手軽に何でも釣れる スーパーライトショアスロージギング SLS

スーパーライトショアスロージギングという、とんでもなく長いネーミングの釣り方。

スーパーライト及びショアスローの定義とスーパーライトショアスロージギングの実践方法、そして使うタックルとジグを紹介してみます。

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スーパーライトとは

地磯でも高確率で釣果が上がります。

大型青物を視野に入れたショアジギングで使用されるジグの重さは60〜80g程度で、沖磯では120g以上という重量級のメタルジグを使用することもあります。それに対して地磯や堤防など身近なフィールドで多用される20~60gのジグを使ったジギングは、ライトショアジギングと呼ばれています。

スーパーライトショアジギング(SLS)で扱うメタルジグは20gを中心に15~30g程度とするのが一般的です。この重さのジグを使った釣りをマイクロジギングと表記されたり、オフショアでのスーパーライトジギングでは60g程度までを示すことがあるので少々ややこしいところ。

ジグに対応するロッドのパワーでクラス分けをするなら、エギングロッドの流用が可能なジギングをスーパーライトショアジギング、アジングロッドで使用したい1~5gのジグを使ったショアジギングをウルトラライトショアジギング(マイクロショアジギング)と呼ぶことが多いです。

15~30gのジグは50m沖ぐらいまでを楽に狙え、釣れる魚も多彩。青物やロックフィッシュ全般、ヒラメ、マゴチ、シーバス、タチウオ、マダイ、チヌ、カマス、メッキなどがターゲットとして視野に入ります。大物の可能性を秘めた手軽な釣りということで、今後ますます人気が高まっていくことでしょう。

スーパーライトジギングとライトジギングの使い分けはジグの重量で考えるとあいまいな点もありますが、狙う魚のサイズと使用タックルという観点で考えるとよいでしょう。MAX40gのロッドとPEライン1号の組み合わせでは獲れない魚を相手にするなら、ライトジギングのタックルで挑みましょう。

ショアスローとは

スロータイプのジグと言えば木の葉型が多いようです。

オフショアでもショアでもすっかり定着したスロージギングという言葉。一般的に「スロー系ジグ」といえば木の葉のように平たい形状をしたジグを指すことが多いです。

オフショアでは指示ダナを狙ってワンピッチジャークのスローなシャクリで誘い、フォールで食わせるというスタイルが確立され、マグロなどの大物を含む青物から、根魚やマダイまで実績豊富。このメソッドをショアからの釣りに持ち込んだのがショアスロージギングということになります。

ただし、オフショアのスロージギングがバーチカルな釣りであるのに対し、ショアからのスロージギングは横方向から引きます。ショアスロー用のジグは、その点も十分に考慮した上で、シャクると上へアクションするように設計されていますが、全く同じ釣りではないと解釈してよいでしょう。

ショアスロージギングの長所はジグの移動距離を抑えつつ、ゆっくりとした動きで誘えることで、通常のジギングでは反応が乏しい状況や、ベイトを追うレンジが狭いターゲットにも有効。素早い動きをする青物から、ボトムの根魚までがヒットします。

スロー系ジグを初めて使用するにあたっては、ロッド操作によってジグが動く幅、シャクったときのアクション、フォールのスピードやフォール姿勢を、透明度の高い防波堤で確認しておくことが肝心です。フォールのスピードを把握しておけば、狙っているポイントの水深も分かります。ジグのウエイトバランスも重要で、フリーフォールとテンションフォールでの沈み方の違いもチェックしておきたいです。

実践編

基本的なやり方はキャストしたら底を取ることからスタートし、軽いシャクリでジグを持ち上げ、フォールで食わせます。何回かシャクリを繰り返すことでジグをイメージした水深まで引いてきて、そこからフォールさせてやるとよいでしょう。アタリはジグをシャクっているとき、フォール中やフォールからシャクリに入ったときに出ます。

シャクり方と落とし方の例としては「ショートピッチジャークで5回シャクって着底するまでフォール」とか「大きめのロングピッチジャークで3回シャクって3秒間のフォール」など。1回のシャクリでシャクり上げる距離×シャクリの回数=誘う幅(攻めるレンジ)で、フォールの秒数が食わせの間と考えられます。ただし、遠投した場合はラインに角度がつくので、その点もイメージしてロッドを操作しましょう。

マゴチが本命ならボトム、イサキが本命なら中層と、狙う魚種によって重点的に攻めるレンジを変えることが重要ですが、何が釣れるか分からないフィールドでは、とりあえず地形の把握やベイトの有無の確認をしつつ、異なるシャクリのパターンを試してみましょう。

