陸からルアーで青物を仕留めるとき、表層にいるにもかかわらず、どうしてもトップ系に反応しないタイミングがあります。
そんなときこそミノーの出番。ベイトフィッシュに近いシルエットとアクションで、ターゲットを魅了します。ここでは、青物狙いで有効なミノー選びと、使いこなすコツを紹介しましょう。
青物の特徴をおさらいしよう

青物とはブリ、ヒラマサ、サゴシなどの背中が青みがかった魚の総称です。これらの魚にいえるのは回遊性が高いことです。
数十から数百もの群れをなして行動しており、ブレイクラインなどのエサが集まりやすい場所を通り道にしていることが多いです。
また遊泳力は釣魚の中でも抜群で、人間がどんなに全力でリトリーブしても、追いついて捕食してしまうほどのスピードがあります。
ミノーの使い所とメリット・デメリット

青物用ルアーといえばどちらかといえばメタルジグ、ペンシルベイトなど、飛距離重視のイメージがあるかと思います。
しかしながらミノーは、上記2種類と比べると、どうしてもリップによる空気抵抗が発生するため飛距離が落ちます。
重心移動システムなどの遠投をサポートする機能もありますが、場合によってはアクションの妨げになるため、採用されないルアーも存在します。
では、どういうときにミノーが必要となるのかといえば、「表層から中層のレンジで、ある程度アクションの激しいアピール力が必要な場合」です。
メタルジグだと飛距離は出ますが、どうしてもタダ巻きだけだとアピール力が落ちますし、シンキングペンシルだと激しいアクションは得意ではありません。
また、バイブレーションもミノーと同じく高アピール系のルアーですが、レンジキープ能力ではミノーに劣ります。
青物をとるために必要なミノーの要素

青物用とシーバス用のミノー。どれも形が似ていますし、どちらでも青物が狙えないわけではありません。
ただし、青物に求められるミノーの要素はシーバスとは若干異なります。
まず、ファストリトリーブでも動きが不自然にならないこと。
青物の場合、ファストリトリーブで誘うことが多く、シーバス用ミノーだと、スローリトリーブに特化させたタイプも多いため、物によっては青物に不向きとなるからです。
次にフックサイズ。シーバス用だと#4〜#8くらいを使いますが、青物、特にブリやヒラマサだと#2くらいでないと、ハリが伸ばされてしまう可能性があります。
ルアーを変えず、フックサイズのみ大きくしてしまうという手もありますが、その結果重量バランスが崩れてしまい、うまく動かなくなるケースもあります。
もしフックサイズを変更してみたい場合、フック交換後、必ず足下などに投入して目で確認し、動きが変則的でないことを確認してから実戦投入しましょう。

最後に強度。特にヒラマサやブリに挑戦したいなら、プラグで狙うとファイト中にルアーが破損し、取り逃がすことがあります。
これを防ぐには、貫通ワイヤータイプがおすすめ。ルアー内部でラインアイとフックアイがワイヤーで繋がっているため、青物とのファイトでも破損率を大きく減らすことができます。
動かし方のコツ

大半のミノーがアクションする最低速度と最高速度があるものです。早すぎても遅すぎてもうまく泳げず、ルアー本来の力を発揮できません。
前述した通り、青物は強烈なスピードでベイトフィッシュを追いかけますので、ファストリトリーブ(目安として1秒に2回転程度)が基本となります。
もちろんルアーによって適切な速度は変わるため、実際に投げて手元に伝わってくるミノーのブルブルとした感触を確かめつつ、相手の反応によってスピードを微調整しましょう。
タダ巻きで反応しないなら、ストップ&ゴーやジャーキングでバランスを崩すようなアクションを加えて、攻め方にバリエーションを持たせるとよいでしょう。