いよいよ大型のアオリイカが狙えるエギング最盛期に突入します。
今期は超大型アオリを取り逃しのないよう万全の態勢で臨みたいものです。その前に、春アオリ攻略法をおさらいして記録更新を目指しましょう!
行動パターンを読んでデカイカを狙い撃つ!

よく釣るエギンガーほど足繁く釣り場に通っている傾向が見られます。その時々の釣り場の状況を把握してポイントを見定め、効率的に釣果を導き出しているようです。
そのような折、「エギングは場所によって釣果が左右される」という話を頻繁に耳にします。それを合言葉にライバルが少なそうな場所を目指す人がいますが、実際にはそうとも限りません。
デイエギングが広く認知された今、誰もが同じようなことを考え、そのような場所を目指します。
さらに言うと、気軽にアクセスしにくい場所ほどエキスパートが訪れ、プレッシャーが掛かっていることが少なくないのです。時期やタイミング次第では身近な波止で難なく良い思いができます。
そのとき、重要になってくるのが、有効なアプローチでイカをやる気にさせて思惑通りにエギを抱かせられるかどうかです。

確かに釣れる場所に向かうのは得策です。しかし、その前段階としてどのような場所を目指し、いかなる誘いをするのが効果的なのか知っておいた方が良いでしょう。エギングは釣技で差がつくのです。
産卵を意識する良型アオリイカは、春の訪れとともに沖から群れをなして接岸します。このことはエギングをたしなむアングラーの間で今や常識でしょう。
では、どのような個体がどこから差してくるケースが多いのか?

シーズン初期に接岸回遊するのは往々にしてメスの群れです。400〜700gの個体が深場と浅場が近い岸近くに群れで回遊してきます。
その後、メスを追って1㎏超級のオスが大挙して押し寄せます。よって、春先にメスが連発するエリアで数週間後に良型のオスが釣れ盛るという例が多々あるのです。
巡ってくるメスの型が大きければそれに見合う良型のオスが見込めます。
ちなみに、デカイカが群れで回遊するピークは南方では1月から、全国的には5〜6月ごろ。それ以降はオスとメスがペアリングしてつがいになり、本格的な産卵行動に入ります。
そうなるとエギはおろか目の前を泳ぐ小魚さえ追わなくなります。そのため、比較的小型のメスがよく釣れる場所に通うことをおすすめします。
ポイント選択の要所

放射冷却の影響などで水温が著しく変化する時期は、深場と浅場が隣接する沿岸部が有望です。
なおかつ産卵場に適した要素に恵まれていて、エサとなる小魚のストック量に恵まれているとデカイカの群れが長く留まります。
水深の変化は水面の色の変化を見ればそれなりに把握できます。確実なのは実際にエギやオモリをキャストして水深を測るのがベストです。
そうすると流れの利き具合も分かります。潮が通る場所はイカの群れやベイトの回遊が見込める好スポットとなります。

特に良型は流れがきつい場所だと留まっているのに体力を要するためか、潮が緩むところに溜まるケースが多いです。流れの中でヒットするアオリイカは小型が目立ちます。
ただ、流れが緩むとデカイカの行動範囲は広くなります。
産卵場所に適した要素というのはそれに適したストラクチャーを目指します。アオリイカは藻やロープ、岩などに卵を産みつけるからです。
その際も流れが強すぎると卵が流されてしまうため流れや波が穏やかな場所にあるストラクチャーが好ましいようです。
産卵を意識する個体は、卵が流されずに留まり、外敵に襲われる心配が少ない浅瀬に寄ります。そして、産卵前の個体は体力を蓄えるために小魚を活発に捕食します。
そうなると常夜灯周りでのナイトゲームで実績が高まります。
効果的なアプローチ

