大漁狙える! タチウオジギング&テンヤ釣り

オフショアでもタチウオは人気の高いターゲット。タチウオのシーズンはエリアによって多少異なりますが、気温と水温が上昇する夏ごろにスタートして、秋が本番、年内で終了というパターンが一般的のようです。

シーズン序盤の夏はかなりシャローでの釣りとなります。水深30m以下の場所へ、ベイトを追って入ってくるため、港からほど近いポイントで釣りが展開されます。このシーズンのタチウオ狙いでは早朝に出船して3時間ほどの実釣で釣果を出すお手軽な釣りが高い人気を得ており、東京、大阪、福岡など大きな湾を有するエリアで釣果が上がっています。

秋からタチウオ釣りは200m以上のディープを探っていくことも多いです。

夏が終わり秋に入ってくるといよいよシーズン本番となりますが、このころになるとタチウオはかなり深場へと移動します。場所によっては水深200m近くを攻めることもあるので、それなりのラインキャパが必要となります。また、これくらいの深さになってくると、仕掛けの回収などはやはり手巻きではつらいものがあり、電動リールがあれば重宝することは間違いありません。また、タチウオは神出鬼没な魚として知られています。バタバタと釣れ出したと思ったら、パッタリとアタリが止んだり、アタるタナがコロコロと変わったりします。深場で船長から指示のあったタナを正確に攻めていくためには、カウンターが付いた電動リールは強い味方となることでしょう。

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タチウオタックル

専用タックルもありますが、SLJ、ライトジギング、タイラバロッドなどでも代用できます。

ロッドはジギングの場合はそれなりにジグにアクションを入れられるものが向いています。とは言っても青物狙いのように激しいジャークは必要としないので、SLJやライトジギングロッドが扱いやすいでしょう。深場では150g前後のメタルジグをメインに使用しますが、ロッドのキャパとしては100gくらいのメタルジグ用のモデルでもそんなに気にはならないでしょう。ティップの張りが強いモデルはタチウオのアタリをはじきやすいのであまりおすすめできません。また、タイラバロッドのスピニングモデルでも代用できます。タチウオ専用ロッドも販売されているので、やり込みたい人は専用品を選んだ方がよいでしょう。

テンヤ釣りの場合もジギングと同じロッドで問題はありませんが、メタルジグのようにはアクションさせないので、ティップが軟らかめのものがアタリが分かりやすいです。50号くらいのオモリを扱える船竿でもよいでしょう。

ディープを探る釣りでは電動リールがその威力を発揮します。

ラインはジギングでもテンヤ釣りでもPEライン0.8〜1号、そしてリールはそれを300m巻けるものが欲しいところですが、これは自分が釣りに行く海域の水深によって異なってきます。またテンヤ釣りでは電動リールが標準となっています。

テンヤ釣りの場合、使用する船竿がオモリ負荷120号くらいのものであればロッドの強さに合わせてラインはPE2号くらいを使用する必要があります。船によってはオマツリ防止のため、使用するラインの太さやテンヤの重さが決められているところもあるので事前に確認しておきましょう。

ジギングはもちろんですが、テンヤ釣りの場合もリーダーを使用します。タチウオは歯が鋭いので少し太めで7〜10号程度のフロロカーボンを2ヒロほど入れます。PEとリーダーが結束しづらい場合は間に4号程度のフロロカーボンラインを1mほど結ぶとよいでしょう。

人気急上昇のジギング

ジギングで捕らえたタチウオ。

メタルジグの重量は海域の水深や潮流によって変わってきますが、深場を狙うことの多いタチウオジギングでは100〜150gくらいのものを使用するパターンが多いです。フックはテールに付けるのがスタンダードです。通常のトレブルでも問題ありませんが、カエシの付いたフックでは釣った魚から外すときに手間取ってしまいます。タチウオの鋭い歯でケガをする可能性が高くなるし、神出鬼没と呼ばれる短い時合いを逃してしまう恐れがあるので、タチウオ専用フックはバーブレス仕様となっているものが多いです。アシストフックを使用する場合は、アシストラインがワイヤーになっているものがおすすめです。