キャスト後にボトムを取ったら、まずはタダ巻きで誘い上げてみるなど、アクションのアレンジは自由な発想でOKです。ベイトが表層にいる場合は、ロッドを立てながら速いテンポのシャクリで対応することもできるし、ここぞという場所(地形変化)や、手に伝わってくるジグの重さが変化した(ジグが潮目を通過した)タイミングで、食うきっかけを与えるフォールを織り交ぜるのも有効です。

フォール中はラインを軽く張り、ロッドティップにテンションを掛けながら落とせばアタリが明確にでます。ただしラインのテンションはジグのフォール姿勢に影響を与えるので、フリーフォールの方が反応が良いケースもあります。

アタったら即アワセが基本ですが、ベイトを弱らせてから食う性質があるタチウオは、前アタリの後に本アタリがくるので、さらに誘ってフォールで食わせるなど臨機応変に対応しましょう。

スロー系のジグは根魚にも有効で、ボトムを狙うと高確率でアタリを得られます。磯場の根魚を狙う場合は根掛かりのリスクがありますが、最初にカウントダウンをしておけば、次回からは素早いタッチ&ゴーを実践することで多少は根掛かりを回避しやすくなります。

潮が沖へ出て行くときはラインの放出を上手く制御しないとボトムを取りづらいですが、潮が当ててくるときは底を取りやすいです。潮が速いときはジグが海中でドリフトしている状態をイメージし、潮上から狙ったポイントに流し込むイメージでフォールさせると良いです。

足場の高い釣り座から足元付近までシャクってくると、思った以上にジグが浮いていることがあります。テーリングも起こしやすくなるのでシャクり方には注意が必要です。

タックルについて

スーパーライトジギングに使用できるロッドは、スペック表の数字で見ると、MAXジグウエイト30gクラスでPEライン1号対応が基準となり、ショアジギング用のロッドのほかにシーバスロッドやエギングロッドでも十分に対応できます。

ロッドの長さに関していえば、ショアスローではジグを手前に引いてくる距離を抑えつつ、高くシャクり上げることも重要で、ロッドは9ft程度の長さがあった方がロングピッチジャークでのシャクリの幅を大きくできます。またロングピッチジャークを行う場合は、多少胴に乗ってくるロッドの方がやりやすいでしょう。

できれば繊細なティップと、ジグのアクションを上手く引き出せるパワーを備えていることが望ましいです。軽いジグを使う場合、ティップにパワーがあるがロッドだと、ジグが着底したことが分からないことがあるからです。

基本的にショアジギングは1日のキャスト回数が非常に多い釣りなので、リールは耐久性を重視し、大物のヒットに備えてドラグ性能が優れた製品を選びたいです。組み合わせるロッドにもよりますが、3000番クラスのハイギアタイプのものが使いやすいです。

マイクロベイトパターンにもピッタリ。

15~30g程度のジグに対して、ラインはPEの0.6~1号、ショックリーダーはフロロカーボンの16~20‌lbを組み合わせます。小型のプラグも投げることもできるのが、このタックルの長所でもありますが、リーダーの先端に小型のスナップを取り付けておけば、ボイルが生じたときなどにルアーチェンジを素早く行えます。

ジグについて

スロー系のジグと聞くと木の葉形のイメージが強いですが、メーカー各社が「スロー対応」としているジグの形状はバリエーションが豊富で、形状にかかわらず水平姿勢でゆっくりとフォールするジグがこの釣りで威力を発揮します。

フォールの姿勢に深くかかわるフックは、購入時に付属しているものをそのままのセッティングで使うのがベター。スロー系のジグにはフォール中のアタリと巻き上げ中のアタリの両方でフッキングできるよう、前後ともにフックが付くのが一般的です。

大型のターゲットが釣れる可能性があるフィールドでは太軸フックに換装しておくと安心できますが、前述したようにフロント・リアそれぞれのフックの大きさがフォールの姿勢に影響を与えるので、フックを換える前と換えた後でバランスが崩れていないかスイムチェックを行いましょう。

ジグのカラーについては、オフショアでの実績が高いグロー系のゼブラカラーが人気です。アピール系とナチュラル系の両方を揃えるとどんな状況にでも対応できますが、ベイトフィッシュの種類が分かる場合は、リアルにイミテートしたカラーを選ぶのが基本です。中でもイワシカラーは欠かせません。

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