冬から春にかけてコノシロは大きな群れをつくる。シーバスがコノシロの群れに(食い)付いたときが俗にいうコノシロパターンだ。
そのためコノシロが集まりやすいベイエリアや河口付近、運河などがポイントとなることが多い。
捕食対象となるコノシロが比較的大きいため、コンディションが良いシーバスが多く、コノシロを捕食した個体が強烈なファイトを繰り広げてくれるのも魅力の一つだ。
コノシロパターンの時期

コノシロパターンには、ある程度のコノシロの群れとシーバスの数が必要となる。
コノシロはほぼ一年中沿岸域で見られる魚だが、秋から冬にかけて(大体10〜2月頃)シーバスがメインベイトにコノシロを選ぶことがある。これがコノシロパターンと呼ばれるものだ。
このパターンになると、シーバスはコノシロを好んで捕食するため、非常にエキサイティングなビッグターゲットとしてアングラーたちを迎えてくれるだろう。
時間帯と状況

複数の群れが、条件の良いエリアに集結することも珍しくない。晩秋、水温が下がり始めるとコノシロは条件の良い所に集まる。シーバスにとっても、この巨大な群れは美味しいごちそうに見えるようだ。
ゲームが成立する時間帯はシーバスのアタックレンジが比較的浅いこともあり、警戒心の薄れるナイトから早朝になることが多い。
コノシロの群れをシーバスが狙っている場合、水面付近でコノシロが逃げ回り、「ザーッ」と音をたてたり「バシャ」と跳ねたりと非常に騒がしいことが多い。
基本タックル

コノシロパターンの基本的なタックルは、8.6~9.2ftのミディアムヘビーやヘビークラスのシーバスロッドに、2500~4000番のスピ二ングリール。
そしてメインラインをPEの1.2~1.5号、リーダーをナイロンラインの20lb、地域差はあるがほぼ標準仕様となる。
その他、必要なのはランディングネット、ストリンガー、キャップライト、ライフジャケット、ラインカッターやプライヤー、ルアー類となる。またゲームに集中するために防寒対策も重要だ。
ベースとなるルアー

マッチングするルアーは大型ミノーやビッグベイト、トップウォーターなどで、サイズは基本的にマッチするベイトのサイズより一回り小さめに合わせる。
通常のシーバスゲームでチョイスするものより、少し大きめの12~17cmが標準サイズとなる。
状況によってはビッグベイトを使ってランカーサイズを狙ってみよう。
レンジはトップ、サブサーフェスからミドルという、比較的浅いレンジを攻める。
コノシロパターンが成立するシチュエーションの場合、多くは表層にコノシロが群れているため、スレでコノシロがルアーフックに掛かることが多い。
重要なベイトのレンジやサイズを収集できる情報源として活用しよう。
ルアーレンジとトレースコース

コノシロパターンではの群れの中心にルアーを通してもバイトしないことが多い。
いちいち群れの中を掻き分けてルアーだけを捕食するような苦労をシーバスはしてくれないからだ。特に群れの規模が大きい場合はこの影響が顕著に現れる。
シーバスがコノシロの群れを狙うとき、群れの中で最も弱ったものを捕食する。これは少ないエネルギーで高確率且つ、効率的に捕食でき、より多くのエネルギーを蓄えることができるからだ。
元気のよいコノシロほど、群れの中心や先頭に行こうとし、結果的に弱い個体は群れの端や後方、群れの下に残ることになる。
つまりできるだけ群れの端を攻めることが、シーバスに狙ってもらえるキーとなる。

つまりコノシロの群れについたシーバスを狙う場合は、群れの中で弱ったコノシロがポジションするレンジで、元気に泳ぐ個体とは違う動きで誘う必要がある。
もっともオーソドックスなのは、弱ったコノシロが泳いでいるであろうエリアのシャローレンジで、ゆっくりと泳がせたり、潮流を利用したデッドステッキングでドリフトさせるアクション。
もう一つはバイブレーションなどでコノシロの群れの直下をスローなリトリーブで通す。これは弱って外側に追いやられているとシーバスに判断させ、リアクションでアタックさせるためだ。
コノシロが群れているとリトリーブ中に「コン、コン」「コッ、コッ」といった感じでルアーに干渉してくる。その場合は少しレンジを下げるか、群れの少し外側になるようにトレースコースを変えてみよう。
基本のアクション

ルアーアクションの基本は、ルアーが泳いでいる感覚がロッドティップで感じられる最もスローなスピードで、アクションを入れずリトリーブする。
遅すぎるとルアーのアクションが破綻してしまうし、速すぎると弱ったベイトに見せられないからだ。
どうしてもショートバイトや「コッ」としかアタらずフックアップしない場合は、デッドスローリトリーブにストップ&ゴーを組み合わせると有効な場合もある。
ときには、ウォブリングやローリングアクションなどのルアー本来のアクションすら必要とならない場合がある。
ルアーが水面に作る引き波を利用して、弱ったコノシロがゆっくりと泳ぐイメージを演出する場合は、ルアー自体の動きよりリトリーブスピードや引き波の強さがキーとなることが多い。
バイトがない場合は、色々なスピードを試してみよう。
バイトとフックセット

シャープに刺すイメージではなく、だんだんと刺さるようにトルクをかけてフックアップする。
「コツン」といったクリアなバイトから「ガツン!」や「ゴン!」といった手元に直撃するバイトが多いが、いずれもアタックの後、グーンと重量が乗ってくる。
時として水面に浮くルアーをシーバスが吸い込むように捕食する場合があるが、そのときもモワッときた後、「グッ」とロッドティップを押さえ込むように重量がかかってくる。
ただし、だからといって遅すぎたり弱すぎるフッキングは、フックが中途半端に刺さってしまい、バラす原因を作ってしまう。確実且つ丁寧にハリを掛けよう。
ランディングについて

70㎝を超える巨体を1人でランディングする場合、かなりのリスクを伴う。
当然ランディングネットは必須だが、シーバスの全長が長いこともあり、魚がネットに入り切っていない状態であげようとしてしまい、ルアーのフックが網に引っ掛かりバラす原因を作ってしまうことがある。
かといって、ハンドランディングは危険だ。シーバスは意外と歯が鋭いし、ランディング中にルアーフックが手に刺さると大怪我に繋がる。当然だが、ぶっこ抜きもおすすめできない。
できれば2人以上で行動し、手の空いている人がランディングをフォローすることが望ましい。その場合、十分に相手を弱らせ、頭側からネットインさせて、ゆっくり引き上げよう。
1人の場合も基本は同じ。ただし、最後の抵抗のエラ洗いでフックアウトすることもあるので慎重な取り込みを心掛けよう。