アジングには独特の難しさがあります。アタリが繊細で取りづらかったり、アタリが取れてもフッキングに失敗してバラしてしまったり。
決して大きな魚ではないのに独特のゲーム性があるのがアジングの醍醐味ですが、釣果を伸ばすためにはフッキングを確実に決めなければいけません。
アジの特徴のおさらい

アジのメインベイトは主にアミなどのプランクトンです。
ある程度大型になった個体は小魚や甲殻類も捕食しますが、基本的には海水ごとプランクトンを吸い込み捕食する個体を狙うことが多く、アジングで釣るにはまず、プランクトンのパターンの攻略が必要不可欠です。
ワームも同じ用に吸い込んで捕食します。そのためアジング用のワームは吸い込みやすいように作られており、フッキング率を高めるために折れ曲がりやすいように設計されています。

エサを捕食する方向についてはワーム後部だけでなく、さまざまな方向からアタってくることがわかっています。
タダ巻きのときはテール部から、リフト&フォールの場合は側面からのアタリが多くなるなどの傾向はありますが、基本的には全方向360°食ってくると考えておいて良いでしょう。
アジの口は伸びやすいようになっており、口の横が薄い膜になっているため、口切れが発生しやすい魚なことも大事な要素です。
基本は即アワセ

アジは捕食してから違和感を感じ、0.2秒ほどで吐き出すとされています。かなり反射神経の高い人間でも0.3秒といわれているので、完全な掛けアワセは無謀でもあります。
そのため、アジができる限り長い時間加えてくれるように、ワームに味がついていたり、匂いがあったり、初期掛かりしやすいようにジグヘッドが研究されるわけです。
それでも、あっという間に吐き出してしまうわけですから、アジングの基本は即アワセとなります。
アジングのアワセは、小さく行うのがコツ。ロッドを立てるにせよ、軽く手首でクイッと上げる程度。リールを巻くことでアワセる方法もあります。
ジグヘッドの鋭さをしっかり管理して初期掛かりで十分刺さるようにすることも大切です。管理が徹底している人はアワセなくても十分掛かってくれます。

即アワセをする理由は他にもあります。
前述したように、アジの口は伸びやすく、口の横が薄い膜になっています。そのため、口の横に掛かるとバラす可能性が非常に高くなります。
なのでアジの上顎を貫通させることが大切です。この上顎に刺せるタイミングはアジがワームを咥えた瞬間で、その後、反転されたりすると口の横に刺さりやすくなってしまいます。
なので違和感を感じたら即アワセを入れましょう。
アワセが早い場合もある

どんなに素早くアワセてもハリがかりしないことがあります。
主にフワッという感覚のアタリのときに起きやすいのですが、これはワームのテール部分を加えているような状況、つまりハリまで口が届いていないときに起きます。これをショートバイトといいます。
コツコツといったアタリが完璧なタイミングなのですが、いちいちアタリを判別していたら確実にアワセが遅くなります。
なのでショートバイトでも、とりあえずはアワセてしまったほうが良いです。
仮にアワセに失敗したとしても、アジングのアワセはかなり小さく行いますので、ルアーアクションの一環として考え、気にせず再びフォールさせて狙えばよいだけです。
数を釣って、アタリの感覚が肌で分かるようになってからアワセのタイミングを気にするようにすると良いでしょう。
フッキング率を高めるには

これまでの話から、フッキング率を高めるならタックルの感度が大切ということは容易に想像できると思います。
だからといって感度抜群の高級アジングロッドを買って、超軽量な高級リールを揃えて、専用のエステルラインを用意して……と、そんなことできる人は限られてきます。
ではアジングは富裕層しか遊べない釣りなのかといえばそんなことはありません。有名なアジンガーは全員高級タックルを使っているというわけでもありません。
タックルである程度の感度を確保したほうがよいのは間違いではありませんが、エントリーモデルでも十分な感度を確保できます。
適切なタックルチョイスでフッキング率は大きく変わる

状況に応じたワームやジグヘッドを選ぶことでも、フッキング率を格段に向上することができます。
例えばフワッとしたアタリが連続して来る場合。これはアジの活性が低いか小型でショートバイトが続いているときに起きます。
この場合、ワームサイズを小さくすると、アジが丸呑みしやすくなりフッキング率が上がります。
ただし、ワームサイズを小さくするということは、その分アピール力は弱くなり、アジに見つかりにくくなってしまいます。
なので最初からワームサイズを小さくすることはオススメしません。あくまで状況を見ながらワームをチョイスしましょう。
また、ジグヘッドを軽くすると、ゆっくり漂うようにフォールし、吸い込みやすくなるため、フッキング率も上がります。
オープンゲイプのジグヘッドを使えば、ハリが上を向くのでフッキング率も上げることができますし、ハリが鋭いか細かくチェックするだけでも釣果は大きく変わります。

もちろんこれらは、マッチザベイトを意識した上でおこなう必要があります。
メインベイトがゴカイなどの多毛類のときは、ワームを大きくしなければ無視されますし、小魚がメインベイトの場合は、ジグヘッドが軽すぎると小魚の動きに見え辛くなることがあります。
さらにジグヘッドを軽くした結果、風に流されて狙いのポイントから大きく外れるなら本末転倒です。
高級タックルを揃えるより、まずは適切なジグヘッドのチョイス、ワーム選びから心がけてみましょう。

また、ラインにこだわることもアタリ感度をあげる上で重要です。
PEラインはアジングでもよく使われますが、風や潮に流されやすい弱点があります。
特にアジングでは0.5g以下の超軽量ジグヘッドも多用しますので、ジグ単の場合は、風に強く、比重の高いエステルラインがおすすめです。
なおフロートなどの重たいリグを使う場合は、強度なども考えてPEラインにするほうが無難でしょう。
技術の進歩もあり、どんどん道具は進化していきます。アジングラインでいえば「デュエル The ONE アジング」などが話題になりました。
今後も革新的な技術はどんどん生まれていくと予想されるので、今後も期待したいところです。