軽快なタックルで隙間時間に楽しめるとあって人気上昇中のショアジギング。しかし、いざ現場で実釣となると、不意なトラブルに見舞われたり問題や疑問が湧いたり集中してキャスティングができないことがあります。そこで、よくある問題を取り上げ解決策を記してみました。最初はわからなくて当然。本質を理解して、着実に釣果を伸ばしていきましょう!
- キャスティング編
- 根掛かり編
- アクション・その他編
- サーフで波が高いとうまくジグを操作できません。
- シャクっているとき疲れないコツはありますか?
- テンポ良くシャクるための練習法などあれば教えてください。
- 平たいジグ(スロー用など)引き抵抗が強過ぎてうまくシャクれません。
- メタルジグの上下にフックを付けると頻繁にエビになります。どこが悪いのでしょう?
- ラインに対するスプリットリング&フラットリング(溶接・スナップ)強度選びの基準を教えてください。
- フック選びのコツを教えてください。
- フォール中のアタリが分かりません。コツなどありますか?
- ナブラ打ちをしたときに周りの人はヒットしているのに、自分だけ釣れませんでした。何が悪い?
- 掛かった魚が根に潜ってしまいました。どうすればいいの?
- 魚が掛かってもうまく取り込めません。ネットに入れるコツを教えてください。
キャスティング編

キャスト時にラインがガイドに絡んでライン切れをします。注意点や投げ方のコツは?
力まないキャストを心掛けてください。PEライン対応のロッドガイドなら絡みにくい設計になっているので、トラブルがかなり軽減されているはずです。
そして、キャスト前にラインがたるんでいないかのチェックを怠らないようにしてください。ラインの一部がたるんでいるなどテンションが掛かっていない場合に絡みやすくなります。
キャスト時の注意点は、穂先で投げないように意識することです。バットに力を掛けてラインが常時張るようにしてキャストするといいでしょう。
キャストするとラインがよくダマになります。ダマになりにくくなる方法や上手にほどくコツは?
要因はいくつかありますが、ほとんどが風や天ぷらキャスト(上空に舞い上がるようなミスキャストのこと)でできた、巻き取り時のラインのたるみが原因です。ライン回収時、少しでもテンションが掛かっていない場合、指でラインを摘んで巻き取るようにしてください。
また、ラインをスプールに巻き過ぎてもいけません。スプールのキャパシティいっぱいに巻かないようにしてみてください。若干少なめがいいかと思います。
根掛かり後なども注意してください。根掛かりを外そうとロッドを煽ってラインを引っ張ると、スプールに巻いているラインに食い込んでしまうことがあります。この場合、次のキャストでライン士が絡んだままスプールから出ますので、根掛かり後は軽くキャストしてラインを巻き取り、次にフルキャストしてください。
PEラインは絡んで締まるとほぼ指では解けません。オマツリホドキ(下の商品)など先の尖ったアイテムを持っていると便利です。
キャストのときにノット部分がガイドに当たってバチンと音がする。
FGノットやPRノットなど結び目が小さくなるノット方法で結ぶのがおすすめです。PRノットは少し巻きつけ数を少なくしてもいいですね。
それでもダメなようならば、キャスト時に結び目がロッド内に入らないよう、リーダーを短くしてみてください。その際、狙う魚のサイズよりも短くすると、今度は魚のヒレなどで切れる場合があるので注意してください。
キャストで飛距離を出すコツを教えてください。

