釣りのターゲットはさまざまで、自分のお気に入りのターゲットを狙って、釣りを楽しんでいます。その中でも高い人気を獲得しているのがイカ類です。
最も人気のアオリイカは、ルアー釣りではエギという疑似餌を使うためエギングと呼ばれています。数あるルアー釣りの中で、1、2を争うアングラーの多さを誇ります。
エギングのシーズン

エビ(や魚)を模倣したエギでは、さまざまな種類のイカを狙うことができますが、メインターゲットとなるのはアオリイカです。
エリアによってはミズイカやモイカなどとも呼ばれています。
アオリイカはほぼ一年を通して狙うこともできますが、ベストシーズンは春と秋となっており、春は大型狙い、秋は小型の数釣りとなります。
ボートからの釣りも人気です。
エギングタックル

ロッドはエギング専用モデルが一番。これが1本あれば、他の釣りにも流用できるので、最初に購入するルアーロッドとしてもおすすめです。
エギングロッドの特徴は、長さが7〜8ft程度で、軽快にロッドを振ってエギにアクションが与えられる仕様となっています。
ラインはPEラインの0.4〜0.8号程度をチョイスします。細い方が潮の影響を受けにくく、エギの姿勢が安定しやすくなります。迷ったら0.6号がおすすめです。
接続するリーダーは、感度が高いフロロカーボンの3号が標準的です。エギを沈めやすく、PEラインとリーダーの接続はFGノットで結びましょう。難しければ電車結びでも問題ありません。
リールは、使用するラインが100〜150m巻けるものを選べばよいでしょう。番手でいうと2500番がスタンダードです。

エギはサイズとカラーが豊富にラインアップされています。
サイズは1.5〜5号があり、数字が大きい方がエギのサイズも大きくなります。釣れるイカのサイズによって使い分けるのが基本です。
春の大型が狙えるシーズンには3.5〜4号といった大きめのサイズ、秋の小イカシーズンは2〜2.5号といった小さめのサイズをチョイスします。標準は3.5号になります。
最初の1本として選ぶのなら、3〜3.5号あたりが万能で使いやすいでしょう。
カラーは、オレンジ、ピンク、ライムグリーンといったところが人気も実績も高いようです。
エギとリーダーを接続するのにはスナップを使うのが一般的。エギの交換が素早く行える他、エギのアクションを妨げにくくなります。
海藻が狙い目

アオリイカは、堤防や磯、サーフなどさまざまな場所で狙うことができるますが、最もポピュラーなのは港湾部の堤防や岸壁です。
近場で気軽に楽しめるというのもエギング人気の要因だといえるでしょう。その中の潮通しの良いところというのが狙い目となります。
遊泳力の弱いプランクトンは潮流に流され運ばれます。そのため、潮通しの良い場所にはプランクトンをエサとしている小魚や小エビ、さらにそれらを捕食しているイワシやアジなどが集まるため、アオリイカも集まりやすいのです。
そのような潮通しの良い堤防や岸壁でアオリイカが潜んでいる可能性が高いのは、いわゆるストラクチャーと呼ばれる「身を隠すための何かがある場所」です。
アオリイカは成長しても、常に外敵から襲われる危険をはらんでいます。そのため、物陰に潜んでいることが多いのです。
ストラクチャーとなるものには、海底の沈み根や地形変化、テトラ、敷石、海藻などが挙げられます。また、堤防自体が大きなストラクチャーです。つまり足元に潜んでいることも多いのです。

これらのストラクチャーの中で一番有望視できるのが海藻です。アマモが生えているような場所は期待度が高くなります。
アオリイカはこのアマモに卵を産み付けます。そのためアマモが多く生えているような場所はエギングのA級ポイントとなります。
海藻は陸上からは見えない場合もありますが、エギを投入すれば引っ掛かるので判断できます。
もちろん、根掛かりでエギをロストしてしまう可能性もありますが、逆に全く引っ掛かるものがないような場所にはアオリイカがいる確率は低いと考えてよいでしょう。
また、アオリイカは魚ほど遊泳力が高くありません。そのため、潮流の速い場所では釣れにくい傾向にあります。

潮流の速い場所ではエギが流されやすく、釣りがやりづらくなってしまいます。
ベイトの有無も重要で、気配が全く感じられないような場所では釣れる確率は低くなってしまうので、そういった場所は早めに見切りを付けてポイントを移動した方がよいでしょう。
アオリイカのポイントで、一番分かりやすい目印はスミ跡です。スミ跡が多くあるような場所はイカが釣れている証拠。また、スミ跡は新しいものの方が信頼性が高くなります。

