「魚がどこにいるのか」を考える最短ルートは、ベイトがどこにいるのかを考えることです。
対象の魚がどんなものを捕食しているのかは、ターゲットによっても変わってきますので、ここでは主にベイトとなるエサの種類と行動パターンを整理してみましょう。
プランクトン

多くの釣りは、このプランクトンを起点にしてターゲットの居場所を予測していくパターンが有効です。
なぜなら、プランクトンがいる場所には、それを捕食する小魚がいて、その小魚を捕食するフィッシュイーターが存在するといった食物連鎖が発生する可能性が高いからです。
多くの釣れるとされる場所は、このプランクトンが溜まりやすい場所にあります。
ではプランクトンが溜まる場所はどこなのかといえば、ズバリ流れが溜まる場所。もっとわかりやすくいえば流れが変化する場所のことです。
例えばカケアガリと呼ばれるポイント。海底で急激な坂になっている場所を指すのですが、この坂が流れを変化させ、プランクトンを巻き上げ、それを食べに小魚が寄るわけです。
こういった流れが変化する地形や障害物は海のいたるところに存在します。
ベイトフィッシュ
フィッシュイーターと呼ばれる捕食者たちが好むエサは、主にベイトフィッシュと呼ばれ、どのルアーを選ぶかの選択肢として重要視されています。
特にシーバスは偏食性が強い魚なので、捕食しているエサのパターンを把握することが非常に重要です。
では捕食対象となる魚は何なのか。代表例をリストにしてみましょう。




○イワシ
○アユ
○キビナゴ
この3種類がベイトフィッシュの代表例で、特にイワシは大半のフィッシュイーターの好物とされ、多くのルアーにイワシパターンのカラーが存在します。
共通する特徴は細身で捕食しやすいこと。
同じベイトフィッシュにアジが挙げられますが、ゼイゴという硬いウロコで身を守っているとされています。同じように身を守る機能を備えているベイトはたくさんいます。
それでも捕食されるときは食べられてしまうのですが……。

他にも、コノシロ、サヨリ、イナッコ(ボラ)、キスなどがベイトフィッシュの代表例として挙げられます。
当然、捕食可能であればどの魚も捕食対象になり、幼魚なども含めると全てをパターン化はできませんが、基本は代表例のパターンが多いようです。
鳥はベイトセンサー

前述したとおりプランクトンがベイトフィッシュの見つけ方において最重要になるのは間違いありません。
しかし、何もフィッシュイーターたちがプランクトンを捕食しにきたイワシのみをターゲットにするわけではありません。
特にイワシは回遊性の魚です。複数の群れで生活しているので、プランクトンと関係なくフィッシュイーターが捕食する可能性も十分ありえます。

そんなベイトを見つける方法ですが、その一つに「鳥山」というものが存在します。
これはベイトフィッシュが表層などに上がってきており、上空から鳥たちがよってたかって襲いかかる様子のことです。
小魚が鳥に襲われるリスクを犯してまで表層に出てくる理由は主に2つ。表層に浮いているプランクトンを食べたいか、下から捕食者たちに追い回されているか。
どちらにせよ、アングラーたちにとっては絶好のチャンスといえるでしょう。
ただ、鳥が高い位置に存在している場合は捕食できそうな小魚を探している途中。あるいは狙いを定めている最中なので、一旦様子を見てみましょう。
まずはルアーを通してみよう

どうしてもベイトがいるかわからない、という場合はとにかくルアーを投げてみましょう。
これは釣るためというより、探すためという理由です。バイブレーションなどのアピール力が強いルアーがこういったときに役に立ちます。
このように広い範囲を探るのに優秀なルアーをサーチベイトと呼びます。

そうやってルアーを通していると、時々ベイトフィッシュがスレ掛かりすることがあります。それは今フィッシュイーターが何を食べているのかという大ヒントともいえます。
まずはカラーやサイズを合わせて狙ってみましょう。ときには少し大きめのルアーを使って目立たせたり、活性が悪いときは食べやすいように小型にする作戦もよいでしょう。
その他のベイト

ルアーには指定された形がないため、さまざまなエサを演出することができます。
プランクトン、小魚はもちろんですが、多毛類(ゴカイなど)、甲殻類(カニ)など、ターゲットに合わせた形が研究されています。
狙う場所の考え方自体はエサによってさまざまですが、ざっくりいえば多毛類は遊泳力がないためプランクトンと同じように流れの先を狙ったり、カニなどの場合、岩陰やカケアガリを丹念に探ったりします。
詳しくは対象魚ごとに狙い方を研究していくとよいでしょう。