シーバス釣りの成功法則 ポイントと季節別の行動パターンを解説

シーバスは水温や塩分濃度への適応力が高く生息環境条件の許容範囲が比較的広い魚種といわれています。

したがって季節ごとの行動は、極端な環境条件を除いてはベイトの動きに左右されることが多く、ポイントを絞り込むなら、季節ごとのベイトの種類や行動範囲を把握しておくのが重要です。

そして、そのエリアの中からシーバスが好む環境条件を絞り込んでいけば精度の高いポイント予測につながっていくことになります。

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春の行動と生息域(3〜5月)

シーバス春夏秋冬

産卵を終えたシーバスが浅場に戻ってくるのが春。南風が吹き始める頃から徐々にその数も増え始め、体力を回復するためにベイトの多いエリアを選びながら回遊を始めます。

体力を回復しきっていない上に水温も低いので俊敏な動きができない早春のシーバスの格好のベイトになるのは、栄養価が高く捕食しやすい甲殻類や小魚、この頃から海中に出て産卵行動をするバチと呼ばれるイソメなどの環状生物です。

これらのベイトは、水温の上昇が周りよりも早い場所、もしくは冬場でも水温が低くなりにくい河口部や港湾部で多く見かけられます。

ベイトたちにとって水温の高さは過ごしやすい環境を提供してくれるだけでなく、エサとなるプランクトンを増やしてくれるという好都合な側面もあります。

さらに、プランクトンの影響による海水の濁りはフィッシュイーターであるシーバスが狩りをする上で好都合な環境条件をも提供してくれるのです。

シーバス

では、プランクトンの発生しやすい、水温が上がりやすくて下がりにくい場所とはどんなところなのでしょうか。

まず、水温が上がりやすいのは、南風に暖められた海水が吹き寄せられる南向きのワンド、太陽光で温まりやすい浅場が広がったエリアなどが挙げられます。

そして水温が低くなりにくいのは、北風が避けられる建物や山などがあるところ、暖められた海水が流れだしにくい湾奥などの閉鎖水域、温排水の流れ込んでいる場所といったところでしょう。

結果、このような条件を多く兼ね備えている場所ほどシーバスが集まる確率が高くなるといえます。

シーバスの産卵がひと段落する3月には、ルアーで狙える各エリアに食欲旺盛なシーバスが大量に入って春のシーズンが本番を迎えます。

水温の上昇に伴い、前述のベイトに加えてカタクチイワシなどの回遊や稚アユの遡上が始まるので、シーバスの行動パターンも広がりを見せ始める時期でもあります。

海水域でイワシを中心とした小魚を狙うシーバスは、サーフや港湾部の潮通しのよいエリアと、稚アユを狙うシーバスは大規模河川の河口域近くのエリアを中心にベイトの動きに合わせた行動をとっています。

どちらにも共通していえるのは、エリアの中にあるベイトが溜まりやすい場所にあるストラクチャーに身を潜めながら獲物を狙っているということです。

夏の行動と生息域(6〜8月)

シーバス春夏秋冬

夏のエリアを考えるならば水温と水質そして雨の影響に目を向けてみましょう。

5月から6月の終わり頃までの水温上昇は、プランクトンの繁殖を促し適度な濁りとそれを捕食する小魚を集めてくれます。

港湾部の広い範囲でイワシを追うシーバスのボイルも頻繁に見られるようになってくるのもこの頃です。

また、大型河川の河口部では遡上する小アユを狙って橋脚やテトラ周りに着いているシーバスが増えてきます。

しかし、気温が30度を超えるような日が続くと、直射日光の影響を受けやすい浅場や水の動きの悪い湾奥では、水中の酸素量が減ってしまい生き物にとって生活しづらい環境となり、増えすぎたプランクトンの影響で赤潮が発生しやすくなります。

こうなると抵抗力の弱い小魚は、快適な場所に移動せざるを得ず、当然これを捕食するシーバスも同様に、高水温になりやすい&水質が悪化しやすいエリアを避けて、快適な水温・水質・酸素量が保たれている場所に着く傾向が出てきます。

シーバス

具体的なエリアとしては、港湾部でも潮通しのよいエリア、大型船舶が入られるような水深のある場所、酸素が溶け込みやすいサーフ、新鮮な水が供給される河口部や河川の中流域といったところになります。

成長したシーバスは淡水への適応能力が高いため、かなり上流であっても、河口から最初の堰までがポイントと考えてよいでしょう。

そんな場所はベイトのアユやオイカワが溜まっている一級ポイントであることが多いです。さらに絞り込んでいくならばシェードを意識しておきましょう。

シーバスの習性として昼夜を問わず、光を避けられる桟橋、係留船、えぐれた岸壁、埠頭などの足下のスリット、橋脚、ブレイクラインなどに身を寄せています。

適度な濁りの入った日ならば日中でもシェードから抜け出してベイトを追い回す姿を見かけることも多く、夏の昼間、ストラクチャーの影にいるシーバスを狙い撃ちするのは定番のテクニックです。

