ラインの選び方と特性を知りたい
エギングで使用されるラインはPEが一般的。耐久性があり強度も高く、伸縮がほとんどないからです。このためエギにアクションを付けやすく、アタリも取りやすくなります。
PE以外のラインを使うことも可能ですが、使用するラインの特性を理解しておきましょう。

PEライン
材質は超高分子ポリエチレン。これを何本か編み込んだものがPEラインです。繊維方向には飛躍的な強さを誇るが、反対方向には弱いです。このため編み込んで補強しています。
吸水性や劣化も少ないですが、染色が落ちたり擦れてケバ立つことがあります。水よりも比重が小さいため沈みにくく、コシが弱いのが難点で、絡まったりダマになりやすいです。
ナイロンライン
ある程度コシがあり、ラインを捌きやすく絡みにくい利点がありますが、紫外線により劣化するのと、30〜40%伸びやすい素材です。
PEラインがあまり出回っていなかった時代は、ナイロンラインの4号前後を使うことが多かったのですが、ナイロンラインは伸びるので、遠投した場合シャクリを大きくしないとエギがあまり動きませんでした。
また、アタリも取りにくいので、エギをキビキビ動かして繊細なアタリを取る最近のエギングとは少し違うスタイルでした。
フロロカーボンライン
3種の中で一番摩擦(根ズレ)に強い素材です。
エギングではリーダーとして使用されています。フロロカーボンは伸びが少なく感度も良いのですが、素材が硬いのでスピニングリールではライントラブルに注意したいところです。
強度的には3号くらいは必要です。海用のベイトキャスティングタックルでの使用に向いています。
ラインの色は釣果と関係ある?

アオリイカがラインを識別する実験データはありませんが、イカは視力が良いとされています。
メインラインをPE以外にして直結するときは見えづらい色をチョイスするほうが良いでしょう。
PEを使う場合は、リーダーが必須となるため、少し事情が変わります。リーダーラインは海中では透明で見えづらいようになっているのでメインラインの色をカバーしてくれるのです。
そのためリーダーラインをセットする場合、メインラインは何色を使用してもそれほど気にする必要はないでしょう。
ラインを見ながら釣ることも多いエギングでは、視認性が高いカラーのPEラインを選ぶ人が多いです。夜間では特にホワイト系が好まれるようです。
ラインの太さは?
エギングではPEラインの0.6〜0.8号を使い、細いほど使いやすいとされています。これは風の影響や、海水の流れを受けにくいからです。
エギに余計な負荷を与えず、エギ本来の動きで狙うことが可能なことと、アクションやアタリを取りやすくなります。
しかしPEラインの場合、細いほど絡みやすくなる弱点があるため、使い慣れていないとトラブル続きになることがあります。
最近のPEはそのあたりも考えられて改善されてきていますが、ナイロンと比べるとどうしてもライントラブルのリスクは多くなってしまいます。
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ラインは最低何m必要?
ショアからのエギングで50mを超えて使用することはほとんどありません。このため、リールに巻けるスプールのサイズにもよりますが、最低でも100mは巻いておけば大丈夫でしょう。
できればラインブレイクなどに備えて、予備のラインも持参しておくとよいですね。
シーバス用や船用のPEラインでもOK?
別の釣り向けのラインも使えます。
しかし、○○用と書いてあるように、その釣り方に合わせた加工を施してある場合もあり、他の釣りに流用すると使いづらいタイプもあります。
エギングの場合は竿先に絡みにくくするため、若干硬く設定されているものが多いようです。
PEラインがすぐに絡んでしまう

PE対応のロッドを使用することや、リールを浅溝タイプにすることで軽減できますが、まったく絡まなくなる方法はありません。
注意することは、余分なスラックを作らないことです。スプールに巻かれたラインが緩んでいると、キャスト時に塊になって出てしまうし、無駄なスラックを作るとロッドに絡んでしまいます。
こういった余分を無くすことが、トラブル回避の秘訣です。
PEラインが高いのはなぜ?
流通量が他のラインに比べて少ないことと、生産コストが高いため、ナイロンラインなどに比べて高価になっています。
しかし、他のラインよりもはるかに耐久性があるため、長期間の使用が可能です。これを差し引くと同等の金額くらいになります。
さらに長持ちさせるために、専用のメンテナンススプレーを吹き付けたり、一定期間使用したラインを引き出し、逆から巻き直すのも有効です。
最近は企業努力もあり、金額設定の低い商品も多く売られるようになっています。

PEライン用スプレーって何?
PEラインに吹きつけて、ライン表面をフッ素の膜でコーティングし、放出時のガイドやスプールとの摩擦負荷を軽減することにより、飛距離を伸ばせるだけでなくライン自体の寿命を延ばすこともできます。
フッ素コーティング剤は釣具用に限らずさまざまなものが発売されていますが、釣具専用に開発されているものは有機溶剤を含んでいないのでラインを痛めることはありません。
PEラインの交換頻度は?
ラインの表面が荒れてきたら交換のサインです。ラインの強度も落ちている証拠なので、早めの交換が必要です。
ただし先端付近だけの場合は、その部分だけ切り捨てればよいです。ラインが短くなってスプールに引っ掛かるようであれば、新しいラインを購入することです。
リーダーは何号が目安?

エギングのリーダーは1.5号〜2号までのものが使われることが多いです。
大型のエギを投げたり、根ズレによるラインの痛みが激しい地磯での釣行は、2〜3号を使います。
エギの動きをナチュラルに演出したい場合は、1.2〜1.5号を使用すればよいでしょう。
リーダーの長さは?
メインラインと直結して使用するため、キャスト時に結び目が引っ掛からないように長さを調節します。
エギングロッドのガイドは比較的大きく設定されているのであまり気にしなくてよいのですが、リールに巻き込んだラインに結び目があると、スプールからラインが出て行くときに引っ掛かりやすくなります。
このため、リーダーラインの長さはエギをキャストする際に、スプールに結び目が巻き込まないくらいの長さとなります。
具体的には1ヒロ(1.5m)ほどが目安で、あえて短く60㎝で使う人もいます。