エサに似せた造形物にフックを組み合わせたもの、これがルアーの基本だ。ルアーフィッシングと言わず、全ての釣りにおいてフックは魚との接点となる最重要アイテムだと言える。
しかし、毎回自分でハリを選んでセットするエサ釣りと異なり、標準でフックが装着されているパターンが多いルアーフィッシングではフックへこだわっているアングラーは少ないように感じてしまう。
また、フックの選び方が分からないという人も少なくはない。
フックの種類

ルアーフィッシングでは、釣り方やセットするルアーに合わせていくつかのフックが存在しており、まずはフックポイントの数の違いによってシングルフック、ダブルフック、トレブル(トリプル)フック、クワトロフックなどに分けられる。
この中で普段よく目にするのがシングルフックとトレブルフックだろう。ダブルフックはボトム攻略用のルアーで根掛かり低減のために使われることがある。
クワトロフックはタチウオジギング用と思ってよいだろう。

シングルフックはアシストラインが装着されたアシストフックとして主にラインアップされており、メタルジグにセットされる。
また、アシストフックを自作する人のために、フック単体も用意されており、この場合、アシストラインを結び付けるところが輪になっているカン付きとフラットになっている平打ちタイプに別れる。

カン付きタイプの方がアシストラインを取り付けるのが簡単で強度も出しやすい。平打ちタイプはアシストラインの取り付けに多少工程が必要となるが、価格が安いというメリットがある。
カン付きタイプにはアシストラインを介さずにスプリットリングでルアーに直接セットできるものもある。
そのタイプはカンの向きがアシストフック用と90度異なっており、ペンシルなどのプラグに装備するために使われている。また、ワームをセットするためのオフセットフックなどもある。

トレブルフックはさまざまなルアーに幅広く採用されている。
単純にフッキング率というもので考えれば、フックポイント(ハリ先)の多いものの方が有利となり、シングルフックよりもトレブルフックの方がフッキングしやすくなるというメリットがある。
しかし掛かりやすくなるということは同時に根掛かりやライン絡みも多くなりがちだ。また、フックポイントが多いとフッキングの際に力が分散されてしまうので掛かりが浅くなりやすい。
対してシングルフックでは1本のフックポイントに力が集中するため、深く刺さりやすいという特徴がある。

フックポイントの向きやベンドの形状によってフックの特性が大きく変わってくる。
フックポイントはシャンクに対して平行となっているストレート形状のものが、ラインからの力が伝わりやすく、ベンドまでしっかりと刺さりやすい。
外向きのものはハリ掛かりしやすいが同時に根掛かりなどもしやすくなる。内向きのものは掛かりは若干悪くなるが、掛かったときにバレにくいという性質がある。

ベントの形状はAのように外向きに開いたラウンド形状のものは掛かりやすく、Bのように外側に急なアールがつけられたものは掛かりはAよりも劣るがバレにくいという性質がある。
フックサイズの選び方
フックは主にターゲットのパワーに合わせてサイズを選ぶが、同時に使用するタックルを考慮する必要がある。
同じサイズの魚を視野に入れた場合でも、重量のあるルアーをフルキャストすることが前提のショアジギングロッドやキャスティングロッドなどはパワーが非常に強い。
細軸のフックでは伸びたり破断したりする可能性が高くなる。一方、タイラバロッドやSLJロッドはしなやかに曲がることで魚のパワーを吸収する。
太軸のフックを使うとアワセを入れてもロッドが曲がるだけで、魚の口を貫通させることができずにフッキングが甘くなるケースも多い。
メタルジグにアシストフックを合わせる場合、アシストラインの長さとフックの幅を使用するメタルジグに合わせることも必要だ。
メタルジグの形状によってもかなり変わってくるが、アシストラインを含めたフック全体の長さがメタルジグの1/3〜1/2程度になるようにしたい。

また、フックとメタルジグの幅が同程度だとフックとジグが絡みやすくなってしまう。フックが頻繁にボディに絡むようであればフックサイズを変えた方がよい。
大きくする場合も小さくする場合もある。
トレブルフックの場合、ルアーに装着されていたものと同じもの、もしくはメーカーが推奨しているサイズを装着するというのが基本だ。
ミノーやペンシルなどのスイムアクションを重視したプラグではフックの重量が変わるとルアーアクションに影響してしまう。
トレブルフックが標準装備されているルアーでは、メーカーがアクションと強度のバランスを考えベストのものを選んでいるので、サイズの違うフックを装着することは避けた方が無難だ。