ブリやカンパチ、サワラといった青物は堤防からでも十分に狙える。堤防から青物を狙うときは、メタルジグを使ったショアジギングが定番だ。
青物は回遊魚のため、回遊してこなければ釣れる可能性は限りなく低い。そのため、まずは情報を収集することが大切。
堤防に青物が回ってくるのは秋〜春で、その中でも秋が期待度が高くなる。エリアによって異なるが、ブリは9月後半から11月くらい、サワラはもっと早く、8月後半くらいから小型が釣れ始める。
ネットや釣具店の釣果情報を細かくチェックして、釣果が上がり出したら釣り場へ通うことがターゲットへの近道となる。
ショアジギングタックル

ロッドはショアジギングロッドが基本となる。しかし、ショアジギングロッドでも強さや長さはかなりバリエーションがある。
オーバースペックの強いタックルを持ち込んでいるアングラーもいるが、重量が増すため相応の大型が出るような場所でなければ、ただ疲れる要因となってしまう。
堤防でショアジギングをする場合、水深や潮流によって変わってくるが、使用するメタルジグは30〜50g程度だ。ロッドは50g程度のメタルジグを投げられるもので、長さは9ftクラスが扱いやすい。
このクラスでも80㎝前後のブリを獲ることにはそれほど苦労しない。

ロッドは長い方がキャストで飛距離が出そうだが、実際はスイングスピードが落ちてしまうので、短くてもそれほど変わらない。
根気よくロッドを振り続けるためにはタックルは軽い方がよい。
また、ブリでも50㎝程度の小型のものやサワラは、シーバスロッドやエギングロッドでも十分に釣りが可能だ。20〜30g程度の、ロッド負荷に合ったメタルジグを使うとよい。
ショアジギングの釣り方

可能な限りロングキャストして、できるだけ広範囲を探っていきたい。そして、後は根気良くロッドを振り続けることが釣果に差を付ける秘訣となる。
また、空や海の様子にも注意を払いたい。鳥が妙に集まっているときはベイトが寄ってきている可能性が高い。その下を狙ってみるとよいだろう。
青物が回遊してくるのを待って、ロッドを振り続けるのはしんどい、という人は、ロッドを置いて、缶コーヒーでも飲みながら周囲の様子をよく観察しよう。
青物は群れで回ってくるため、一人が釣れるとバタバタと周囲にもヒットすることが多い。
誰かにアタリがあった、またはナブラが立ったなどの変化を読み取ってからメタルジグをキャストしても釣れる可能性は十分にある。
リトリーブで狙う
タダ巻きで誘う

メタルジグはさまざまなアクションでボトムからトップまで広いレンジを探っていける万能ルアーだ。そんなメタルジグで最も簡単に青物を狙う方法がタダ巻きだ。
メタルジグはタダ巻きでもテールを振りながらアクションし、フラッシング効果も高い。ターゲットへのアピールも十分なため、タダ巻きでも十分に青物を狙える。
キャスト後、メタルジグのボトムタッチを確認したら、ラインを巻き始める。スピードは2回転/秒くらいでよいが、遅い〜速いをいろいろと試してみるとよい。
ある程度、速く引いた方が、ラインに角度が付きやすく、テンポ良く広いレンジを探ることができる。
表層速巻きで狙う

青物は魚の中でも特に遊泳力が高く、泳ぐ速度が速い。そのため、ルアーを人間の力でできる範囲で、どんなに速く動かそうとも、追い切れないということはない。
また、速く動くものに対して反応しやすいという面も持ち合わせている。そのため、タダ巻きでもかなり速いスピードで巻くことが有効となってくる。
試しにメタルジグをキャストして、自分のできる限りのスピードで速巻きしてみよう。
ルアーはあまり速いスピードで引くと浮き上がってしまうので、手前に来るとさすがに海面を割ることもある。
しかし、それ以外では、パチャパチャと水しぶきを上げならが表層をトレースしてくるはずだ。このパチャパチャも、水面でベイトが逃げ惑うさまを演出できるので、ターゲットの誘いになる。
食わせの間を作る

