釣り人なら誰しも、より大きな魚を釣りたいと願うものです。しかもその欲求は底知れない。
より大物を獲る。これは釣り人の本能であり、その欲求を満たすということがビッグターゲットの魅力だと断言できるでしょう。
ビッグターゲットの定義
では、何㎏・何㎝以上がビッグターゲットだと言えるのでしょうか? そのようなガイドラインはもちろん存在しません。しかし10㎏そこそこくらいでは、ビッグターゲットとは言わない傾向にあります。
やはり、そう簡単にはお目に掛かれないようなサイズだからこそ、BIGだと言えます。
ターゲットとなるのは日本沿岸のルアーゲームではヒラマサ、マグロ、カンパチ、GTなど、どれも大型になると30㎏を優に超えてくるビッグフィッシュたち。
ルアーマンなら一度は対峙してみたい憧れの魚です。

この中でもヒラマサは日本全国の沿岸に広く生息しているので、ビッグターゲットの入門としても人気があります。
海のスプリンターの異名を持つパワフルな引きが魅力のヒラマサですが、「大物がきた!」とそのファイトを余裕で楽しんでいられるのもせいぜい10㎏クラス半ばまでです。
20㎏を超えてくると、それなりに体力に自信がある男性でも、力と力のぶつかり合いとなってきます。
そして30㎏を超えてくると、ヤワなアングラーではタックルごと持って行かれてもおかしくありません。

そういった大型を獲れずに、一度悔しい思いをすると、皆一層ビッグターゲットの魅力にハマっていくのではないでしょうか。
そして獲れなかった大型に何度もリベンジしてようやく獲れたときには、もっと大型を求めるようになります。そう完全にビッグターゲットジャンキーなってしまうのです。
楽しいばかりではない
どのような趣味でも、もっと上を目指して突き詰めていくと、単なる〝楽しさ〟だけでなく、悔しさや苦しい思いも超えて行かなければなりません。
実際に本気でビッグターゲットに立ち向かっているアングラーは、何度も悔しい思いをして、ときには苦しみを味わいながらも目標のサイズに近づいていきます。そう、真剣勝負なのです。
彼らにとっては達成感こそが喜びであり、自分の目標をクリアすることこそが楽しさなのです。

こう書くと少し大げさに感じるかもしれないが、ビッグゲームを極めようと突き詰めると、こうなる、という話であって、ほとんどのアングラーはもっと気軽にビッグターゲットを狙って楽しんでいるのでご心配なく。
このようなビッグターゲットは上級者の釣りというイメージが強く、ハードルが高く感じるかもしれません。もちろんタイラバのように「今日が初めての釣りです♡」というのはちょっと厳しでしょう。
やはり、最低でも自分でノットが組めて、自分のことは全て自分でできるくらいの経験は必要となります。
しかし、今のようにライトゲームが浸透する以前は、オフショアデビューがヒラマサジギングというのも当たり前だったのです。そこから経験を積んでビッグターゲットを目指せばよいのです。
必要なタックル

ビッグターゲットのハードルが高く感じる理由の一つにタックルの都合もあるでしょう。
大型魚を狙う場合、メタルジグを使うジギングか、ダイビングペンシルやポッパーを使用したキャスティングが一般的です。
PE4〜6号程度を使用するので、それらに対応するロッドやリールというのも大型のものが必要となってきます。
かつてはPE4〜6号に対応できるロッドやリールは各メーカーのフラッグシップモデルとなっていました。
しかし近年では大型ターゲット用ロッドのエントリーモデルも増えており、必要なラインキャパを持った大型リールも低価格でラインアップされています。
つまりビッグターゲットはグッと身近になっているのです。

さすがに100㎏クラスのマグロや、シャローがポイントとなるGTなどを狙うときは、PE8号以上を使うのが標準的となってくるので、そういったラインを巻けるリールというのは各メーカーの上位機種のみとなってきます。
やはり規格外の大型魚を獲ろうと考えるのならば、タックルも相応のものが必要になってくるということです。
また、そんな大型魚はどこにでもいるわけではありません。より大型を求めるのなら、遠征する必要も出てくるでしょう。
そうなると費用の面でもハードルは高くなってしまいますが、やはり、より大型を求めるのは釣り人の性です。
より大きく、より強い魚を釣り上げ自己記録を更新するのはアングラーのロマンだと言っても過言ではないでしょう。そう、ビッグターゲットには夢とロマンが詰まっているのです。