春は乗っ込み、秋なら越冬に備えた荒食いのシーズン。
特に春チヌはエビやカニなどの甲殻類や貝類、底層に溜まるバチなどのベイトを捕食するため、堤防の際や藻場、沈み瀬、カケアガリに付く習性があり、ワームに好反応をみせます。
タックル

ロッド
ワームを使ったチニング(クロダイゲーム)ではボトムを重点的に狙うため、ルアーから伝わる情報をいかに多く得られるかが重要となります。
おすすめするのはチニング専用のスピニングまたはベイトロッドで、ティップが柔らかく繊細で軽い仕掛けをキャストでき、バットは強くストラクチャーからチヌを引きずり出すパワーを持っているもの。
特に春は難しいシーズンでもあり、ビッグサイズのチャンスでもあるので、ロッドのパワーが求められます。

リール
スピニングリールの番手は2000~2500番でよいでしょう。スピニングリールのメリットはキャストしたときのバックラッシュがないので遠くのポイントを攻める場合や初心者には使いやすいです。
また、チニングの他にエギングにも使えるため汎用性の点でも優れています。
ベイトリールを使う場合のメリットは、巻き上げ力が強いことです。ストラクチャー付近でヒットしたときでも釣り人が有利にパワー勝負できます。
ラインを出す量を調整しやすいので堤防の際でラインを少しずつ送り込む釣りにも使いやすいです。
リールにはハンドルを1回転させるとスプールが何回転するかを数値にしたギア比というものがあります。
スピニングリールのギア比は5.5以上、ベイトリールのギア比は7.1以上がハイギアとされています。
キャストして手返しを重視する場合はハイギアがよいですが、チヌをワームで狙う場合はボトムをじっくりと誘うパターンがメインなので、ノーマルギアのリールを選びましょう。

ライン
ラインは高感度のPEラインとフロロカーボンリーダーの組み合わせがベターですが、ベイトリールを使うときはバックラッシュのリスクがあるので慣れないうちは3〜4号のナイロンラインでもよいでしょう。
使用するPEラインは0.8~1号、リーダーはメインラインと同等の強さを持つ14~16lb。
ボトムを攻めることが主体となるチニングで使うリーダーは強度と耐摩耗性のあるフロロカーボンリーダーを使い、長さは50~70㎝を基準とします。
ワームを選ぶコツ

ワームとひと口に言っても、多彩なベイトを模した形状のものがラインアップされていますが、チヌ狙いではクロー系がおすすめ。
カラーの選択は釣りをしている時間帯に合わせてローテーションするとよいでしょう。
日中は警戒されにくいナチュラル系がよく、日照が落ちた状況や濁りの強い場合は、逆にアピールが高いグローカラーを使います。甲殻類がいるポイントでは赤系がベターです。
甲殻類に似たカラーをセレクトすればマッチ・ザ・ベイトの状況を作り出せ警戒心を解くことができます。
フワフワと中層や海底スレスレを攻めたいときは軽いジグヘッドと浮力の高いワームの組み合わせが面白いです。海底をダイレクトに攻めるので、根掛かりに注意しましょう。
仕掛けと狙うポイント

ジグヘッドリグ
ジグヘッドにワームをセットしたものをジグヘッドリグといいますが、ハリ先が出ているので、ボトムを攻めるには根掛かりのリスクが高くなります。足元をバーチカル(垂直)に狙う場合などに有効です。
テキサスリグ
シンカーとオフセットフックを使います。ハリ先が出ないので根掛かりを恐れず使うことができます。ジグヘッドと同じで、ワームが真っすぐになるように、きれいに刺します。
ダウンショットリグ
オフセットフックの下にリーダーを15~20㎝伸ばし、その先にシンカーを付けた仕掛けで根掛かりしにくいのが特徴です。
シンカーでボトムを叩いてワームを自然にスイムさせます。

アクション

ボトムでのズル引きが基本。ベイトが甲殻類や虫類なので、スローかつフィネスなアクションを心掛けます。
リトリーブとステイを交互に組み合わせたり、ティップをチョンチョンと小さく動かしたりするアクションもできるだけ細かい方がよいです。
アタックはあるがヒットしないときは、ワームのサイズを小さくします。
根掛かりや魚からのバイトやアタックがあればワームがちぎれ、ハリ先が破損していることもあるのでこまめにチェックしましょう。
