ヒラスズキは一般的にシーバスと呼ばれるスズキと比べて体高があり、パワーが圧倒的に強い魚です。
主に磯場に生息しており、それ以外の場所では極稀なケースでしか釣れません。荒磯の王者の異名を持ち、磯で狙えるルアーターゲットとしては高い人気を誇っています。
海がシケてサラシができているときに、そのサラシに身を隠しながらエサを捕食していることが多く、ナギの状態では釣れにくい魚です。
荒れた磯場がメインフィールドとなるため、それなりの知識と装備が必要となり、上級者向けのターゲットとされています。
一年を通して狙えますが、比較的釣れやすいのは水温が上昇してくる4月後半頃となります。しかし、冬場の方が海が荒れやすいため、サラシが広がる状況に遭遇しやすいです。
タックル

ロッドはヒラスズキ用か、ショアジギング用の比較的ライトなモデルを使用します。
ルアー自体は30〜40g程度を使いますが、魚のパワーが強く、多少強引なやり取りも必要とするため、堤防で使っているシーバスロッドでは役不足です。
また、足場の悪い磯の瀬際でのやり取りが多くなるため、ヒラスズキ専用ロッドは11〜12ftと長めに設定されています。
ラインはPE1.5〜2号、リーダーは瀬ズレを考慮してフロロカーボンの28〜40lbを3〜5m程度結びます。リールは4000番クラスとなります。
ルアーはミノーやシンキングペンシル、ジグヘッドリグなどを使用します。ミノーは足元までしっかりとレンジをキープできる大きめのリップが付いたものが使いやすいです。
サイズは9〜16㎝程度と、その時期のベイトの大きに合わせるというのが基本となりますが、13㎝程度のものを中心にそこから大きいものと小さいものを用意しておきましょう。
狙い方

サラシ撃ちが基本となります。これは波が磯に当たって崩れ、白く泡立っているところにルアーを通していく狙い方です。
サラシは自分が立っている磯の足元にできることが多く、足元狙いがメインとなってきます。遠投でマルスズキ(シーバス)、足元でヒラスズキが食ってくるというイメージです。
サラシ撃ちをする場合、寄ってくる波が磯にぶつかりサラシが広がり、その瞬間にルアーが丁度サラシの中を通過するように引いてこなければなりません。
タイミングに失敗して何度もルアーを同じ場所に通すとターゲットに見切られる原因となってしまいます。少ないチャンスで食わせることが求められるのです。
そのためには、サラシが広がるタイミングというのを見計らってルアーをキャストする必要があります。

まずは沖から向かってくる波をよく観察して、どのタイミングでルアーをキャストして、どれくらいのスピードで引いてくると、丁度サラシが広がるときにルアーをその中に通せるかを考えます。
キャストは必ずしも大遠投する必要はありません。軽く20〜30mも投げればOKです。
沖に瀬や沈み瀬があり、それに波が当たり、サラシが広がっているパターンもあります。そのような場合はロングキャストで沖のサラシも狙っていきたいです。
タイミングが分かれば、なるべく大きなサラシが広がり、大きな波が来るのを待ちます。無駄撃ちは厳禁です。
そして、これと思う波が来るタイミングでルアーをキャストして引いてきて、サラシが広がるタイミングでその中を通していきます。
サラシの中にルアーを漂わせるようなイメージでゆっくりと引くのがコツです。ラインを引くのを止めて、サラシの中にステイさせるのもよいでしょう。

また、ヒラスズキは磯の足元に潜んでいて、ルアーのピックアップ直前に食ってくることも多いので、ルアーはきっちり足元まで引くようにしましょう。
足元のサラシでゆっくり引いたり、ステイさせる場合、ルアーはシンキングタイプのミノーやシンキングペンシルがやりやすいです。
ルアーを通すタイミングとしては足元のサラシと同じですが、沖のサラシに向かって遠投する場合は、キャストの精度が求められるようになってきます。
ルアーのコースがサラシの中を通るように考えた上で、正確に狙った場所にキャストする必要があるのです。

瀬にルアーを当ててしまうと、ルアー破損の原因となりますし、サラシが広がるような海が荒れた状況では風が強いことも多いので、かなりのキャストテクニックが必要となってきます。
魚が掛かった場合、磯場では取り込みが難しくなってきます。
足元で掛かった場合は、その場所で取り込むのが基本となりますが、遠投する場合は、予め取り込む場所を決めておいてからキャストすることが必要です。