
釣具店に行くと、さまざまな形状のワームがところ狭しと棚を埋め尽くしています。
メーカーによってそれぞれ独自の特徴をだしたものがラインアップされていますが、似たような形をしているものも多いです。これはワームの形状には基本となるスタイルがあるからです。
実際にワームを使う際にこの基本スタイルを理解しておくと、どのようなリグにどのような形がマッチするとか、どういう状況でどのような形を選べばよいかなどが見えてきます。
ストレート・ピンテール

最もスタンダードなもので、はじめて購入するのなら、まずストレート・ピンテールを選ぶとよいでしょう。
ボディが細めで、真っすぐになっています。全体が均一の太さになっているものをストレートと呼び、尾の方が細くなっているものをピンテールと呼びます。また、ボディは細かなリブ(突起が連なってヒダのようになっている)形状になっているものが多数を占めています。このリブが水流を受けることによって、クネクネと艶かしく動き、本物の生物のようにターゲットを誘う役目を果たしているのです。
アクションは控えめで波動もあまり強くありませんが、魚が吸い込みやすいため、食い込みが良いのが特徴です。特にアジ、メバル狙いといったライトなゲームで好んで使われています。
シャッドテール

アメリカでシャッドと呼ばれる実在する小魚がモチーフとなっており、このような名称が付けられました。水中を引くとテールを振るようなアクションにより、まさに魚が泳いでいるような印象を受けます。そう、魚を模倣したスイムアクションに優れたスタイルで、ターゲットが小魚をメインに捕食しているようなとき特に効果を発揮します。
ロッドで動きを入れずに、ラインを巻くだけの誘いがマッチしており、ジグヘッドリグとの相性が抜群です。
テールは魚の尾というよりも、プルプルと小刻みに振れます。それにより発する波動はストレートやピンテールよりは強いものとなっています。
ヒラメやマゴチといったフラットフィッシュやシーバス狙いで定番のワームです。
カーリーテール

ピンテールやストレートのような細長のボディに、やや幅広くクルンと渦を巻くような形をしたテールを組み合わせています。このテールが水流を受けることでたなびき、揺れる細長ボディとの組み合わせにより強い波動を発生させます。ピンテールやシャッドテールよりもアピール力の強い形状となっており、シャドテール同様スイムアクションを得意とするので、ジグヘッドリグとの相性が良いです。アジング、メバリングといったライトゲームからフラットフィッシュやシーバスなど、さまざまな場面で、より強いアピールで攻めるときに使われます。
グラブ

イモムシのようなズングリとしたボディにカーリーのテールを組み合わせたものです。正直、カーリーテールとの区別が難しいものも少なくはなく、メーカーがカーリーテールと言えばカーリーテール、グラブと言えばグラブというような区別となっている面もあります。この二つの区別はあまり気にすることはないでしょう。しいていうなら、テキサスリグや直リグなど、オフセットフックを使用するリグではボディが太い方がセットしやすいということが挙げられます。
テキサスリグやジグヘッドリグと組み合わせて、ボトムも探るが、スイムアクションでも誘いたい、というときに使いやすいです。またノーシンカーリグなど、オモリを使わないときも、自重で沈めやすいという特徴もあります。
パドル

ボートで使うオールの先の水受け(パドル)のような形状をしたテールを備えているため、ネーミングされました。実際はテールの形状はさまざまなものがあり、厚みがなく、平たいテールが設けられたものがパドルと呼ばれています。
スイムアクションも可能ですが、ボトムをハネさせたり引きずったりする誘いが適しており、テキサスリグや直リグとの相性が良いです。そのため、ボディもオフセットフックを使いやすいズングリとしたものを採用したものが多いですが、中にはスイムアクションに特化させた細身のボディを採用しているものもあります。
ホッグ・クロー

エギやカニといった甲殻類を模倣したワームです。
ボディから大小の手足が伸びており、これらが海中で水の抵抗を受けることによって揺れ、波動を発するとともに、生命感を演出しています。
もともと、海底に生息している生物をイミテートしているため、底を探るような釣り方で使うのが基本となります。
テキサスリグや直リグなどと組み合わせるのが定番で、人気のロックフィッシュゲームでよく使われます。