「釣り人は細かいことを気にするな」と言わずに、まずはカウンターの存在自体を認めて欲しい。これを使えば、マーキングなしのラインだってお構いなしに使えるのだ。
カウンターの必要性

デジタルカウンターが付いた小型リールが登場したのは、それほど昔ではない。ことPEラインをメインに使用する現在においては、PEラインの配色によりおおまかな水深を知ることが可能だ。このため、カウンター付きリールが必要と感じるアングラーは多くない。
カウンター自体は、ラインの通りを測るアナログカウンターから始まり現在に至るから、正確な水深や食ってきたレンジを知り、ストイックな釣りを楽しむ人はそれなりにいるといえよう。
では現在の釣りにおいてはどうだろうか。船では船長が水深や魚が居るレンジを教えてくれるから、アングラー自身はそれを加味して狙えばよい。ルアー釣りの場合は絶えずルアーを上下させて幅広いレンジを狙うから、多少のズレはあまり気にすることはない。船長がボトムから10mと指示すれば、ボトム〜20mくらいまでを中心に狙うという具合だ。

エサ釣りではメートルではなくヒロ(両手を横に広げた長さで約1.5m)で水深を知らせる船長もいる。手釣りの場合は、両手を広げながら計算して仕掛けを落としていくのであるが、人により1ヒロの長さが違ってしまう。通常ならそれほど気にすることはないが、水深が深くなるほど差が大きくなり、釣れる人、釣れない人の差も大きく出てしまっていた。
これが等間隔で配色されたPEラインとリールを使うようになり、正確に狙うことができるようになった。さらに電動リールを使うことで10ヒロと指示が出れば、釣り人は10×1.5m=15mと計算してカウンターを刻むだけで設定が楽になった。

言い換えれば、魚探に正確に出る魚の反応を船長が経験と勘を加味してレンジ(層)をアングラーに指示し、それを限りなく正確に狙うことで、より釣果を得られるようになったということである。だから、現代の釣りにおいて、魚が居るレンジというのは実際に魚が泳いでいる場所であり、正確に狙うことで確実に魚が食ってくるのだ。
このことを考えれば、どちらにせよ水深を知ることは必要であるから、ラインで水深を知るか、より正確で楽なカウンターで知るか、釣り人次第ということになる。
カウンター付きリールの主な機能

水深を知る
これがメインの機能。ラインが出た量を測るのではなく、スプールの回転によってカウントするタイプが一般的。
ライン号数調整機能
スプールにラインを巻かないときと、スプールいっぱいに巻いたときでは、スプール1回転のラインの長さが大きく異なる。また、号数が太いほどそれは変化も大きいから、単純にスプール1回転で長さは決められない。これを、ラインの太さなどに合わせた設定にすることにより、カウンターの計算値が変えられる機能。リールのスプールに巻いたライン号数に合わせた正確なライン放出量が分かる。
下巻きラインアシスト機能
不足するラインの量を別のラインで下巻きする場合、どれくらい巻いてよいのか分かりにくい。その際にカウンターをセットしておけば巻いた量が分かる。号数別にセットできる機能が付いたリールもある。
巻き取りアシスト
巻き取り速度を表示したり、一定時間で音を鳴らしたりする機能。特にタイラバなど等速巻きを多用する釣りに重宝する。
メリット&デメリット

メリットについては、カウンター機能を紹介したことで分かっていただけただろう。今までの「ラインの配色で水深を知る」という行為が不要になるから、他のことに集中できるのが最大のメリットだ。
例えば「あれ、何mだっけ」などの心配なくルアーを落とせるし、そろそろ着底だというのも瞬時に分かるから、その間に別の考えごとができる。起伏の激しい釣り場ではなおさらだ。
デメリットは、やはり重量。同型機に比べ少し重くなってしまう。それと電池交換。使い方にもよるが、1〜2年というところだろう。
あとはメリットでもデメリットでもないが、「カウンターなんて要らない」という考えを持った方も多いだろう。わかっているとは思うが、カウンター機能は、あるととっても重宝して釣りがもっとラクに楽しくなるのは間違いなしなのだ。