ロッドの適合ウエイトと使用しているメタルジグの重量を確認してください。軽すぎても重すぎても、ロッドの反発力をしっかりと使えないのであまり飛びません。
投げ方のコツは、ロッドから出すラインのたらしを長めに取って、キャスト時にしっかりとロッドにルアーの重みを乗せるようにキャストしてみてください。投げにくさ、コントロール性は落ちてしまいますが、遠くに飛ぶようになります。
風が強いとうまくキャストできません。
PEラインは風の影響を受けやすいので、できるだけ受けないようキャストに工夫が必要になります。なるべく低い弾道でルアーをキャストするようにしてください。オーバーハンドキャストではなく、スリークオーター気味(横向き)のキャストが良いでしょう。
風に対しての立ち位置も重要です。ちょっと体の向きを変える、場所を移動するなど考えて投げてみてください。逆に追い風の場合だと、あえて少し山なりになるように投げ、風に乗せると予想以上に飛びます。
フルキャストするとメタルジグが高く上がってしまい、前に飛ばない。
ラインのリリースポイントが早過ぎるのが原因です。適切な場所よりも前に指からラインが離れているのでしょう。しっかり指にラインを掛けて投げるように練習してみてください。
普通に投げると指にラインを軽く掛かけているだけなので、スッポ抜けのような弾道になります。しっかりとラインを指に掛けて、意識的に離すようにしましょう。
まずはリリースポイントを少し遅らせることから始め、いろいろと試してみてください。ロッドとメタルジグの相性でも大きく違いますので、タックルが変わればリリースポイントも変わります。
それと、フライ気味になる人は、ティップでキャストしている人が多いようです。しっかりとバットにメタルジグの重量を乗せるようにしてキャストしてみてください。
根掛かり編
根掛かりしにくくなる方法はありますか?
初回のキャスト時、メタルジグをフォールさせるときにカウントを取ってください。これで大まかな着底タイミングがつかめると思います。そして、次回からは着底後すぐにシャクリ始められるようにしてください。これでボトムタッチ時の根掛かりが軽減できるでしょう。
また、リアフックを付けている場合は思い切ってリアフックを外しましょう。魚の掛かりは犠牲になりますが、メタルジグが次々となくなるよりはよいのではないでしょうか。
ジャークやリトリーブ時も横引きすると根掛かりしやすくなりますので、メタルジグを縦に浮かせるようなイメージでアクションさせてください。スロージグを使っても効果があります。
リアフックをトレブルフック→アシストフックダブル(外向き)→アシストフックダブル(内向き)→シングルフックの順に、根掛かりの確率は減ります。
根掛かりを外す方法を教えて下さい。
では根掛かりを外す代表的な方法をいくつかお伝えします。
ラインを引っ張っては離すを繰り返す
根掛かりで一番やってはいけないのが、強くテンションを掛けてしまうこと。より深く刺さってしまい、まず抜けなくなります。なので、ラインを持ち、軽くテンションを掛けてはパッと離す。これを徐々に強くしてあげてください。反動で外れやすくなります。
方向を変えて引っ張る
根掛かっている場所が自分より右側なら左側へ移動し、ロッドで軽く煽ります。こうして根掛かりポイントから角度を変えることで簡単に外せることがあります。

根掛かり回収機を使う
根掛かりポイントまでの距離が近いときは根掛かり回収機が役に立ちます。ただ、ある程度ラインの角度が必要なので、これでも100%根掛かりが解消できるというわけではありません。ただ、少しでも回収率を上げたいなら持っておいて損ではないでしょう。
根掛かりがどうしても外せなく、ラインを切るときのコツを教えてください。
どうしても根掛かりが外せない場合は、ラインを頑丈な棒などに巻きつけて引っ張ります。運が良ければそれで根掛かりが解消することもあります。少なくともラインの結び目から切れてくれるので、海を汚さずにすみます。
指や手に巻き付けて引っ張るのは怪我の原因になるので、市販のラインブレイカーを使って切ることをおすすめします。持っていなければ、使用済みのラインスプールに輪ゴムを何個も巻いて滑り止めにして使うと代用できます。
どうしても道具がなくて手で引っ張らないと行けないときは、タオルを巻きつけたり、衣服の分厚いを使って引っ張ります。
ロッドを使って引っ張るのは避けましょう。最悪折れます。また、ルアーに対してラインを一直線にして、ロッドを引いて切るのがよくあるセオリーですが、ショアジギングの場合ラインの強度が非常に高いので、ロッドだけではなくリールにも負担が掛かるので、あまりおすすめはしません。
アクション・その他編
サーフで波が高いとうまくジグを操作できません。