タチウオジギングのフック装着パターン。バーブレスを使うのが基本です。

誘い方の基本はワンピッチ・ワンジャークとなりますが、タチウオの場合、このシャクリが効く! という定番がなく、さまざまなアクションで反応を見ていくしかありません。ただ、速いシャクリは必要ありません。タチウオは捕食が下手なようで、あまり速い動きを追うことができません。ジグを追いきれずにラインにアタックしてスッパリ切られるということも多いです。ゆっくりとしたアクションで、ときどきテンションフォールなどを織り交ぜながら食わせの間を演出するとよいでしょう。

タチウオの歯に触れるとフロロカーボンラインもあっさり切れてしまいます。

ジグをボトムタッチさせて下から探っていくのが基本となりますが、船長からタナの指示があった場合はその水深の10〜20m下から探っていくとよいでしょう。アタリはいきなり竿先に現れる場合もありますが、食い上げてくることも多いです。食い上げではフッとラインのテンションが抜け、ルアーが軽くなったり、ラインスラックが出たりします。とにかく違和感を覚えたら即アワセをするように心掛けましょう。逆に食い下げることもあり、そのときの一発目の引きはかなり強烈です。

魚が掛かって巻き上げているときに食い上げてくることも多いです。一瞬バレた? と思いますがまだ付いている可能性も高いです。しかしバーブレスフックを使用していると、食い上げによって外れることもあります。巻き上げ中にラインテンションが抜けるようなときはとにかく全力で巻き上げましょう。

シンプルで高い釣果のテンヤ釣り

テンヤ釣りはタチウオでは根強い人気と高い釣果を誇っています。

タチウオのテンヤ釣りはジグヘッドのようなものにエサを巻きつけて誘います。フックの軸の部分にある出っ張りにエサを突き刺してから針金などで巻いて固定します。テンヤは30〜50号くらいのものが標準的で、1本バリや2本バリのものがあります。エサはサバやサンマ、イワシなどの魚や、鶏のササミなどを使用します。使用するテンヤの重量や仕様、エサなどは利用する遊漁船の船長に確認したほうがよいでしょう。

テンヤでの誘い方の基本は、シャクったりシェイクしたりしてタチウオにアピールした後、ステイさせてアタリを待ちます。

着底後、底を1〜2m切ったら、軽くロッドをゆすったり、煽ったりしてエサの存在をタチウオにアピールしたのち止めて待ちます。これを2〜3回繰り返して反応がなければラインを2m程度巻き上げる、これを繰り返していきます。手巻きの場合、このクラスのリールのハンドル1回転でのラインの巻き上げ量は70㎝前後なので3回転させればだいたい2mになります。また、メタルジグのように大・小のシャクリで2〜3回シャクって止めて待つというのも効果的です。アピールして止める、を繰り返しながら少しずつタナを上げて様子を見ていきます。

タチウオ専用のテンヤにエサを針金で固定して狙っていきます。

テンヤの場合はタナの移動幅が少ないのでアタリのあった水深をしっかりと把握しておくことがより重要になってきます。もちろん船長からタナの指示があった場合はその少し下から丁寧に探っていきましょう。

アタリの出方はさまざまです。エサをつついているだけのときは竿先やラインにコンコンッと小さな振動が伝わります。また、竿先が揺れたり少し曲がったりすることもありますが、エサの端っこを咥えているような状態が多く、ここでアワセせてもフッキングしません。タチウオがエサの本体を咥えたときにアワセを入れる必要があるので、これを前アタリと捉えて待ちます。ロッドにある程度重みが乗ったら本アタリです。そのタイミングでアワセを入れましょう。また食い上げてくることもあるのでラインに糸フケが出たときも本アタリのサインです。

かつてのタチウオ釣りではしっかり食い込むまで待つというのが主流でしたが、最近は本アタリがあった場合は即アワセというのが基本となっています。タチウオがエサ本体を咥えたときにラインを引くとテコの原理でフッキングするのでしっかりとアワセを入れるようにしましょう。

タチウオはその食味でも人気が高いです。塩焼きもいいですが、刺身も最高です。スーパーでは刺身で食べられるタチウオはなかなか売っていませんが、新鮮なものが手に入るのは釣り人ならではです。ぜひドラゴン狩りに挑戦してみてください。

 

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