カンパチのショアジギングは、8月から9月がベストシーズンです。黒潮に乗って回遊し、小魚を追いかけるためルアー釣りの好ターゲットとなっている。
特にこの時期、小型ではなるが陸からでもよく釣れるため、人気が急上昇する魚種だ。
好条件となる場所は、海底が起伏に富んだ地形や、潮が効いている場所が有望となる。
ブリ、ヒラマサと並び大型化する人気の青物であるカンパチ。小型は群れで行動し、港湾部や地磯など比較的身近な場所で狙うことが可能である。
釣れる場所と時期

カンパチは暖水域を好む南方系の青物で、西日本や太平洋側でよく釣れる魚だ。日本海側では海流の影響で暖かい潮が寄れば沿岸部を回遊し、岸から狙えるようになる。
釣り期は地域によってまちまちだが、水温が高まる春から秋にかけてがハイシーズンである。
ブリやヒラマサと同様、1〜2㎏の幼魚期には多数の群れで小魚を追いながら広く回遊する。成長するとともに群れの規模が徐々に小さくなり、海底の起伏に富む場所などで根に着く傾向が強くなっていく。


沿岸部で数を狙うなら小魚を追う群れを探るようにし、型を求める場合は沖堤防や外海に面した地磯など水深のある場所で根周りを攻めるのが効率的だ。
群れを狙うには小魚が溜まりやすい場所を目指す。接岸するカンパチはイワシやキビナゴ、小型のアジなどを捕食するからそれらが寄る地磯やサーフが狙い目となる。
ときには漁港周辺でも釣れるから広く探ってみよう。
パワーのあるタックルで挑もう

カンパチは青物の中でも特に引きが強い。おまけに良型は底付近でヒットするケースが多いため強引なファイトを強いられる場合がよくある。
ロッドは10ft以上のショアジギング用、リールは3000〜4000番のスピニングリールで臨みたい。メインラインはPE1.5〜2.5号。その先に根ズレ対策となるリーダーとしてフロロカーボンライン5〜8号を2〜3ヒロ取っておく。
根ズレする心配がなければリーダーはナイロンラインでも構わない。ナイロンだとキャスト時にラインがガイドに絡むなどのトラブルが少なく、魚が突っ込んだときの衝撃を和らげる効果がある。
なお、ルアーは広く探れるメタルジグが定番で、浅い層を攻めるときは30gまでがベター。深場や流れの強い場所では60g前後を使用する。
狙い方はナブラ撃ちと底狙い

魚食魚が水面付近で小魚を活発に捕食し、激しく波立つことがしばしばある。それを狙い撃つのをナブラ撃ちと呼ぶ。
最盛期にはこの現象がルアーの射程内で起こることが多々あり、ナブラ撃ちは青物を効率的に手にする方法の最たる例である。
だが、ナブラはいつどこで発生するか分からない。ナブラ撃ちを成立させるには常に周囲に目をやり、海面の変化を意識しておくことが大切だ。
ときに小魚の群れが近くに寄ってくることがある。だからといってそこをむやみに攻めると、本命ターゲットがつく前に散らしてしまいかねない。
判断は難しいが、ナブラが頻発しているときは小魚の群れに遭遇してもすぐには狙わず、水面が激しく波立つまで待つ方がよいときもあるのだ。

根に着く良型を狙うには底を叩くようにルアーを沈めながら攻める「フォール主体の探り」が効果的。
ルアーは40〜60gのスロージギング用メタルジグ。着底後、リールのハンドルを素早く5〜7回巻いて浮かせ、再び沈めるのを繰り返す。
ルアー任せに沈めるとメタルジグが水平姿勢でフォールし、その際に引っ手繰るようなアタリが出る。ヒットしたら根に巻かれないようロッドを立てて巻く。