エギングにおけるテクニックというとシャクリというイメージが強いですが、アオリイカに効く誘いはズバリ、フォールとステイです。
シャクリはエギをアピールさせると同時にフォールさせるための高さを稼ぐために行う動作で、抱かせるための誘いとして直接作用するものではありません。
エギを抱かせる機会を増やすためにはフォールやステイする時間を長く取るのが有効です。
しかも、回遊してきたデカイカはずっと泳ぎ回っているわけではなく、ストラクチャーや底付近に着くためその際を丁寧に探るのが基本です。
それにはまず、きちんとエギを着底させ、軽くシャクリ上げた後ゆっくりと沈めるのが肝心です。

エギで底を取るのはシャクリよりも大切なこと。そのこともあって、エギングでは高感度のPEラインが使用されます。
ラインは細いほど水の抵抗を受けにくくなり、底取りが分かりやすいです。しかし、慣れていなければライントラブルに見舞われます。
そのような場合はエギの号数を上げたり、糸オモリを巻いてエギの自重を増すのが手っ取り早いです。
フォールに関して述べると、ボディ前方が幅広いエギはヘッドが持ち上がり気味となり、理想的とされる水平姿勢でスローにフォールさせやすいです。
春イカ対応タックル

基本的には3.5号のエギをベースに通年同じタックルで臨んでいると、わずかな変化が感じられるからおすすめです。
しいていえば、春は大きめのエギの出番が増えるのと釣れるサイズが大きいため4号のエギがキャストできるパワーのあるロッドがふさわしいです。
メインラインのPEは細いものが好まれがちですが、良型狙いの時期は1号以上の太号数でも問題ありません。PEラインは太いほど強い浮力が得られます。
すると、エギがラインに引っ張られてよりスローにフォールするから効果的であるケースも多々あります。
なお、スナップは付けておいた方が良いです。理由はエギを着底させる際、ラインアイが硬いものにぶつかることがよくあり、ともすればリーダーが結束部で切れてしまうからです。
3㎏オーバーを狙うのであれば軸が太くて強度が高いスナップを選びましょう。
エギ選びのヒント

エギの種類が増えた現在、さまざまなタイプがリリースされています。ダート性はもとより、ラトル入りやフラッシング、波動を起こすものなど多種多様です。
時季的傾向から見ると左右への首振り、いわゆるダート性より上へ跳ね上がる性能が長けたものを推奨します。
春のデカイカは秋によく見る小型と比べ、素早く過ぎ去るエギを迅速な動きで長く追うことが少ないからです。
だから、水平方向への動きを抑えて特定の位置がじっくり探れる跳ね上がり性能が優れたエギが効くのです。従って前述したボディ前方が幅広いモデルや、沈下速度が遅いシャロータイプが最適です。

サイズについてはアピール性が高い大きめが吉。デカイカの触腕は太いから4号以上のエギでも十分掛かります。
特に海底の起伏に富むポイントでボトムを丹念に探る際は、大きなエギでイカの目に留まるようにします。
となると、小型のエギは使えないのか? と思うかもしれないですが、そうでもありません。
小さめのエギはフォールスピードが抑えられる上に藻の狭い隙間に入れ込めるなどの利点があります。
初めに4号のエギで見せる誘いをかけ、フォローとして3号などの小さめのエギに替えた途端に飛びついてくるというような例がよくあります。
また、大きめのエギはハリ掛かりせぬまま横抱きしてホールドすることがある一方、小さめのエギは掛かりが良いという一面もあります。
デカイカ捕獲のキモ

昨今のアオリイカはスレているという説があります。シーズン序盤に沖から巡ってきた個体にはその傾向が薄いと考えられます。
しかし、日を追うごとにエギを見る機会が増えるとプレッシャーが高まると予想できます。プレッシャーを克服するのにはイカがあまり目にしていないエギをキャストするのが一つの手です。
例えば、発売されて間もないエギでかつてないアピールを演出して大当たりすることは珍しくありません。その効果を得るために常に細心のエギを備えておくとよいでしょう。
目先を変えることは、カラーやアクションについても言えます。
ライバルがたくさんいる場所でデカイカが釣れていれば、同様のアクションを試します。そうでなければ彼らとは異なるカラーとアクションで誘ってみましょう。
周囲の人のアクションにイカがスレているだけだと違ったアプローチに即座に反応を示すでしょう。