大分県佐伯市の沖合は、根魚、マダイ、青物の魚影が濃いエリアで、スロージギングからハイピッチジャークのジギング、そしてタイラバまで、幅広い釣りが展開されている。
さまざまなパターンが楽しめるだけに、タックルのチョイスには悩むところで、求められていたのは汎用性の高いライトジギングロッド。
マルチに使えるZENITH/ZEROSHIKI Liberator(ゼロシキ リベレーター)の登場は、船に持ち込むロッドの本数を少なくしたいアングラーにとっては朗報に違いない。
異なる釣り方に同じロッド

大分県佐伯市の佐伯港フェリー乗り場から出船する遊漁船・Sプレジャーの緒方裕次郎船長は、ZENITH・okumaのフィールドテスターとして多くのメディアに登場するオフショアフィッシングのエキスパート。
そんな緒方船長からライトジギングの指南を受けようとやって来たのは、瀬戸内エリアをホームグラウンドとし、ショアからのライトゲームで実績を重ねてきた山口県在住のZENITH・okumaフィールドテスター・國廣勇吾さんだった。

最初に向かった水深100mのポイントで、國廣さんがチャレンジするのは150gのインチクを使ったタダ引きの釣り。一方、サポート役を務める緒方さんは200gのロングジグをチョイス。
片面だけにボリュームを持たせたアシンメトリー設計のジグの持ち味であるフォール時のヒラヒラとした動きが引き出せるよう、アシストフックは前後にダブルでセットする。
インチクやタイラバといったタダ引きの釣りには、ファーストテーパーのロッドとロープロファイルのベイトリールという組み合わせがマッチする。
逆にスロージギンにはスローテーパーのロッドとジギング用のリールの組み合わせが一般的だが、二人が使用するのは同じゼロシキ リベレーターのベイトモデルZL-B68ML。


「リベレーターはファーストアクションがもたらす操作性の高さが持ち味で、スロージギングを行う場合は小さいアクションでジグが動くので、楽に釣りができます」という緒方さん。
レバードラグを採用する本格ジギングリールokuma のCAVALLA(カバラ)5N-Ⅱとの組み合わせなら不意の大物にも安心して対応できる。
國廣さんのZL-B68MLにはokuma のロープロファイルベイトリールMULTI STRIKER Vをセットした。
タックル

ロッド:ZENITH/ZEROSHIKI Liberator ZL-B68ML
リール:okuma/CAVALLA 5N-Ⅱ

ロッド:ZENITH/ZEROSHIKI Liberator ZL-S68ML
リール:okuma/Ceymar CB 5000XA
インチク&スロージギング

「100mから80mまでのカケアガリになっています。大きな瀬があるポイントで根掛かりしやすいのですが、カサゴやハタ類がよくアタってくる場所ですよ。ボトムメインで狙ってもいいのですが、マダイがヒットする可能性もあるので10mぐらい上まで探った方がいいでしょう」
その言葉にうなずいた國廣さんにさっそくヒット。ハリに掛かった魚はアヤメカサゴだった。
「ボトムからハンドル10回転ぐらいでアタってきました。インチクを使うのもアヤメカサゴを見るのも初めてだから感動しますね」
その後も國廣さんはコンスタントにアタリをキャッチしてアヤメカサゴを連発。


緒方さんはシャクり上げたジグを一気に引ったくる大きなバイトを捉えたが、残念ながらこれはフックアウトとなってしまった。
「アヤメカサゴに対してはロングジグよりもインチクの方が有効ですが、あまり釣り過ぎてもしかたないですよね」


國廣さんがCAVALLA5N-ⅡをセットしたZL-B68Mに持ち替え、150gのスロージギング用ジグをシャクり始めると、これまでとは明らかに違う大きなアタリに遭遇。
走らないので青物ではなさそうだが、しっかりと竿を曲げてファイトを楽しんでいる。
CAVALLA5N-Ⅱは2スピードのギアを搭載。巻き上げ力が欲しいときはワンタッチでギア比を落とせるので、大型魚相手のファイトも余裕を持って展開できるが、そこまでの必要はなさそうだ。
「ボトムからある程度シャクリ上げてきて、フォールさせていたらズドンときました」というのがヒットパターンで、獲物の姿が海面に浮かび上がった瞬間に驚きの声が上がる。

「カイワリだ!」


どんな魚がアタってくるか分からないのがスロージギングの魅力。そのことを再確認できる釣果となった。


オフショアゲームの初心者とは思えないほど抜群のセンスを見せる國廣さんは、良型のチカメキントキとウッカリカサゴを追加。
このタイミングで下げ潮が動きだしたので、大きくポイントを移動することにした。
ハイピッチジャークで攻める

南から入ってきているウネリが予想以上に大きかったため、緒方さんがチョイスしたのは湾内のエリアだった。
「ヤズ(ブリの幼魚)がいるポイントだから、スピニングタックルを使ってハイピッチジャークで狙ってみましょう」


ここで國廣さんが手にしたロッドはリベレーターZL-S68ML。
リールはokuma のCeymar(セイマー)CB5000XA、PEラインは2号、リーダーは10号という組み合わせで、150gのセミロングジグをシャクる。
「水深90mに対して下から20~30mまでシャクり上げてくるパターンで狙っています。セイマーCBは1巻き約1m(105㎝)なので、シャクっていてレンジを把握しやすいですよね」
開始直後は、ややリズムを外したリーリングも見られたが、すぐにハイピッチジャークのコツをつかむ國廣さん。
「思ったほど潮が動いていないから、速いアクションからの止めを意識した方がいいですよ」という緒方さんのアドバイスを取り入れながら、青物とのガチンコファイトを心待ちにする。
突然ガツンとアタってきた獲物に対し、何度も追いアワセを入れてやり取りを開始した國廣さん。


「ヒットしたのはボトムから10巻きぐらいで、じゃれてくるようなアタリ方でした。これはたぶんヤズですよね?」
國廣さんが取り込んだ2㎏級のヤズを速やかにリリースしたのと同時に、緒方さんがリベレーターZL-S68MLを大きく曲げてファイトを開始。
「けっこうシャクり上げて、止めた瞬間にヒットしたから、これもたぶんヤズでしょう。このロッドはけっこう軟らかいので、1㎏クラスのヤズが相手でも1匹1匹とのファイトを楽しめますよ」

緒方さんのジグを襲ってきた相手はヤズではなく、海面に浮かび上がったのは60㎝級のマダイ。この意外性こそがライトジギングの魅力といえるだろう。

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