数ある青物の中でも「スプリンター」と呼ばれるほど引きが強いヒラマサ。この大型青物の自己ベストを超えるチャンスの季節。それが春の「春マサ」シーズンです。
海中に引きずりこまれそうなほどの、パワフルなファイトを体感してみましょう!
春マサシーズンとは

ヒラマサの産卵時期は4〜7月とされています。この時期になると産卵のため体力をつけなければならず、エサの多い浅場に入ってきて捕食を始めます。
その時期がおよそ3〜5月ごろで、このシーズンのことをアングラーたちは「春マサ」と呼んでいます。
ちなみに、ヒラマサのシーズンは産卵後の体力回復のために荒食いする「夏マサ」、冬を越すために体力をつける「秋マサ」のシーズンがあります。
ヒラマサを狙える条件
ヒラマサは回遊魚です。そのため、まずは回遊してこなければ話になりません。とりあえずネットや釣具店での情報集めから始めましょう。
釣り場は磯、サーフ、堤防などさまざま。ベイトがいるかどうかで回遊してくるかどうかも変わってくるので、常にアンテナを張って情報を集めていきましょう。
釣り場が決まったら、次は細かいポイントです。ヒラマサがいるポイントの条件には以下のものがあげられます。

1:潮通しが良い
潮目ができやすい場所でなければ、エサも酸素量も少なくなります。潮通しの良いエリアはヒラマサの必須条件です。
2:地形変化の多い場所
カケアガリやストラクチャーがメインのステージとなります。ヒラマサはフィッシュイーターなので、小魚が捕食しやすい場所に潜んでいます。
3:水温18〜24℃
ヒラマサの適水温になります。20℃を超えるとさらに良い状態です。水温はどうしても地域差が発生するので、天気予報サイトなどでチェックしてみましょう。

これだけ条件が揃えば、ヒラマサが釣れる可能性がグンと上がります。
ちなみに、ヒラマサはかなり浅場までエサを追いかけてくる魚です。水深が1mのところでも容赦なくベイトを追いかけ回すので、浅い場所に潮目ができていてもまずは投げてみましょう。
ヒラマサの2大ルアーゲーム
ヒラマサのルアー釣りは主に「キャスティング(プラッギング)」と呼ばれるプラグで狙う釣りと、「ジギング」というメタルジグで狙う釣り方があります。
どちらも岸、オフショア関係なく人気の釣りです。
キャスティング(プラッギング)

主力のルアーは大型のダイビングペンシル。フローティングタイプでロッドを強く引くことによって浮いているルアーを深く潜らせ、激しくアクションさせます。
水面から顔だけを出したように浮き、ロッドを軽く振り上げて刀を振り下ろすような動作で一気にラインテンションを掛けて引きます。
この動作を繰り返し、捕食者から慌てて逃げるベイトを演出します。海のスプリンターはそんな哀れなベイトに容赦なく食いついてくるわけです。


コツはアクションにメリハリを効かせること。変に力加減をすると見切られますし、あまり強く引きすぎても今度はルアーが海面から飛び出してしまいます。
他にもポッパーと呼ばれるスプラッシュを発生させて魚を誘うルアーやダイビングと違い沈ませるタイプのシンキングペンシルなどがよく使われます。
ショアジギング

ヒラマサ狙いの場合、主なメタルジグのサイズは60〜80g、沖磯など潮の流れが激しい場所は80〜120gを主力として使います。
イミテートするベイトによっても変わりますが、最初のうちは引き抵抗の少ない細身のメタルジグをチョイスしましょう。
基本となる動きはワンピッチワンジャーク。ただ、ヒラマサは動きが速い魚です。なので、速い動きに好反応を示してくれます。

ロッドの振り幅を短くしても、できるだけ速いピッチでシャクっていくほうがバイトの確率を上げてくれるでしょう。
また、根に付きやすい魚なのでボトム付近でヒットしてくることが多いです。ボトムタッチから最初のシャクリは突然のアタリに対応できるように集中しておきましょう。
遠くにあるベイトでも一気に間を詰めて襲いかかってくるので、油断禁物。ボトムタッチから高速巻き上げも効果的です。
大物に備えよう

ヒラマサは10㎏(オフショアも含めれば20㎏)を超えるモンスター級もいるだけにその引きは豪快です。そのために、ドラグ設定はしっかりしておきたいです。
ドラグは2〜3㎏程度に設定しておけば大物がきてもライン管理をしっかりしておけば切られることはないでしょう。
また、足場の良い場所は確保しておきたいです。特に磯場はふんばりの効かない場所に立っていたら危険です。もちろん磯靴は必須です。
ファイトはロッドのパワーが最大限に生かされる場所。当然ロッド選びも重要です。大型ヒラマサを取り込めるパワーのあるロッドをチョイスします。
堤防やゴロタならミディアムヘビー(MH)以上、磯ではヘビー(H)以上が良いでしょう。