シーバスに食わせるための理論 捕食スイッチと光量

ルアーどころか、ベイトが群れで目の前を通り過ぎてもまったく反応しないシーバスを見かけることもあります。

そうかと思えば、かなり離れたところからものすごい勢いでルアーに飛び付いてくるケースも。この二つの違いは何なのでしょうか?

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捕食スイッチを入れる

シーバス捕食スイッチ
ベイトに似ているから捕食スイッチが入るとは限りません。カラーやアクションがオリジナルと変化しているからこそのバイトもあるのです。

捕食スイッチの一つは勘違い。食べようとしていたベイトに似たルアー(サイズ、カラー、レンジ、泳ぎ方)にバイトする場合です。

考え方としてはシンプルですが、ルアーを使っていると決してそればかりが理由ではないことがすぐに分かるでしょう。

そこで、考えられるのが、「変化と反射」です。

潮の流れ始めで魚が釣れ始めるような場合は、潮が流れに乗って、海中のプランクトンが動き出しその動きが誘いになって、小魚が集まりプランクトンを食べ始めます。

さらにその小魚のイレギュラーな動きが誘いになってシーバスが小魚を追います。

追われた小魚の動きでさらにシーバスの活性が上がりそのエリアのシーバスの活性が上がっていくという図式が考えられように、今まであった状態から何らかの変化が起こったときにスイッチが入ると考えると分かりやすいです。

そこにベイトがいるからバイトするのではなく、そこにいる食べられそうなもののアピールが突然強くなったので、反射的に口を使ってしまい結果それが食餌行動につながっていくという考え方です。

シーバス捕食スイッチ
どうやったらシーバスの捕食スイッチが入るのか? 試行錯誤する時間がルアーフィッシングの楽しい時間です。

ルアーフィッシングでは、さまざまな変化を演出することによって魚のスイッチを入れていくことが要求されるし、それがルアーの楽しさでもあります。

タダ巻きからトゥイッチを入れた瞬間や、リトリーブ速度を変えた途端にバイトしてくることがあるのは、すでに多くのアングラーが実証済みです。

ルアーチェンジでレンジを変えたとき、このレンジだから食ったのではなく、このレンジに変わったから食ってきたとか、泳ぎ方が変わったからとか、カラーについても、赤だから食ってきたのではなく、赤い色に変えたから思わず口を使ってしまったと考えることもできます。

さらにいえば、ルアー同士の変化ではなく、ベイトの動きからルアーの動きや、速さ、レンジ、カラーに変わったことで反射的にバイトしてきたという場合も往々にして経験することです。

問題はその変化の度合いです。変化があればよいといっても極端なものは論外。

シーバス捕食スイッチ
あくまで、シーバスはブラックバスと違い、エサに見せることで口を使わせることが大切です。変化がいるからといって極端なことをすれば釣れるというわけではありません。

基本はそのときシーバスが意識しているベイトで、どの部分をどう変えればシーバスがバイトしてくるのかを探っていくのですが、レンジ、サイズは似せておいて、アクション、カラーから組み立てるのが一般的。

アクションの変化といっても派手なジャークから、引いていたルアーが微妙な水流の変化を受けて揺らぐだけだったりとさまざま、これにスピード、レンジ、コースを加えるとそれだけでも膨大なパターンとなります。

ここで、変化をつける際にもう一つ考えないといけないことがあります。それは「警戒心」です。

この「警戒心」と「反射」のバランスをうまくコントロールすることでバイトに持ち込むことができます。

派手な動きで警戒心を忘れさせることもあるし、ワームやリップレスミノーの波動だけで静かに誘うことが必要なときもあります。

警戒心を忘れさせるのか、刺激しないようにするのかの選択はアングラーの知識と経験次第。

シーバス捕食スイッチ
警戒心を忘れさせるくらいの派手な動きをするか、警戒してても食わせるくらいのナチュラルな演出をするか。それができればランカーサイズも狙えます。

