釣り人なら何度も経験するトラブル、根掛かり。障害物やカケアガリ、藻など引っ掛かりそうなものの近くにターゲットがいる以上避けては通れない問題です。
魚を愛する釣り人としては、なるべくフィールドは汚したくないものです。根掛かりの外し方をマスターして回収率をあげましょう。
絶対NG! 最初から強く引っ張る

根掛かりは最初の対処が重要とされています。根掛かり回収に失敗する多くは、引っ掛かったと慌てて苛立ち強く引いてしまうこと。あるいはアタリと勘違いして強くアワせてしまうなどがあります。
後者は経験者でもありうるミスなので仕方のないことですが、前者は絶対に避けたいところです。
なぜなら最初から強く引っ張ってしまうと、フックが強く障害物に食い込んでしまい、さらに抜けなくなってしまうからです。
またロッドで無理やり引っ張れば、最悪ロッドやリールが壊れてしまうこともあるのでやめましょう。
このあと紹介しますが、ラインを強く引っ張る行為はラインブレイクもやむなしの場合の最終手段です。根掛かりとわかったら、一旦テンションを緩めましょう。
状況を確認してみよう

根掛かりの初期対応で大切なのは、何に引っ掛かっているか状況を確認することです。
岩、木、海藻、どれに引っ掛かっているのか、できればどのように引っ掛かっているのか想像できるならなおよし。
ルアー本体が岩の間に引っ掛かっているのか、海藻にフックが掛かってしまったのか、ラインはどこかに擦れていないか、冷静に分析してみましょう。
この状況確認は、ラインを手にとって判断するのが良いでしょう。ロッドやリールを通して伝わる感触よりダイレクトに水の中の状況を伝えてくれます。
例えば海藻に捕まっているなら、海藻はゆらゆらと潮に流れるわけだから、ラインが引っ張られるような感触が感じられるはず。
岩などに掛かっているなら、流されることなく、ゴツゴツとした感触が伝わってきます。
回収率が低くなるのは、海藻や船のロープに引っ掛かった時。特に船のロープに引っ掛かれば漁師が怪我をする原因にもなるので、ロープ近くでの釣りは避けましょう。
ラインを揺する

海藻などの柔らかいものではなく、岩などの鉱物ならラインを持って軽く揺するだけで外れることもあります。
特にフローティングミノーなどの浮くタイプのルアーは浮力で上に力が働くので、これだけで外れることがあります。
メタルジグやシンキングタイプのルアーは外れたとしても、そのまま放っておいたり、普通に巻こうとすると、また別のところに引っ掛かることが多々あります。
なので、特にシンキングタイプのルアーは根掛かりを外したらロッドを最大限に上げて巻き上げ、まずは根掛かり地帯から脱出しましょう。
ラインを弾く

ラインを揺すっても取れないということは、それだけの力では外れないということ。なのでラインテンションを若干掛けて、弦を弾くように動かしてみましょう。
これを外れるまで繰り返すのですが、弾く力は最初は弱く、徐々に強くしていきます。
うまく行けば、この衝撃でルアーは後方に下がり、根掛かりが外れます。

また、このとき立ち位置を変えることで、より根掛かりを外しやすくなることがあります。状況確認のときに伝わってきた感覚から今のルアーの状況を推理し色々試してみましょう。
ラインの弾き方はラインをつまみながら弾くのですが、より強く弾く場合は指の代わりにリールのベイルを閉じて、ラインテンションを掛け、ベイルを起こし一気にラインを放出します。
もちろん、これでリールを壊したり、ロッドを折ったら本末転倒なので、あくまで軽い力で行いましょう。
最終手段 引き抜く

今までの方法で根掛かりを回収できなかったら、ルアーロストの覚悟を決めましょう。
このときロッドを曲げて負荷を掛けるのはNG。タックルの故障率が上がってしまいます。
言うまでもありませんが、ラインをハサミで切ってもダメです。大量のラインが海に残り、海鳥や魚に釣り糸が引っ掛かることで、重大な環境問題を引き起こしてしまいます。
ラインを持って、引き抜くように真っすぐ引っ張ります。ただし、ナイロンやフロロならまだしも、PEの場合はラインを直接持って引き抜くと怪我の原因になります。
木の棒などに巻き付けて引き抜くか、ラインブレイカーを利用しましょう。うまくいけばフックが曲がるか、海藻がちぎれるなどの被害だけで済むこともあるでしょう。

また、根掛かりした場所がある程度近距離なら、根掛かり回収機を使う方法もあります。専用で発売されているものを利用してもよいのですが、ナスオモリ10〜30号を使うことで代用することもできます。
根掛かりを外してもただでは起きない
根掛かりが外れたからといって「はぁーよかったー!」で終わるのは非常にもったいないです。せっかく貴重な海底の情報を手にしたのだから、釣りに活かさない手はありません。
海底の障害物をうまく利用すれば釣れる可能性はさらに上がるし、根掛かりを回避する重大なヒントになります。もちろん、別の釣りに活かすこともできます。
釣りは知識を得ることで釣果を大きく伸ばすことができます。転んでもただでは起きない気持ちが、最終的な釣果につながるのです。