アジのバイトを誘うには、ルアーを効果的にアクションさせることが大切です。そのために、ロッドアクションをつけ、リトリーブするわけですが、実際にルアーの動きを直接影響を与えるのはラインです。
ラインをいかに操作するかでアタリ感度も大きく異なります。そのためアジングにおいて正確なラインコントロールは欠かせないポイントとなるのです。
アジに食わせるためのラインコントロール

この話をする前に、まず理解しておかなければならないのは、アジがヒットするポイントです。ポイント選びで考慮しなければならないのは「明かり」「風」「流れ」の3点です。
明かりは言わずもがな常夜灯などの定番スポット。プランクトンは明かりに集まり、それを捕食するアジも集まる。ナイトゲーム主体のアジングでは定番ですね。
そして風。これは「向かい風だと軽量ジグが飛ばない」といった単純なものだけではありません。
もちろん飛距離も考慮すべき点ではありますが、もっと重要なのはアクションに対する影響です。

例えば、上の図のような状況。このとき右側のアングラーのようにキャストするとどうなるでしょう。
まず、飛距離が出にくいのは想像がつくと思います。そして、ラインが風に流されてしまうことも、なんとなく想像がつきますね。
ラインが流されるということは、冒頭でも書いた通り、アクションにも影響するということ。
ラインスラッグがどうしても出てしまうのでロッド操作がワームに伝わりづらく、最悪流れに逆らって泳ぐという不自然なアクションにもなりかねません。
特にPEラインをメインで使う場合はこの影響が大きいので気をつけなければなりません。
上の図のようなパターンだと、風に逆らわず沿ってキャストします。
完全な追い風になるために飛距離が出ますし、ラインスラッグをある程度取れば、流れに乗せた自然なドリフトを演出させることもできます。
ライン操作をするためのロッドワーク

風を考慮する上で、もう一つ重要なポイントがあります。それはアタリを待つ際のロッドの構え方。
アジングの場合、基本的にはティップを上げて構えます。これはアタリに即応しやすくするためと、ルアーのフォールする高さを稼ぐためという意味があります。
しかし、足場の高い釣り場でティップを上げてしまうと、どうしてもラインが風に流されやすくなってしまいます。
この場合はティップを下げ、少しでも風の影響を受けないようにコントロールします。状況に応じてルアーとラインをコントロールしやすいポジションでロッドを構えるようにしましょう。
アジがヒットするポイント

アジングで釣果を伸ばすためにはアジがヒットしやすいポイントを見極めるために潮の流れを見極めることが重要です。
本当は常夜灯の要素も含めて考えるのですが、少し話がややこしくなるので、一旦明かりの要素は置いておきましょう。
「流れ」という要素でアジが集まりやすくなる場所をいえば、潮のヨレです。アジの好物であるプランクトンは、基本的に遊泳能力がないため、潮に流されやすいです。
流れに身を任せたプランクトンが行き着く先が潮のヨレ(潮目)です。そのため、アジも集まりやすくなるわけです。

潮目や潮の巻き具合、波の立ち方などによって流れが変化する場所の検討をつけ、ルアーを通してみましょう。そして、ラインテンションが変わる場所が狙いめというわけです。
潮のヨレにはゴミなども溜まりやすいので、もしそんな場所があれば、アプローチしてみましょう。
適切なアプローチ方法

アジが潮目にいることは分かりました。では、どうアプローチすればアジは食ってくれるでしょうか?
直接潮目に放り込むのも悪くない手段ですが、おすすめなのはドリフトでアプローチする方法です。
まず、流れが変化するポイントの潮上へキャストします。カウントダウンで沈めてレンジを決めます。そして、ラインを張りすぎず弛ませ過ぎない程度で保ちつつ、アクションを入れます。
するとルアーはアクションをしつつ潮に流れ、ヨレに流されていきます。これがドリフトと呼ばれるテクニックです。
こうすれば、アジから見れば「潮の流れに負けて流れてきたエサ」と見えてたまらず食いつく、というわけです。
このドリフトを自然に決めるためにもラインコントロールが必須というわけです。
軽量すぎるジグヘッドもときには悪手

アジングは、アジが吸い込みやすい軽量ジグヘッドを使うのが基本。……ではあるのですが、実は軽量ジグヘッドにも欠点があります。
分かりやすい欠点は「飛距離」と「ルアーが潮に流されやすい」ということ。いくらドリフト釣法が優秀だとしても、狙いのポイントから外れるなら意味はありません。

そして、もう一つの問題点として「ラインも潮に流されやすくなる」という点があります。
ジグヘッドが軽量なため、水中でラインがウォータープレッシャーを受けレンジにうまく入らなかったりアクションに影響が出たりします。
何でもかんでも軽量ジグヘッドを使えばよいというわけではありません。状況に応じて適切なウエイトのジグヘッドを選びましょう。