ただしその場合、トレブルフックのように単純にスプリットリングを介して装着することができません。

ラインアイがあるものでもそうしてしまうとフックが横を向いた状態になり、ルアーの泳ぎに悪影響を及ぼすこととなるからです。
そこで短いアシストラインでフラットリングを装着して、フックの向きを調整するカスタムが流行しました。
これを受けフックメーカーでは、はじめからラインアイにフラットリングを入れたものやラインアイの角度を90度変えたものを登場させることになりました。

シングルフックへとカスタムするとき、気を付けなければならないことは重量と向きです。
重量が変わるとルアーの泳ぎに大きく影響するので、標準で装着されているものや、メーカー推奨のトレブルフックと近い重量のものを付けることが好ましいです。
またフックポイントの上・下の向きによってルアーの泳ぎやフッキング率が変わってきます。一般的にはテールフックを上、センターフックを下向きというパターンが多いようです。
ルアーによっても異なってくるので、これは自分でいろいろ試してみるとよいでしょう。