ヒラメはその平べったい見た目から、ルアーフィッシングではフラットフィッシュと呼ばれています。
見た目がカレイと似ているため混同されることも多いですが、まったく別の魚です。その食性や運動能力も違い、ヒラメはかなりどう猛なフィッシュイーターです。
活性が良いと水面でジャンプして獲物を捕食することもあるほどで、ルアーフィッシングのターゲットとしても高い人気を誇ります。
ヒラメの生態

最大で1mにも成長する個体もおり、70〜80㎝になってくると座布団級と呼ばれ、大型と認識されます。
市場では高級魚として流通しており、型が大きい方が味が良いと言われています。身は透き通るような白色で、その淡白な味わいは刺身や寿司ネタとして好人気です。
サーフで海底に生息しているイメージが強いですが、遊泳力がかなり高いため、砂泥底であればさまざまなフィールドで狙えます。
ちなみに「左ヒラメに右カレイ」という言葉の通り、ヒラメは目が付いている背を上に置いたときに、頭が左向きとなるので覚えておきましょう。
メインフィールドはサーフ

日中は海底の砂泥に潜って頭だけ出していたり、また体色を周りに合わせて変化させて潜んでいます。あまり動き回りませんが、目の前を通る獲物を襲うことはあります。
目が上向きに付いているため、常に上を意識しているといえます。
活発に活動しだすのは他のフィッシュイーターと同様に朝・夕のまづめ時と夜間です。このときは活性が高くなっており、かなり広範囲に泳ぎ回って貪欲にエサを捕食します。
釣れる時期

ベストシーズンは春と秋です。
エリアによって異なりますが6月くらいから小型が狙えるようになってきます。10〜11月ごろに最も釣りやすくなるシーズンですが、ショアから狙う場合は型がそれほど望めないのが現状です。
1〜3月ころは数はあまり出ないですが、ショアからでも大型が狙えるシーズンとなります。ヒラメを積極的に狙っているアングラーはこの時期がベストシーズンという認識もあります。
ヒラメ狙いのタックル

ロッドはフラットフィッシュ専用品がラインアップされていますが、シーバス用やヒラスズキ用、ライトショアジギング用などでも代用が可能です。
サーフがメインフィールドとなるフラットフィッシュ専用ロッドは9〜11ft前後と、長めに設定されているものが多いです。
これは、サーフではキャストの飛距離が釣果を分ける要因にもなってしまうため、少しでも飛距離を稼ぐためや、ファイトに有利になるためなどいくつか理由があります。

堤防などは、海面より4〜5m高い場所に立つのに対して、サーフはほぼ海面と同じ高さに立って釣りをすることになります。
波が高いときはラインが波に取られルアーの操作がしづらくなってしまいます。そのようなときにロッドを立てて波を回避させるため、サーフでは長いロッドの方が有利となります。
リールはスピニングリールの3000〜4000番を合わせます。PEラインは0.8〜1.2号、それに合わせるリーダーはナイロンかフロロカーボンの16〜28lb(4〜7号)をチョイスするとよいでしょう。
タダ巻きが基本

ハードルアーでもソフトルアーでも誘い方の基本はタダ巻き。リールのハンドルを回すスピードがあまり速いとルアーが浮き上がってしまうため、一定のスピードでリトリーブすることがコツです。
1回転/秒くらいの速さでリールのハンドルを回すとよいでしょう。
ヒラメは活性が高いときは表層のベイトにも襲い掛かってきますが、活性が低いときは、ボトムに潜んでいます。そのためヒラメの視界に入るレンジをキープしてルアーを通すことが重要です。
目安となるのが、海底から1m以内。水深にもよりますが、かなり底の方を意識してルアーを通していくことが大切です。そのためルアーをある程度沈めてからリトリーブを始めることが必要となります。
底付近を狙う場合は、海面からどれだけ沈めるかというより、海底からどれだけ上げるか、というプロセスを踏んだ方がやりやすいです。

例としてワームの場合、ルアーをキャストしたら、一旦海底まで沈めボトムタッチさせてからリトリーブを開始します。途中で底を擦るようであれば、リトリーブスピードを少し速くするとよいでしょう。
ときどきで食わせの間を作るのも効果的。時間にして1〜2秒くらいは確実に止めた状態にしておき、再びリトリーブを開始します。
そしてまた15〜20回程度ハンドルを回したらピタッと止めるを繰り返す。リトリーブ、ストップをメリハリ付けて繰り返すことがキモとなります。
カケアガリの場所が分かるのであれば、付近に近づいたら止めるように意識してみましょう。
変化のある場所を狙う

ヒラメは海底の地形変化がある場所に潜んでいることが多いです。しかし、広いサーフは一見、変化に乏しいように思えてしまい、どこを狙えばよいのか分かりにくいもの。
目に見えない海底の変化は、目に見える海上にも現れています。例えば、波が崩れるような場所は、海底に起伏ができています。
また、そこだけ波が立っている、立っていないなど、とにかく水面に他と変化がある場所というのは海底にも何かしら地形変化ができているものです。

地上の変化にも目を向けましょう。波打ち際の砂が盛り上がっている、えぐれているなどは水流によって形成されているものです。
当然海底も水流を受けて地形変化ができていると考えられます。また川が流れ込む場所など淡水と混じる汽水域となるところも栄養分が豊富で魚が集まりやすいので必ずルアーを通しておきたいです。
どうしても狙うポイントが分からない場合は、じゅうたん爆撃戦法がおすすめです。例えば5歩や10歩など自分で歩数を決めてから歩いてはキャストを繰り返し、しらみつぶしに攻めていきます。
足で稼ぐとヒット率も上がるので、ぜひ試してみましょう。
ジグヘッドリグで狙ってみよう

ヒラメは成長するとほぼ魚を捕食しており、カニ・エビなどといった甲殻類を狙うことはほとんどないといわれています。
目が上向きに付いているので、海底にいる生物ではなく、自分より上を泳ぐ魚を狙っていると考えられています。
そのため、海底をズル引いたり、跳ねさせたりという誘いは必要なく、スイムアクションで狙っていくのが基本です。
ワームで狙う場合、専用のジグヘッドリグを使用します。一般的なイメージのジグヘッドと違い、ハードルアーと同じようにトレブルフックが付いていてハリ掛かりが良くなるように設計されています。
ヒラメは下から襲ってくる確率が高いので、フックは下に付いていた方がフッキング率が高くなります。

またサーフでは根掛かりする要因が少ないため、複数のフックを装備してフッキング率を上げるというのが主な要因です。
ワームはスイムアクションに適したシャッドが定番です。小魚を演出するには、これが一番向いているといえます。サイズは3〜4inがマッチします。
また活性の低いときは、より自然な波動で誘えるピンテールを使うのも効果的。逆にアタリが多く、活性が高いと判断できるときはカーリーテールなどの波動の強いワームを選ぶとよいでしょう。
いずれにせよ、ワームもスイムアクションを意識したものをチョイスしましょう。