成長と共に名前が変わる出世魚で、40〜50㎝クラスをサゴシ(サゴチ)、50〜60㎝クラスをナギ、そして60㎝以上をサワラと呼ぶ。
名前を感じで書くと「鰆」となり、春の魚を意味する。
俳句などで春の季語としても使われており、春を告げる祝い魚として古くから日本人に親しまれている。
これは食の面でみた場合の旬ということだが、脂が乗るのは冬期に捕れる「寒鰆」と言われている。
兵庫県の淡路島のサワラがブランド魚として名高いが、潮流の速い鳴門海峡の洗礼を受けた身の締まった体が旨さの秘訣だろう。
陸っぱりの釣りのターゲットとしては夏の後半から小型のサゴシクラスが各地の堤防から狙えるようになってくる。
その後、秋に移行するにつれてサイズは上がっていき、場所によっては80㎝以上の大型が狙えるところもある。
どう猛で捕食に貪欲なため、回遊してくれば比較的簡単に釣れる。それゆえ、夏のルアーフィッシングのターゲットとして人気が高い。
さまざまなルアーで狙うことができるが、一番ポピュラーなのが、メタルジグを使ったショアジギングだ。
ライトタックルで挑もう

ショアジギングで狙うなら専用タックルを使うのが無難だ。しかし、サワラは遊泳力は決して低くないが、体が細い分、同サイズであればブリなどに比べるとパワーは若干劣る。
陸っぱりで狙えるサイズであれば、シーバスタックルやエギングタックルでも十分に楽しむことが可能だ。
特にサゴシクラスが上がっているときは、重いショアジギングタックルを持ち出すよりも、軽量なシーバスやエギングタックルを使った方が、楽に釣りができるし、引きも楽しめるだろう。ショアジギングロッドの場合はなるべくライトなものをチョイスしたい。
ショアジギングタックルを使う場合、ラインはPEの1.5号にフロロカーボンリーダーの7号(28lb)を組み合わせるのがスタンダードだ。
シーバスやエギングタックルの場合は、普段使用しているラインで問題ないが、リーダーだけは少し太めのものを結んだ方がよいだろう。
サワラは歯が鋭く、ラインに触れると簡単に切れてしまう。7号であれば大丈夫というわけではないが、メタルジグのロストを低減させるためにも少し太めのものを入れておきたい。
メタルジグは30〜40g程度が使いやすいが、ロッドの負荷に見合ったものを選べばよい。
フックは必ずテールにトレブルを装着しよう。サワラはベイトの後方から襲ってくることが多いので、テールフックを装着することでヒット率を上げることができる。

ポイントとなる場所
回遊魚のため、潮通しの良い場所ということが基本となる。港湾部では外海に面している波止が狙い目だ。港内の奥の方などで釣れる確率は極めて低いと言えるだろう。
また、サーフも狙い目だ。ベイトとなるイワシなどの小魚が接岸していれば釣れる確率は高くなる。
波打ち際に小魚が打ち上げられているときは、大型の魚に襲われていると考えてよいだろう。迷わずルアーを投入しよう。
まずはタダ巻きで狙おう

最も簡単なのはタダ巻きだ。これだけで十分に狙える。しかしサワラはいる層が変わりやすいのが特徴だ。表層に浮いているときもあれば、ボトムの方にいるときもある。
そのためカウントダウンをして、表層からボトムまでくまなく探っていくとよい。
巻きのスピードはやや速めがよいだろう。リールのハンドル2回転/1秒のスピードで誘っていき、ワンピッチ・ワンジャークであれば広いレンジを効率良く探っていくことが可能だ。
しかしあまり激しいジャークは禁物。ターゲットがメタルジグを捕らえ切れずにラインにアタックする可能性が高くなるからだ。
トップゲームが熱い!

サワラを狙う上で最も効率的、かつ確実なのはショアジギングだが、プラグを使って表層に誘い出すトップゲームも人気が高い。
ヒットシーンを目で見ることができるそのエキサイティングなゲーム展開が受けているようだ。
使用するプラグはペンシルやポッパーといった表層を引けるタイプのもの。30g前後をチョイスすれば、ショアジギングと同じタックルを使って、ルアーを替えるだけで楽しめる。
誘い方は、やや早いテンポのドッグウォークだ。ルアーが水面を割らない程度のスピードでアクションを付けていくとよい。ときどきストップを入れて、食わせの間を作るのも効果的だ。
口元に注意しよう

前述したが、サワラは非常に鋭い歯を持っている。
うかつに口元を手で触れるとケガをする危険性が高い。釣った魚は必ずフィッシュグリップで掴んで、ルアーのフックを外すときはプライヤーを使うようにしたい。