シーバスに限った話ではありませんが、大抵の釣りはラインスラック(糸フケ)はデメリットがあり、なるべくなら取り除きたいもの。
しかし、シーバスを仕留めるときは、ラインスラックを利用したテクニックもあるのです。
ラインスラック(糸フケ)が釣りに及ぼす影響

ラインスラックは、ルアーとロッドの間にできるたるみのこと。キャスト中に風で流されたり、水面に浮かぶラインが流されることで発生します。
糸フケが問題になる一番の理由は感度。余分なたるみが大きいほどアタリは手元まで届かなくなってしまいます。
仮にアタリを得られたとしても、たるみ分を大きく引かなければフッキングできないため、アワセが遅れたりフッキングが甘くなることも厄介です。
隣にアングラーがいる場合には、ラインを出しすぎて絡んでしまうなどのトラブルも発生しやすくなります。
ラインスラックとタックルの関係

使っているタックルによってラインスラックの流され方は変わります。
分かりやすいのはラインの違い。PEとフロロカーボンで比較すると、フロロのほうが流れに強いため、出にくくなります。
リールのライン回収速度も重要なポイント。ハイギアのほうが早く巻き取ることができます。
ルアーの違いでも出方は変わります。軽いルアーだと、ラインスラックが出やすく、重たいルアーだと海中からも沈む力でラインを引っ張るため出にくくなります。
ルアーのトレースコースの変化

ラインスラックの影響はルアーの進行方向にも影響します。上の例を見てください。
この場合、ラインは川によって流されるため水中で大きく膨らんだ状態で流されていきます。
スラックを出したままリトリーブすると、ラインに沿ってルアーは引っ張られるため進行方向は大きく膨らむこととなります。
わざとラインスラックを利用してルアーの進行方向をカーブさせるように泳がせることもできます。このテクニックをドリフトと呼びます。
シーバスゲームではこのドリフトが重要なテクニックとなります。
日中にラインスラックを確認しておこう

最初のうちは、ラインスラックがどのように出て、どのように影響するかわからないでしょう。
特にナイトゲームは、ラインどころかルアーも見えません。経験がないとルアーの泳ぐコースに予測がつかないでしょう。
せっかく、潮目やストラクチャー、常夜灯の明暗などの知識を得ても、トレースコースがデタラメだと宝の持ち腐れです。
なので明るい時間に、ラインスラックがどのように出るか、ルアーがどのあたりを泳ぐかをよく確認しておきましょう。
シーバスの釣果を上げるために重要なテクニック ドリフト

ドリフトとは、ラインスラックを利用してルアーを流れに乗せ、自分の狙いの場所へルアーを送り込んで誘う方法です。
流れに負けるほど弱ったベイトを演出できるので、シーバスだけに限らず多くのフィッシュイーターに有効な戦略です。
ドリフトのやり方はいくつかありますが、わかりやすいのはアップクロス(上流側)、もしくはクロス(対岸側)にキャストする方法。
キャストしたらルアーとラインを流します。前述した通りラインを流しすぎるとトラブルに発展するので、余分なスラックは回収し、張らず緩めずを保ちます。
そして、狙いのポイントまでルアーが流されたらリトリーブ。こうすることでUの字にルアーが進行します。直接潮目や明暗の境目を通すよりも、この方が釣れる確率が高くなります。
ラインスラックはデメリットもありますが、うまく付き合えば釣果に大きく影響します。ぜひマスターしましょう。