あらゆるターゲットに効く スロージギングとは?

メタルジグをジャカジャカとハイピッチでシャクってターゲットを誘うというのが、かつてジギングのスタンダードでした。もともと速く動くものに好反応を示し、また速い動きに追随できる青物をターゲットとしていたためメタルジグをキビキビとアクションさせることが重要とされていたのです。

それゆえ体力勝負のゲーム、気力と根性で釣り続けるというイメージが強く根付いてしまったようです。もちろん現在でも特にヒラマサ狙いのジギングではハイピッチでのジャークが主流となっています。

タックルの進化により以前ほど体力や腕力を必要としなくなりましたが、それでもやはりハードなゲームという印象は拭えていないのが現状です。しかし、ジギングというカテゴリーが成熟して、熟成化が進むと共に新たなメソッドが生まれることになりました。それがスロージギングです。

関西で発祥したスロージギングは、今までのジギングとは全く異なるジャークスタイルでターゲットを狙っていきます。

腕力や体力を必要とせず、幅広いターゲットが狙える。それがスロージギングです。

通常のジギングをする人から見ると「そんなので本当に魚が釣れるの?」とも思えるような独特のスタイルは、それでいてロッドの性質と海中でのメタルジグの動きを実によく考え抜いたものでした。そしてその高い釣果はもちろん、従来のジギングのような激しいアクションを伴わず、体力に自信がない女性でもできるということが受けて次第に全国に広まっていきました。

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スロージギングのターゲット

スロージギングは根魚を狙う釣り方と思っている人も多いようです。確かにボトムを繰り返し探っていくのには適した釣り方となるため、根魚には効果的な釣法となります。しかし、ブリやカンパチといった青物に対しても効果的だということが立証されてからは瞬く間に浸透していきました。

スロージギングは青物にも効果的です。

スロージギングの一番の特徴として、狙えるターゲットが幅広いということが挙げられます。ハイピッチで誘う従来のジギングは、青物狙いのメソッドとして定着していましたが、スロージギングでは根魚はもちろん、タイ類やイサキ、ヒラメ、タラ、ムツ、そして青物とおおよそフィッシュイーターと呼ばれる魚のほとんどが狙えるのです。

そしてSLJ(スーパーライトジギング)の人気急騰と共にますますこのメソッドが注目されるようになっています。

ハイピッチジャークとの違い

スロージギングが浸透してから、従来のジギングで使われていた速いワンピッチ・ワンジャークのことをハイピッチジャークと呼ぶようになってきています。このハイピッチジャークは、ジャークとフォールを比較的速い動きで連続して行っていくためレンジ移動の幅が大きいのが特徴です。つまり広いレンジをテンポ良く探っていくのに適したメソッドとなります。

ハイピッチジャークの主役となるのはジャークです。ほとんどの場合、魚はフォール中に食っているのですが、ジャークで逃げ惑う魚を演出してターゲットを誘うという要素が強いです。そのため、「切れのあるジャーク」というものが求められる傾向にあり、振り幅の大小やスピードの強弱を変えてジャークパターンに変化を付けることによってヒットパターンを導き出します。上級者になれば当然フォールも意識していますが、フォールは次のジャークのための間合い程度にしか思っていないアングラーが多いのが現状です。

切れのあるジャークでロッドを振り続けるのが、ハイピッチジャークと呼ばれるスタイル。

一方、スロージギングではフォールがテクニックの要となります。多くの魚がフォールに対して好反応を見せるというところに目を付けたメソッドだと言えるでしょう。

ジャークしてしっかりとフォールの間を取るという釣り方なので、メタルジグのレンジ移動の幅が小さいのが一つの特徴です。

ジャークはどのようなフォールを演出するかによって幅が変わってきます。つまり、ハイピッチの場合と逆で、ジャークはフォールを作りだすための作業という意味合いが強いです。それゆえジャークのスピードを速くする必要がありません。また、ロッドを上げてのジャークすらしないメソッドもあります。

スロージギングとスーパーライトジギング

人気急騰中のSLJ。タイラバ並みのライトなタックル、細いライン、軽量なメタルジグを使ってさまざまなターゲットを狙っていきます。初心者でも気軽に楽しめて釣果も堅いというのが人気の秘訣です。

SLJの場合、ハイピッチでシャクるようなアクションはほとんどしません。もちろん青物がメインターゲットとなっている場合はそれも必要となりますが、いわゆる「スロー系」で誘うスタイルがスタンダードです。

スロージギングをマスターすれば、SLJでの引き出しがグッと増えるでしょう。

この場合のスロー系というのはかなり曖昧な表現で、通常のワンピッチ・ワンジャーク以外のことを指しています。もちろん、きちんとしたスロージギングをしているアングラーは少ないですが、そもそも正しいジギングテクニックを身に付けていなくてもタダ巻きで魚が釣れるというのがSLJの魅力の一つでもあり、初心者でも気軽に楽しめる理由です。

しかし、スーパーライトであれ何であれ、ジギングはメタルジグのアクションによって釣果に差が付くことも事実です。基本のワンピッチ・ワンジャークやスロージギングのテクニックを正しく理解してマスターすることで、さまざまな状況に対応することが可能となり、釣果UPに繋がるでしょう。

もともと腕力や体力をほとんど必要しないスロージギングのテクニックはSLJに取り入れるのにぴったりだと言えます。また、SLJで使用するタックルもロッドの調子はスロージギングをするのに違和感ないものが多いです。SLJをもっとうまくなりたいという人はぜひ、スロージギングのテクニックを取り入れてみましょう。

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