「タイラバはテクニックが要らない釣りである」と多くのアングラーが語るところですが、それでも釣れないことはあるもの。
相手は自然なので、どうしても偶然はあるけれど、偶然以外に食うための理論があり、それを知らない人の中には必然的に釣れない可能性が生まれてしまいます。
そんな釣れないときに何を見直せばよいのかを知っておきましょう。
タナは合っているか?

タイラバにかぎらず釣りで重要になるのがタナです。いくらテクニック不要の釣りといっても魚のいないところに仕掛けがあっても意味がありません。
特に、マダイは青物と違ってそこまで泳ぎが得意ではありません。多少のズレは問題ありませんが、2〜5mタナを外したらまず釣れません。
「そんな数mなんて大きく外れることはないでしょ」と思うかもしれませんが、案外そうでもありません。
なぜならアングラーはラインを出した量でタナを確認するのに対して、魚群探知機は直線距離でタナを測るからです。

ラインが出ている距離=水深というのは大きな間違い。実際には潮流により、斜めに出ているため、水深より数m上にタイラバがあるはずです。
また、PEラインは潮に流されやすいラインです。潮に流されて糸フケが出ていると、その分タイラバはさらに上にあるはず。この点はタイラバを重くすれば糸フケが出にくくなるのである程度は解消できます。
周りが釣れているのに、自分にだけアタリがない場合、タナを外している可能性を考え、誘うレンジを見直してみましょう。
巻き速度は適切か?

ルアー釣りで共通して重要視される巻き速度。無論タイラバでも同じことがいえます。
巻き速度については釣れている人からアドバイスをもらうなど解決策は割と簡単なのですが、実はここに落とし穴があります。
リールにはギア比というものがあります。これはハンドルを1回転した場合どのくらい巻けるかを表したものですが、リールが違えばギア比も違う可能性があります。
また、ギア比が同じであっても、スプールに巻かれた糸の量により、1回転あたりに巻ける距離には若干の誤差が生まれます。

さらに、人間には個人差があります。「1秒に1回転のスピードで巻くと釣れるよ!」といわれても必ず微妙なズレが生じます。
それらの微妙なズレが積み重なって、実際の速度は大きく違うということも考えられます。
ある程度巻き速度を正確に合わせるには電動リールやカウンター付きリールの機能を使うとよいでしょう。
もし持っていなければアタリがある速度を自分なりに調整してみましょう。釣りに明確な正解はありません。自分で考え微調整することが釣果につながるのです。
アワセができていない

アタリがあるけれどフッキングできない。という場合は、アタリにあわててアワせてしまっている可能性があります。
マダイは、前アタリというものがあり、要するにフックではなくタイラバのスカート部分を突っついていることがあります。
これに「来たっ!」と勘違いしてアワせてしまうことは初心者あるあるです。
マダイの場合、特にアワセは必要不可欠ではなく、いわゆる乗せの釣りになることが多いです。アタリがきても慌てず、同じ速度で巻き続けてみるというのが基本になります。
ちなみに掛けのタイラバなどいくつかの例外があるのですが、それはある程度うまくなってから考えてみると良いでしょう。
ファイトは意外と地味

マダイといえば魚の女王と呼ばれることもある魚です。しかし、そんなタイラバのファイトは大型青物と比べると案外と地味です。
まず、ファイト時にポンピングは厳禁。かえってバラしてしまう原因になります。
ロッドは立てず、一定の速度でゆっくり巻きます。船の揺れに合わせてラインのテンションを一定にし、無理に巻き上げようとせず、走るときは走らせてやればOK。
そうしていれば次第にマダイは疲れて、浮いてくるはずです。
もちろん、そのためにはドラグ設定はきっちりやっておきましょう。どのくらいに設定すればいいかわからないときは船長にアドバイスを求めると良いでしょう。