アジングでは基本的に「ロッドもリールも軽いほうが有利」とされています。これは、長時間の釣行でもラクという他に、感度を得やすいという利点があるからです。
しかし、そこには「タックルバランス」という目には見えない落とし穴があるのです。
理想は手元重心
たとえば、新型のリール、新型のロッドを手に入れ、ロッドが5g、リールも5g軽量化したとしましょう。
普通に持てば10gも軽量化されているのですから、今まで使っていたロッドより、かなり軽く感じるでしょう。
しかし、実際に釣りをしてみると予想より重たさを感じることがあります。考えられる原因の大半は「タックルバランスが悪く持ち重りしてしまっているから」です。
同じ重さのタックルであったとしても、ティップ側に重心がきていると、テコの原理で実際よりアクションを付ける際に重たさを感じ、アタリも取りづらくなってしまうのです。

理想はロッドにリールを装着して、リールフットからおよそ指3本目のあたりを指一本で持ち、重心のバランスが取れている状態。もしくは、やや穂先側が上がる状態。これが理想です。
多少ズレる分にはさほど違いは感じませんが、これが穂先側に大きくズレると持ち重りが発生する原因になります。
ではタックルバランスを改善するためにはどうすればよいのでしょうか?
解決法1 ロッドかリールを理想のものに変更する
できることなら、この方法が理想的です。
ロッドは、有名メーカーのエントリーモデル以上なら持ち重りしづらい設計になっていますので、レビューなどをみてチョイスしてみましょう。
あとはリールとの組み合わせ。もちろんラインの重量もあるので、それをふまえた上で色々試してみるのが理想……ではあるのですが、複数リールを持っていない人も多いです。

買い直すのもいいのですが理想を突き詰めてしまえば、いくらお金と時間がかかるかわかったものではありません。
あくまで目安にはなりますが、基本的にはロッドとリールは同価格帯との比較的相性が良いです。エントリーモデルなら、リールもエントリーモデル級の価格帯のモデルをチョイスしてみましょう。
また、ショートロッドを選ぶことで穂先側の重量を抑え、持ち重りが発生しづらいようにすることもできます。
解決策2 グリップエンドにバランサーやチューニングシンカーを取りつける
グリップエンドにバランサーをつけるためのキャップがあれば、バランサーを取り付けるという方法があります。
グリップエンドにコインやドライバーで取り外せる部分があるなら、そこに取り付け可能です。

いっそグリップエンドごと変更する手もありますが、これは難易度が高めです。
ロッドの修理を請け負ってくれるお店ならグリップエンドの交換も請け負ってくれるので、そこに頼む手もありますが、もっとお手軽で安い方法もあります。
それは、エギなどで使われるチューニングシンカーを巻きつける方法です。これなら簡単にロッドバランスを調整できるし、何より安い。
ただし、バランサーにせよ、チューニングシンカーにせよ、結果的にはロッドの重量が上がってしまうので、やりすぎには注意しましょう。
解決策3 持ち方を見直す

通常スピニングリールはツーフィンガーグリップという持ち方で持つようになっており、リール自体もそれで使いやすいように設計されています。
ちなみにツーフィンガーグリップは中指と薬指でリールフットを挟み込んで握る方法です。特に持ち重りを感じないならこの握り方でよいでしょう。

ただし持ち重りを感じるなら、スリーフィンガーグリップで持つことにより改善する可能性があります。スリーフィンガーグリップは薬指と小指でリールフットを挟んで持つ方法です。
こうすることで、持つ手をより穂先側にすることができ、先重りのタックルでも理想の重心に近づけることができます。
もちろん、持ち方を変えたことによってキャスティングがしにくくなったり、持ちづらさを感じてしまう場合は本末転倒ですので、まずは自分の持ちやすい方法を見つけてみましょう。