ナイトゲームが有利
釣りをする上で、どのようなターゲットでも、朝・夕のまづめ時というのはチャンスタイム。アオリイカも例外ではなく、デイゲームでエギングを楽しむのなら、この時合は外せません。
また、アオリイカはナイトゲームも熱い!
周囲が暗くなり、周りから自分の姿が見えにくくなると、アオリイカは活発に捕食行動を開始します。つまり活性が高くなるのです。
また、ナイトゲームではポイントが絞りやすいというのも釣りやすくなる要因です。常夜灯周りも丁寧に探って行きましょう。

エギングの基本アクション
最初のうちはキャスティングの精度はあまり気にしないでよいです。
もちろん、藻場の際などを狙い撃ちするような場合はキャストコントロールは重要となってきますが、目の前にまっすぐと投げるだけでも十分釣れます。
流れがある場合は隣の人の邪魔にならない程度に潮上へキャストします。着水に関しては、あまり気を配る必要はないですが、どの辺りに落ちたかは確認しておきたいです。

エギが着水したらそのままラインを放出してエギを海底までフォールさせボトムタッチさせます。
フォールはラインにテンションをかけないフリーフォールが基本ですが、このときライン放出の抵抗にならない程度にスプールに軽く指を当てるか、軽くラインをつまむなどして、ラインを出しっ放しにしないように注意しましょう。
これは不必要にラインが出過ぎるの防ぐのと、ボトムタッチを分かりやすくするために必要なことです。このボトムタッチが、慣れない人にとっては最初の難関。
エギがボトムタッチしたサインはラインを通して指元へと伝わってくるのだが、よほど水深が浅かったり、潮流が緩い状態でないと、明確には分かりづらいです。
しかし、これは慣れるしかありません。ラインの放出の変化に神経を集中させ、放出が止まったり、遅くなったりする瞬間を見逃さないようにしましょう。
エギがボトムタッチしたらシャクってエギを跳ね上げ、アオリイカへアピールします。

ラインのテンションが抜けている状態から、ロッドのティップを一気に10時の方向くらいまで上げます。手首のスナップを使って軽快に跳ね上げるイメージで行うとよいでしょう。
2〜3回シャクったら、再びフォールさせてボトムタッチさせます。このシャクリがエギングの要となるので、この動作は確実にマスターしましょう。
再びエギがボトムタッチしたら、ステイさせます。このとき、ラインにテンションが掛かると海底でエギの姿勢が変わってしまうので、ラインのテンションが抜けた状態で、海底に放っておきます。
時間は状況によってさまざま。20秒程度でもよい場合もあるし、3分くらい放っておいた方が良い場合もあります。
エギに興味を持ったイカが、エギを抱くための「間」となるため、じっくり時間を掛けた方がよい傾向にあります。
ただし、流れがあるような場所ではエギが流され、根掛かりの原因となるので、あまり長いステイは避けた方が無難です。
エギを海底でステイさせたら、再び、シャクリ、フォール、ボトムタッチ、ステイを繰り返します。
アオリイカは堤防の根元に潜んでいることも多いです。足元までしっかりと探ってからエギを回収し、再びキャストとなります。
アオリイカのアタリは魚と違って繊細なことが多いです。エギをステイさせた後、シャクってみたらズッシリとイカが乗っていた、というパターンで釣れることも多いです。
ステイの際、ラインのテンションは抜いておかなければならないですが、ラインスラックが多すぎるのもよくありません。

ラインは張らず・緩めず程度に保っておくと、イカがエギに触れたときにラインにその反応があらわれます。
ほんの少し緩んでいたラインがピンと張ったらイカのアタリである可能性が高のですかさずアワセを入れましょう。
アワセはシャープに行いたいですが、強いアワセは厳禁。イカは身が柔らかいため、身切れしてしまうことがあります。
身切れを防ぐ方法として、ドラグを緩めに設定するというのがセオリー。エギをシャクったときに、一瞬だけ「ジッ」とドラグ音が鳴る程度がよいでしょう。
ランディング

イカが乗ったら、ラインのテンションを抜かないようにリールのハンドルを回してゆっくりと引き寄せます。
当然イカもジェット噴射で抵抗しますが、根に突っ込むようなことはないので、慎重にゆっくりと引き寄せましょう。
足元まで寄せたら、余裕がありそうならイカがどのようにエギに掛かっているか確認しましょう。
しっかりと足を巻きつけ、エギを抱いているのなら、バレる確率は低いので、抜き上げられる場合は抜き上げた方が確実。
しかし、足1本に掛かっているような状況では身切れの可能性があるため、タモやギャフでとりこみましょう。
岸に上げたら、スミを吐かれる可能性が高いので、注意しながらエギを外しましょう。