水中観察で見えてくるエギングテクニック

エギは海上からもその動きを確認することが比較的容易だ。しかし、実際の水中ではどう見えるのだろう。

そんな疑問を解決すべく、水中撮影を行なってみた。水中で見た様子、注意点を解説していこう。

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海底の状況

エギの水中映像

海底の状況は30〜70㎝の藻と30〜40㎝のゴロタ石が散在する場所だったが、青々とした藻と枯藻の境界線でエギを見失うことが多かった。

また、当日は天候に恵まれたが、時折薄い雲に阻まれることもあり、その瞬間、水深2〜3mの浅場でも驚くほど視界が悪くなる。

エギの色を選定するとき、海水の透明度や天候などを手がかりに考えてしまいがちだが、藻場の状況や砂地の色、もっといえば太陽が厚い雲に覆われているか否かまで考慮すれば、ヒットする確率はより高まるといえそうだ。

沈降

エギの水中映像
着底はふわっとする感じ。テールが上がっているので根掛かりを防いでいた。

エギには、沈降姿勢や速度にこだわったものが多い。陸上から海中に沈むエギを見た場合、上からの視点のみで横から見ることはできない。

これを横から見たところ(各エギごとに姿勢の差はあるだろうが)、海上から見ている感じよりも角度がきついという印象だった。

フリーフォールでは急角度の姿勢を保ち、斜め前にかなりの速度で沈んでいく。この角度がきついほど移動距離が短いため、ピンポイントに速くエギを届けたいときに効果的だと思える。

逆に沈降角度が浅い・沈降速度が遅いエギは、売り文句通り広範囲を狙うのに適している。

しかし、潮流が速い場合、想像以上にエギが流されるため、ボトムに着底する時間はさらに長くなる傾向にあるので、注意が必要だろう。

そして驚いたのがフリーフォール時の沈む速さ。カメラで追うのがせいいっぱいという感じだった。

視界

撮影当日の海中はにごり気味だったが、これは当日に限ったことではない。比較的透明度がある海水に見えても、実際に潜ってみると視界が悪いことが多い。

まして堤防などではさらに視界が悪く、人間の目ではっきりと物が確認できるのは1〜2mといったところ。例えると、自分の目の前をエギが横切ったとする。その速度はエギをシャクる速度だ。

わかりづらいなら、携帯電話を持ち、エギをシャクる速度で自分の目の前を動かしてみるとよい。

海中では空気中よりも1/10くらいにしか視界が得られないため、それくらいの視認しかないと思ってもいいだろう。

エギの水中映像

こんなに速くエギが横切るとイカは視認できないのではないかというくらい見えないのだ。だが、エギを鋭いシャクリや速い動きをさせても、イカは乗ってくる。

この理由は、イカの視力や機敏さがずば抜けて良いわけではなく、シルエットとして物を判断する能力と、イカの広い視野があるからだ。

詳しい解説は割愛するが、人間が空中で見えているように、イカは水中でエギを見ているということは確かだろう。

しかし、イカがいくら機動性に優れているとはいえ、鋭いシャクリ速度に追いつけるほど速くは泳げない。

シャクリでアピールしてフォールやステイで食わせるというエギングの基本動作は、これで裏付けすることができた。

フォール

エギの水中映像
テンションフォールの様子。エギがきれいに横向きになることが確認できた。これならある程度沈下速度を抑えることができるだろう。

最近は水平フォールやテンションフォールなどが流行としてあるが、残念ながらイカがエギを捕える瞬間を撮影することができなかったため、立証はできなかった。

しかし、前述の「思ったよりもエギは速く沈む」ということを考えれば、ときにはゆっくりと沈ませてアピールしたり、食わせのタイミングを作ることは重要となるだろう。

根掛かり

エギの水中映像

エギングにつきものである根掛かり。故意にではなく実際に根掛かりした様子を撮影することができた。

海上の釣り人は、ロッドを絞り込んで引いたり、上下に振って外そうと試みたが、ガッチリと根掛かりしたようでエギが外れなかった。

そこで、海中に潜って様子を確認。下の写真で見るようにカンナ部に海藻がちょっと掛かっているような状態であった。

エギの水中映像
釣り人からガッツリ掛かったように感じても、案外カンナが挟まっているだけだったりする。

釣り人からのイメージでは、岩にガッチリと掛かった感触だったが、実際にはゆらゆらと動いている海藻に掛かっているだけだったことは驚きだ。

さらに、ダイバーがエギを外したときの感想は、「あっけなく外れた」であった。エギのハリにはカエシがついていないので、単純に後ろに引くだけで外れたそうだ。

海藻に刺さっているという感じではなく、単に挟まっているだけだったとか。

これを根掛かりを外す際のイメージとすれば、ぐっとラインを張ってテンションをかけ、パッと離せばエギが後進して外れる可能性があるということになる。

ダイバーに絡むライン
撮影したダイバーからはラインが見えなかったそうで、何度も体にラインが絡むというトラブルも。ラインの進化が伺い知れる。
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