変化の付け方にしても警戒心にしても実際は定番のテクニックやパターンの中から組み合わせていくのです。

低活性のシーバスが口を使う理由は、対象がルアーにしろ、ベイトフィッシュにしろ、今までの状態が何か変化したときに発生していると考えるのが自然で、実際のベイトではないルアーでスイッチを入れるには、プラスアルファの変化を演出してやる必要があるということです。

光量と視界

光量と捕食パターン

シーバス捕食スイッチ
こんなに明るい街中の河川でもシーバスはいます。

一般的にシーバスを狙う場合、日中や明るいとき、潮が澄んでいる場合は、暗いエリアか水深の深い場所を選びます。

逆に夜や暗いとき、濁りがきつい日は外灯や街の明かりが水面まで届くような明るい場所やシャローなどを狙うことが基本となります。

シーバスは明るい潮上から潮が運んでくるベイトを潮下の暗い場所で待ち伏せして捕食する性質があります。

これはスクリーン効果を利用した捕食行動で、映画館で観客席の暗がりから明るいスクリーンはよく見え、逆に明るい舞台の上から暗い観客席は見えないという理屈を使いターゲットを捕食します。

光量とステイする深度

シーバス捕食スイッチ

シーバスはベイトを捕食するためにシビアに光量を選びます。暗くなれば明るい場所か浅い場所に移動し、明るすぎれば深場か暗がりに身を潜めます。

小型が好む光量と大型が好む光量は大きな差があり、大型ほど警戒心からなのか少ない光量を好む傾向があります。この性質の最も解かりやすい例が外灯によって橋脚などが作り出すシェードです。

外灯により作りだされる橋の下の影で、やや上流の明るい場所にルアーをキャストして明暗の境目をトレースすると、橋脚の下の影の部分からバイトしてきます。

シーバス捕食スイッチ

濁りが入っていない場合に特に有効な明暗部を利用したパターンです。また、クリアウォーターではシーバスの警戒心が強いことが多く、アピールを抑えたサイレントモデルのルアーが効果的なことが多いです。

光量とシーバスの深度にも密接な関係があり、水深のある垂直なストラクチャーの際にタイトに着き、待ち伏せに入ったシーバスがステイする水深を左右する要素となります。

明るければ捕食しやすい最適な光量まで潜り、水中に差し込む光量が少なくなると水面を意識し始めシーバスは活発に捕食行動にでます。

濁りが生み出す捕食パターン

シーバス捕食スイッチ

日中でも強い濁りは最適な光量と影を得られスクリーン効果を生み出します。

水深によって出来た明暗を使い、深い場所から浅い場所を見上げれば明るい頭上を通過するベイトをシーバスは暗い側から容易に発見することができるでしょう。

他にも、港湾の先端部で澄んだ外洋の潮が湾内に流れ込む場合、濁りの入った湾内の巻き返し部分で海水が混ざらないことがありますが、この際にも明暗部のパターンが成立します。

シーバスは湾内の濁りのある潮から澄んだ外洋の潮に乗って湾内に入るベイトを捕食します。シーバスにとって濁りの境目で生じる明暗はベイトを捕食しやすい条件となります。

シーバス捕食スイッチ

また、回遊型のシーバスは透明度が高いときよりも低いときの方が浅い岸際を回遊し、ストラクチャーに付くシーバスはポジションが浅くなり、よりワイドにベイトを追いかけるようになります。

適度な濁りはシーバスの警戒心を和らげ、視認性を下げるため、ルアーを追い足下まで来て反転することが減るので、ルアーへのアタックも増えます。

濁りがある場合はルアーの存在をシーバスに教えるためにラトルなどのサウンドによるアピールも有効となります。

もちろん潮の濁りだけで全てが決まるわけではなく、さまざまな要因があるので、まずはルアーをキャストして反応をみることが一番わかりやすいです。

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