釣ってよし、食べてよしの夜焚きイカ 基本仕掛け

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夏の海を照らす漁火

真夏の夜の海、沖に浮かぶ眩いばかりの光が海面を明るく照らす。

北部九州・山口から日本海側で盛んに行われているのが「夜焚きイカ」です。

光を煌々と焚いてイカを寄せることで、数釣りを楽しめます。

夜焚きイカは、沖で船に煌々と明かりを灯しイカを寄せて狙うイカゲームです。ターゲットとなるのはツツイカ(地方呼びでヤリイカ、ケンサキイカ、スルメイカの総称)で、その中でもイカの王様と称されるケンサキイカがメインターゲットとなります。また、関東エリアの太平洋側ではムラサキイカを狙っての釣行が主流です。

胴突きが基本の仕掛け

釣り方は胴突きスッテ仕掛けを使うのが基本となっています。1本のハリスに5〜7本程度の浮きスッテをセットするのがポピュラー。ポイントとなる海域の水深や潮流によっても変わってきますが、オモリは100号が基準になっている場合が多いです。オマツリを防ぐために、仕掛けの長さやエダスの数、オモリの重さなどは各船で決められている場合もあるので、事前に利用する遊漁船や釣具店に確認したほうがよいでしょう。

エリアによっても異なってきますが、日本海側ではスッテを使うのが主流です。

ロッドは鉛負荷が範囲内に入っているものを選べばよく、ジギングロッドなどでも代用は可能です。ただ、長さに気を付けたいところです。エダスを多くとった仕掛けは、当然長くなるので短いロッドでは扱いにくくなります。夜炊きイカは手返しが釣果を大きく左右するので、回収から再投入がモタモタしてしまうような組み合わせはよろしくありません。ロッドの長さに見合ったエダスの数の仕掛けを選ぶようにしましょう。

ラインはPE3〜4号を使います。リールは電動を使っている人が多い傾向にあります。手返しをアップするためにはやはり電動が有利です。電動リールを持っていない人でこれから船釣りにいろいろと挑戦してみたいのなら検討する価値はあるといえます。

効率良く数を上げる

船長からタナの指示があれば、そこを重点的に狙いますが、なければまず底を取って下層から攻めていくのがセオリーです。特に初夏のころやまだ周囲が明るい時間帯など、イカは底ベッタリにいる可能性が高いので底層を中心に攻めていきます。

誘い方の基本は、底取りして軽く底を切ったらロッドを大きく2〜3回煽りそのまましばらく待ちます。潮流や船の揺れで放っておいてもスッテが動き誘いとなりますが、様子を見ながらときどきロッドを煽ってアピールするとよいでしょう。何度か誘いを掛けても反応が得られない場合は、少しずつタナを上げていきます。

いかに効率良く、手返しを早くできるかが、この釣りのポイントとなります。

また、超低速で巻き上げるのも効果的です。この釣法では電動リールがその真価を発揮します。底を切ったら、後はダイヤルを遅いスピードにセットするだけです。イカが反応する速さはそのときどきで異なってくるのでスピードはいろいろと試してみるとよいでしょう。基本は遅いほうから徐々に速くしていきます。

電動タックルの場合、ロッドホルダーで船べりに固定して使うので両手はフリーです。特に時合いでは仕掛けを回収してイカを取り込んだら直ぐさま仕掛けを再投入。底を切ってスイッチオン! その後でゆっくりと取り込んだイカの処置をできるのです。

ロッドを固定している場合はアタリは竿先で見ます。ただし、イカが乗ったようだからと直ぐに回収するのは得策ではありません。2ハイ目、3ハイ目が付くようにしばらくそのままにしておくか、反応があったタナ付近は低速で巻き上げ誘いながら回収します。

光が灯って何時間か経つとイカが浮いてくる場合も多いです。その場合はアタリのあったタナを集中的に狙うようにします。

取り込んだイカは、とりあえずその場の床に落とすか海水を張ったバケツやバッカンの中に入れます。このときに上のスッテに掛かっているイカから外して、そのまま船べりの所定の場所に順番に並べていきます。再投入の際にスムーズにスッテが落ちていくように並べておくことが大切です。

この作業をいかに素早くできるかどうかが手返しアップのキーポイントとなります。仕掛けを絡ませたりしてしまうと大幅な時間のロスとなるし、慌てるとスッテで怪我をしてしまうこともあるので焦らず丁寧な作業を心がけましょう。

スッテは順番に船ベリに並べていきましょう。

釣った後が大切

取り込んだイカをどうやって持ち帰るか、というのもこの釣りの重要なポイントです。調子が良ければ3ケタも夢ではありません。釣った後、どのようにして持ち帰るかで最高級とされるイカの風味が大きく変わってしまいます。

まず、クーラーボックスは50ℓクラスを持っていきたいところです。3ケタを狙うならこのクラスが必要となります。そして、ポピュラーなのはトロ箱をクーラーボックスに重ねて入れる方法です。

イカの保管で大切なことは

1. よく冷やすこと

2. イカ同士を直接重ねない

3. 真水にさらさない

保冷はもちろん鮮度を保つ上で重要なことです。またイカの胴体に圧力が掛かると内臓が潰れて全体がスミまみれになってしまうので、多くを重ねないようにしなくてはいけません。さらに真水にさらすと浸透圧の影響で水が身に入り大幅に味が落ちるので注意しましょう。

クーラーボックスにトロ箱を入れた状態。

トロ箱を使用すればこれらのことを一挙に解決できます。取り込んだイカはできれば絞めてトロ箱に並べていきます。イカを絞めるのは簡単です。イカ絞め用具を使って目の少し上を刺します。上向きに刺せば胴が締まり、下向きに刺せば足が絞まります。絞まれば色が白色透明に変化するので分かりやすいです。

クーラーボックスには底に氷を敷き詰めてその上にトロ箱を重ねていきます。トロ箱はクーラーボックスにジャストサイズで入るものを選びましょう。

傘用のビニール袋も手軽で便利です。

傘用のビニール袋を使うのもポピュラーです。イカを1パイ1パイビニールに入れクーラーボックスに入れます。潰れるのは避けられませんが、氷が溶けた真水に触れることなく、帰ったらそのまま冷凍庫で保存できます。

釣って楽しい、食べて美味しい、配っても喜ばれるイカ。さあ、頑張って3ケタ釣果を目指しましょう。

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