アジングにおいての基本はジグヘッド。よく知っているフィールドで「このポイントはスプリットリグで攻めればいい」という前情報がない限りは、ジグ単から攻めるものです。
では、初めて行くフィールドで重めのジグ単からスプリットリグに切り替えるポイントはどこなのでしょう。
スプリットリグの利点を知ろう
基本的にスプリットリグはジグヘッドだけでは攻略できない場合に用いられるフォロー的な側面が大きいです。
なので、重たいジグ単よりスプリットリグが勝るメリットを知ることが重要となります。スプリットリグの利点は軽いジグヘッドを遠投できることとなります。
重たいジグヘッド寄りスプリットリグが勝る利点は、この軽量ジグヘッドを使う点にあります。

まずはフォールですが、ジグヘッドを単純に重くするだけだと、当然フォールは速くなります。
しかし、スプリットリグを入れた場合、重量差やシンカーの影響により、ヒラヒラとフォールするようになります。

さらに、フォールスピードの調整もアクションで可能となります。
ここではスプリットシンカーを5g、ジグヘッドを0.3gを使用したとします。その場合、単純にフォールさせるとスプリットシンカーが先行して沈み、5gのフォールスピードで沈んでいきます(厳密にいえばワーム側にも水圧が掛かるためシンカー単体より少しスローになる)。
そしてシンカーが海底に沈んだ場合は、そこから0.3gの軽量ジグがフォールすることになるので、フォールスピードが一気に遅くなるわけです。
これは、海底に沈んだ場合だけではなく、トゥイッチしてシンカーをフリーにフォールさせると、シンカーが沈んでリーダーがジグヘッドを引っ張るまでの間、スローなフォールが演出できます。
そのためボトム狙いが非常にしやすいことがスプリットリグの利点としてあげられます。ボトムタッチまでのフォールは速く、底についた後のアクションはスローにできるわけですから。

中層でもスプリットリグの利点は活かせます。
細かくシャクリを入れればジグヘッドは上下しながら進んでいきますが、ワームはそれに追従せず、揺れながらシンカーの後方からついてくるようなアクションになります。
こうすると、比較的スローなアクションで誘いを掛けることができるので、アジがバイトしやすくなります。
時折、わざと大きくシャクリを入れてあげれば、今度はシンカーに追従してワームが動きます。そんなイレギュラーなアクションに思わずアジが口を使ってしまう。というわけです。
また、キャロライナリグ、一部を除くフロートリグよりは簡単に取り付けられます。何よりジグヘッドリグを結び直す必要がないことが利点。
沖にアジがいそうなときにさっと取り出せて使えますし、初心者でも手軽に使いこなせます。
スプリットリグの弱点は?

スプリットリグが完全に万能ということはなく、もちろんデメリットもあります。
例えば、スプリットリグとキャロライナリグを比較した場合、キャロライナリグのほうが比重が小さいため、よりスローに攻めたい場合にはキャロライナリグが勝ること。
そして、どうしてもテンションを抜いているときに食われたら、アタリが取りづらくなることもデメリットとしてあげられます。
その際はアタリが分かるのが次のアクションをかけるときになるので、フッキングが遅くなり、掛かったとしても口の横に掛かってしまう可能性が増えてしまいます。
さらにジグ単に比べると前方にシンカーがある分どうやってもアタリ感度が悪くなってしまいます。
ショートバイトが多発するような環境では、やはりジグ単に軍配が上がります。
スプリットリグとジグ単の使い分け

基本的な考え方は常夜灯下や比較的近距離を狙うときはジグ単、沖の潮目やボトムを狙うときはスプリットリグとなります。
ある程度の重さのジグ単なら攻略可能な距離は、アジの反応や潮の動きで様子をみます。
ジグ単では流れが速くポイントからズレてしまうならスプリットリグ。アジの活性は高いがショートバイトが続くようならジグ単。というふうに臨機応変に対応してみましょう。
また、ジグ単はどうしても、重くなるとシンカー部分が大きくなるため、シルエットが頭でっかちになることがあります。
重くした結果シルエットがアンバランスになりそうなら、スプリットリグに変えるという手もあります。
スプリットリグを使った裏技で足元攻略
今までの説明だけ聞くと、足元=ジグ単一択! ……となりそうですが、実はスプリットリグが活躍する場面があるのです。
それは、足場が高い堤防の足元を探る場合です。

この場合、ジグ単だとラインの角度が急になり、ジグ単だと頭をあげた不自然な姿勢になります。
これをあえてスプリットリグにしてみましょう。こうすると、ジグヘッド側はラインの角度が急ではなくなるので、ナチュラルな姿勢を保つことができます。
あくまで裏技程度の話で、王道からは外れますが、攻めのパターンとして覚えておいて損はないでしょう。