青物は逃げる小魚を追いながら、襲うタイミングを見計らっている。その襲うタイミング=食わせの間を作るのに適しているのがストップ&ゴーだ。
速巻きの途中でハンドルを回す手をピタッと止め、1〜2秒間ストップさせた後に再び速巻きを開始する。
止めた瞬間と巻き始めにヒットしやすいので、集中して、メリハリ付けて行いたい。
サワラがターゲットとなる場合は、ルアーの後方から襲ってくることが多い。リトリーブで狙う場合はメタルジグのテールにトレブルフックを装着することをおすすめする。
20〜40g程度のメタルジグには標準でテールにトレブルフックが装着されているものが多いので、そういったものを選ぶとよいだろう。
ワンピッチ・ワンジャークで狙う

タダ巻きでも青物を釣ることができるが、ジギングの醍醐味は自分でメタルジグを操り、青物に食わせることだ。
「食った」ではなく、「食わせた」という感覚が味わえれば、よりショアジギングが楽しくなることだろう。
メタルジグをアクションさせる上で最も基本となるのがワンピッチ・ワンジャークだ。
ワンピッチ・ワンジャークはゆっくりやると、メタルジグのレンジはほとんど変わらない。
狭いレンジでターゲットにアピールすることとなる。一方、速くすると、メタルジグのレンジはどんどん上がっていく。
青物狙いで基本となるのはアップテンポなワンピッチ・ワンジャークだが、状況を見ながらスピードはいろいろと試してみるとよいだろう。

例えば、水深の浅い場所では速いテンポでシャクると、すぐにメタルジグが海面を割って飛び出してしまう。
もちろん、シャクる回数を少なくして、頻繁に底取りを繰り返してもよいが、ゆっくりとしたシャクリで狭いレンジでアピールし続けるのもよい。
水深の深い場所では、アップテンポでシャクって、広いレンジを手早く探っていくのが得策となる。しかし、水深に関わらず、スピードを変えてターゲットの反応をうかがうことも必要となってくる。
ジャカジャカ巻きで狙う

青物が速い動きに反応しやすいことを利用して、通常のワンピッチ・ワンジャークよりも速いテンポ・短いピッチでシャクっていくのがジャカジャカ巻きだ。
やり方としてはトウィッチを連続して行うイメージだ。ワンピッチ・ワンジャークとはロッドの動きとリールのハンドルノブの位置が逆になる。
ロッドを上げたときにリールのハンドルノブが下、ロッドを下げたときにハンドルノブが上へ来るように連続して動かしていく。
ラインにテンションを掛ける・抜くを速いテンポで行う感覚が掴めるとよいだろう。
メタルジグは通常のワンピッチ・ワンジャークよりも速くレンジを移動する。海面を割って飛び出さないように注意したい。
スロージギングで狙う
ジギングをもっと楽に、もっと簡単にと考案されたのが、スロージギングだ。いくつかのテクニックがあるが、代表的なものを紹介したい。
ロングフォールアクション

落ちてくるものに魚が反応することを利用して、ロングフォールでターゲットを誘うテクニックだ。
基本となるのは大きなジャークと大きなフォールを繰り返すだけで、青物だけでなく、さまざまなターゲットに対して有効となる。
基本はメタルジグが着底しているところから開始する。
余分なラインスラックを巻き取ったらロッドを垂直に立てるように大きくゆっくりとジャークする。このとき、ロッドのグリップエンドを肘に当てると、力を入れやすく、楽にジャークができる。
ロッドを垂直に立てたら、曲がっていたティップが戻って真っすぐになるまで止めておく。
このティップが戻る瞬間にメタルジグがスライドしてイレギュラーなアクションを起こすため、しっかりとロッドをタメることが大切だ。
ティップが真っすぐに戻ったら、ロッドを下げて、メタルジグをフォールさせる。ラインスラックがかなり出るので、余分を巻き取り、再びジャーク・フォールを繰り返す。

全ての動作はゆっくりでよい。ジャークしたら止めて、フォールさせたらしっかりとボトムタッチさせることを意識しよう。メタルジグのレンジは上がっていかず、常にボトムを叩くような釣り方となる。
ボトムを頻繁に取るので、根掛かりが発生しやすくなってしまう。テールにトレブルフックが装着されているものは外した方が無難だ。
フォールを重視したテクニックなので、メタルジグもフォールでアピールできるものを使用した方がよい。
ロングフォールに適しているのは、幅広の木の葉型をしたもので、このタイプはヒラヒラと舞うようなフォールでターゲットを誘う。