基本操作は、波の高い部分の向こう側に投げ、波にラインを取られないようにロッドを立てて、ラインテンションを張り気味にして操作してください。波の波長に合わせて引く感じです。
ただし危険なので波に気をつけて、無理だと判断したらすぐに避難しましょう。
シャクっているとき疲れないコツはありますか?
タックルを見直すべきです。ロッドが硬過ぎ、長過ぎてはいけません。
どうしても重い場合は、ロッドを握る際、リールよりも上を握ると軽く感じます。ラインのテンションが最大になる前に次のジャークを入れるのもコツです。
テンポ良くシャクるための練習法などあれば教えてください。
ロッドの強さ、ルアーの形状、ラインのテンションのバランスが取れていないのかもしれません。ショアジギングロッドは長いので、ノーマルギアのリールだと十分にラインが巻き取れてなく、リズム良くロッドが曲がらない場合もあります。使っているリールが小さいとか、一回転のライン回収量が少ない場合は、ハイギアやリールサイズを変更すると改善される場合があります。
シャクリ方も肘で行うのではなく、手首のスナップを利かせるようにしてみてください。
平たいジグ(スロー用など)引き抵抗が強過ぎてうまくシャクれません。
平たいジグは、元々シャクリ抵抗の大きいメタルジグです。あまり大きくシャクらない方がいいでしょう。軽く小さめにシャクって動く範囲でOKです。
どちらかというとジャークではなく、フォールで食わせるのを意識してください。普段よりも長めのフォールでもいいでしょう。
それでもキツイなら、無理をせずメタルジグを細くするなど形状を変えて少しでもストレスのない釣りに切り替えましょう。
メタルジグの上下にフックを付けると頻繁にエビになります。どこが悪いのでしょう?

スロー系のジグだと前後にフックが付いている商品も多いので、あまりシャクリ過ぎない方がいいでしょう。アクションを大きく激しくしても絡みやすくなります。
また、アシストラインの長さの調整、フォール時のテンションの掛け方でも絡みやすくなります。
どうしても難しい場合は、リアにトレブルフックを付けていたらアシストフックに替えてみてください。もしくは外しましょう。
ラインに対するスプリットリング&フラットリング(溶接・スナップ)強度選びの基準を教えてください。
リング類は、元々付いているものがバランス的にもいいでしょう。強度だけで選んでしまうとかなり小さいものになってしまいます。使いやすそうなサイズ、大きさで良いと思います。というのも、市販のリング・スナップなら堤防から狙うのであれば強度は足りているので問題ないでしょう。メタルジグの動きを考えて、使用するメタルジグのサイズに合わせたスナップを選ぶのが優先です。迷ったら大きめがおすすめです。
ラインに対する適切な強度ということなら、ラインよりもリングの方が少し強度が上になるように選ぶといいでしょう。
フック選びのコツを教えてください。
多くの場合、使用しているフックが小さいことの方が多いようです。そんな方は「これは大き過ぎではないのか」というくらいに大きくしてみてください。最低でも、メタルジグの幅より大きくしてください。大きい方がホールドも良くなるのでバラシも少なくなります。ただし、全体のバランスは変わりますので、アクションの違いがないか、足元で確認しましょう。
フォール中のアタリが分かりません。コツなどありますか?
まずはラインの観察から。「あれ?」と思ったら全てアワせてください。これを何度も繰り返すとラインの動きでアタリかどうか判別できるようになります。
その際、フォール中のラインはフリーではなくテンションフォールかカーブフォールで行ってください。少しでもラインに反応が出るようにするのがアタリを取るコツです。
ナブラ打ちをしたときに周りの人はヒットしているのに、自分だけ釣れませんでした。何が悪い?

釣れなかった原因としては、レンジ、リトリーブスピード、ルアーを通す位置、ルアーの種類と多くありますし、魚種により大きく変わります。しかし他の人が釣れているということは、ルアーを見切られているとは考えにくいので、やはりルアーの操作が大きいでしょう。まずは釣れている人と同じ場所にキャストし、同じリトリーブスピード、レンジを狙いましょう。それでも釣れない場合は、メタルジグの重さ、形状、カラーも揃えてみます。
とにかくナブラは短時間勝負になることが多いので、瞬時の判断力の差が大きく釣果に影響します。なので、早い者勝ちになることもあります。
掛かった魚が根に潜ってしまいました。どうすればいいの?
魚種によりけりですが、根魚の場合、いったんラインを緩めて待ってみましょう。5分くらい待つ場合もあります。ラインを張らず緩めずに待ち、動いたらすぐに引き寄せる状態にしておきます。
竿尻を叩いてラインに衝撃を与え、魚に違和感を与えても出ることがあります。

魚が掛かってもうまく取り込めません。ネットに入れるコツを教えてください。

魚が元気なうちは予想しない行動を取りますので、まずは少し弱らせてからネットインすることを心掛けてください。水面にしっかりと魚を浮かせてからネットを出しましょう。
取り込みの失敗のほとんどが一発ですくえないことです。タモ枠のサイズが大きいほど魚を入れやすくなりますが、その分重量があり操作性が悪くなります。大きな枠を使う場合はできるだけ軽量のタモの柄を選ぶといいでしょう。