ハゼ釣りを成功させる要因は、潮の流れと使用するエサ。ハゼは川底を移動しながらエサを探しているので、エサが底に着くように心がける。
ハゼ釣りの一般的な方法は、リールを使わないノベ竿を使用したウキ釣りや、リールを使ったチョイ投げ釣り。
ウキ釣りのコツは、水深に合わせてウキの位置をこまめに調整すること。チョイ投げ釣りはテンポ良く広範囲を探り、釣れる場所を集中的に狙うことだ。
ハゼを釣りやすい時間帯は、夕方の満潮を迎える前の数時間。地域差はあるものの、おおよそ午後2時から午後5時ごろとなる。
ルアー釣りでは、ハゼクランクという釣り方の人気が上がっている。
シーズン初期である初秋は数釣りができるので、釣りが始めての人でももおすすめできる時期だ。
食味も抜群で淡白な白身は、味を引き上げてくれる唐揚げや天ぷらにすると非常に美味である。
ポイントと釣れる時期

だれでも簡単に釣ることができる手軽な魚といえば、昔からハゼと決まっている。
ハゼの寿命は基本的に1年で、夏が近づくころから小型が大挙して浅場へやってきて、お盆を過ぎたころには良型が釣れるようになる。
10月以降、水温が低下傾向になると徐々に深場へと移動するが、落ちハゼと呼ばれる大型は初冬の産卵期を迎えるまで狙うことができる。
ハゼが好む場所は河口や湾内の砂泥地で、汽水域にまで入ってくるため住宅地の周辺でも釣ることができる。
水が澄んでいる場所なら橋の上からその姿が見えるほど浅場に入ってくるが、外洋に面している砂浜ではあまり釣れない。
ハゼが釣れる場所は毎年ほぼ同じなので、過去の釣果実績を参考にするとよいだろう。

釣り場の新規開拓にチャレンジするのなら、流入する水路の水門の周辺や漁港の中など、好ポイントとなりやすいエリアからチェックしてみよう。
居ればアタってくるはずなので、数投して反応がなければ移動というパターンでOK。干潮時に地形の変化をチェックしておけば、さらに狙いどころを絞ることができる。
ほとんどの魚にとって時合となるのはまづめ時だが、ハゼに関しては日中でも問題なく釣れる。
それよりも重要なのは潮位の変化で、上げ潮のタイミングで高活性の大型が岸際へ寄ってくるのが8~9月のパターン。
河口の釣り場では下げ潮になると潮の流れに川の流れが加わって一気に釣りづらくなるので、満潮前の2~3時間に集中して釣ろう。
エサ釣りで狙う ミャク釣り

使用するのは袖バリで、市販のハゼ用仕掛けも多数用意されている。ハリのサイズは釣れるハゼが小さければ4~5号、15㎝以上になれば6~7号。
ハリスは0.6~1号が一般的だが、太いハリスでもさほど食いに影響はないようだ。
ハリは2本の方がエサの存在をアピールできるが、根掛かりが多い釣り場では1本バリの仕掛けがおすすめ。


エサはアオケブで、タラシの長さは活性が高いときは1㎝ 以内に、食いが渋くなったら2㎝ ほどにする。虫エサが苦手という人は人工のイソメ(ワーム)を使ってもよいだろう。
ミャク釣りには渓流竿や万能竿を流用。ハゼが岸近くにいる秋口なら3.6mより短い竿で楽しむこともできる。
仕掛け投入点の近くにハゼが居ればすぐにアタリが出るはずだが、アタリがなければツケエを少しずつ動かして誘いをかけるとよい。
アタリが出たら積極的にアワセを入れた方がハリ掛かりしやすく、乗らなかったら追い食いしてくるのを待つ。エサはボロボロになっても食ってくる。
エサ釣りで狙う ウキ釣り&チョイ投げ

ハゼはミャク釣り以外にもウキ釣りやチョイ投げで狙うことができる。
ウキ釣りの場合はエサが底を擦るようにウキ下を調整。オモリで底を取るミャク釣りでは目印の動きを見てアタリを取る。
チョイ投げで狙う場合は、安価なコンパクトロッドでも問題なく釣ることができるが、感度に優れるルアーロッドとPEライン、軽めのシンカーを使えば、より多くのアタリをキャッチすることができる。
タックルセッティングの一例は7ftクラスのアジングタックルに、PEライン0.4~0.6号の組み合わせ。3~5gのシンカーでキャロライナリグを組むパターン。
フロロカーボン2号のリーダーに袖バリを結べばよい。
ルアーで狙う ハゼクランク

クランクベイトでハゼを釣るゲームフィッシングがハゼクラ。
この釣り方で狙うのは水深1m未満の浅場に入ってきたハゼで、クランクベイトのリップでボトムの砂を巻き上げさせることでハゼの興味を引く。
水が濁っていない晴れた日という好条件であれば、バイトシーンを目視することができるだろう。
ハゼはクランクベイトを後ろから狙って、その場から追い払おうとしているようにも見えるが、クランクベイト(が演じている魚)が食べているエサを横取りする行動ではないかという説もある。
この釣りはクランクベイトのリップがボトムにタッチしないことには成立しないが、牡蠣殻の付いた護岸などで急潜行させると根掛かるので要注意。
この場合はボトムタッチを察知したところでリーリングを止める。ロッドを横方向にサビいていく要領で、ルアーがボトムから離れない程度のスローな引き方をマスターしたい。

釣り場の水深に対してルアーの潜行能力が不足気味の場合は、板オモリを貼るという手もあるが、やはり何種類かのルアーを用意しておく方が得策だろう。
ロッドやリール、ラインやリーダーは、わざわざハゼクランク専用のものを用意しなくてもメバリング用やトラウト用などが流用可能。
飛距離はそれほど求められない釣りなので、穴釣り用のグラスロッドと1000番クラスのスピニングリールの組み合わせでもチャレンジできる。
ルアー感覚で、なおかつ確実にハゼを釣りたいなら、ジグヘッドにムシエサという組み合わせや、ハゼ用スプーンにムシエサという組み合わせで狙ってみても面白い。
どちらもリグを着底させて、ズル引きをするか、スローにタダ巻きが基本的な釣り方となる。ストップ&ゴーを入れてもよいだろう。