シーバス

雨が降ったら規模の大小にかかわらず河口部や流れ込みに注目しましょう。

雨の影響で上流からベイトやベイトのエサが運ばれるだけでなく、水温を下げ水中の酸素量を増やしてくれる効果があります。

また濁りがシーバスの警戒心を和らげてくれるので、一時的に活性が上がりやすいです。速くなった流れがたるんでベイトが溜まりやすい場所や、濁りの境目などが狙い目になります。

夏の盛りには、沖の深場に移動してしまう個体も多く、沿岸部のシーバスのストック量が減ってくる時期ではあるが、条件のよいエリアには居残ったシーバスが集中してくる季節でもあります。

秋の行動と生息域(9〜11月)

シーバス春夏秋冬

9月になると水温も安定しベイトの豊富な沿岸部にシーバスが集まり始めます。

シーバスは7〜11月に最も成長するといわれており、水温が20度ほどに下がってくると、冬の産卵に向けての栄養補給のため捕食行動が活発化してきます。

いわゆる秋の荒食いシーズンで、ベイトも大型化しておりサイズの大きなルアーが活躍する時期でもあります。

この時期にベイトが豊富なエリアの代表格は質のよい水が入ってくるワンドや河口域の中にある流れの緩やかな場所で、日没後に、落ちアユ、コノシロ、ボラの幼魚、サヨリなどエリア特有のベイトが群れて休息を取るような場所では、大量のシーバスのボイルに遭遇することもあります。

さらに、前述のような1級ポイントではなくても、夜間の常夜灯周りや橋脚といった回遊中のベイトが一時的に溜まるような場所ならば、シーバスに出会える確率は高いです。

しかし、条件が厳しい季節と違ってベイトの回遊も広範囲に及ぶため、かえって的が絞りにくいという側面もあり、条件のよさそうな場所を幾つか回ってシーバスを探すのか、一か所で粘って回遊を待つのか、作戦を立てるのに迷ってしまう時期でもあります。

幾つかの有望エリアを回る作戦なら、そのポイントに見切りをつけるタイミングを考えておきたいです。

シーバス

たとえば目に見える潮の流れが変わってもベイトが見えない、もしくはベイトがいてもシーバスの反応がない場合やここぞというポイントで反応がなかった場合、時間で区切ってしまうのもよいでしょう。

また、秋は台風による大量の雨や風の影響で、一時的にポイントの様子が大きく変化してしまうことが多いです。

こんなときの魚は、影響の少ないエリアに集まる傾向が見られるので、そんなポイントを見つけることがチャンスにつながります。

雨の量が少なければ濁りに強い大規模河川の河口部、多ければ濁りの影響を受けにくい水量の多い深場がある港湾部などが狙い目になります。

秋が深まり冷たい北風が吹き始めると、その影響を受けにくい湾奥などにベイトが集まり始めます。

ただし、表層の冷やされた海水が沈み、深場の酸素量の少ない海水が表層近くに出てくる青潮が発生したときは、極端に活性が下がるのでこのような場所では新しい潮が入りづらく釣りにならないことが多くなってきます。

秋は春と並んでシーバス釣りに適したシーズンですが、ベイトの動向や、水質、水温の変化を見誤ると思うような釣果に恵まれないことも多いです。

冬の行動と生息域(12〜2月)

シーバス春夏秋冬

冬から早春にはシーバスにとっての一大イベントである産卵が行われます。

一般的に12月半ばから1月がその期間とされていますが、地域によるバラつきは大きいようです。南部のほうが北部より産卵期が長い傾向にあります。

シーバスはその産卵期の中から2週間ほどの期間を選んで産卵行動をとり、その間は産卵場所である沖の深場に移動しています。

産卵のために早めに沖に移動する個体や、産卵後もしばらく産卵場所にとどまっている個体も多いので、沿岸部で大型のシーバスを見かけることが少なくなるのもこの時期です。

とはいえ、全ての個体が一度に産卵行動をとるわけではないので、期間の初めなら産卵前の荒食いモードのシーバスが沿岸部に残っているでしょうし、終わりごろなら早めに産卵を終えたものが戻ってきているというように、状態の異なるシーバスが混在している時期も長いです。

どちらもベイトの多いエリアを選んで捕食行動をするのは同じですが、前者の場合は動きの早い大型のベイトを積極的に追い回すだけの体力があります。

シーバス

港湾部の入り口付近や、沖に向かうルートにある岬状の磯場付近で回遊してくるカタクチイワシなどを捕食することが多いです。

対して、後者は水温の安定した港湾内や日中に温まりやすい護岸が整備されている運河などで、容易に捕食できるバチやハゼなど動きの遅いベイトを選んで捕食しています。

この時期は、シーバスの活性も徐々に下がっていく時期なので、それぞれのシーバスの状態でポイントの選定や選択するルアー、アクションの付け方を変えていく必要があるでしょう。

産卵に絡まないシーバスが港湾部などの水深の安定したエリアにいることがあります。その多くは20前後のサイズではあるが積極的にルアーにアタックする元気な個体です。

常時温排水が流れだしている場所や湾奥にある小漁港の常夜灯周りで見かけられます。

小さいものは秋に生まれたアユなどの小魚や、エビなどの甲殻類が主ベイトで、カタクチイワシの回遊が見られるようなエリアでは良型が期待できます。

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