
30%がフォールでアタる
タイラバは基本的には巻きの釣りです。多くの場合、リールのハンドルを回してラインを巻き上げているときにヒットします。しかしフォールでアタってくることもしばしばあります。ある遊漁船の船長に言わせれば30%ほどはフォールで食ってくるということです。
タイラバでフォール中にアタリを意識している人はどのくらいいるのでしょうか? 初級者の場合、ほとんど考えていないという人が多いのではないでしょうか。中級者以上になってくると、フォール中も集中しているアングラーの割合も増えてくるようです。しかしフォールで積極的に食わせようとしている人は、今までのタイラバではほとんどいなかったと考えられ、そのメソッドも確立されていません。
フォールでアタった場合、アタリに気付かない場合が多く、それゆえヒットに結び付けていないパターンも多いです。しかし、それでは3割の魚を逃していることになります。ここでは、もっと効率的にフォールで食わせて、釣果を伸ばしていく方法を考察していきましょう。

フォールスピード
マダイだけでなく、多くの魚は上から落ちてくるものに反応します。一つテンヤではフォールの誘いを多様することから、マダイも落ちてくるものに敏感に反応することは間違いないです。また、すぐにはアタックしてこなくても、少なくとも落ちてくるものをかなり早い段階から認識していることが多いと言われています。着底後、すぐにヒットした場合などは着底間際のフォール中に食っているパターンも多いです。もちろん、着底したルアーがまた上がっていくことで、リアクションバイトしてくる場合もあるでしょう。それゆえ着底後は素早くラインを巻き始めることが重要だといわれています。いつまでも海底にルアーが転がっている状態では魚に見切られてしまうからです。
多くの魚が意識していると考えられるフォールで食わせるためには、フォールスピードを調整することが有効です。スピードを速くするためにはタイラバヘッドを重くしたり、形状を変えたりします。またスピニングタックルを使うのも効果的です。しかしこれらは「フォールで食わす」ための手段ではありません。あくまでも流れの速い中で確実に着底させたり、より速く底取りをするための方法です。

「食わす」ことを目的としたフォールを実現するためには、落ちていくルアーを「よりしっかりと魚に気付かさせる」ということが重要になってきます。
つまり、ゆっくりとしたフォールを演出する方向へとベクトルは向くわけです。
フォールの種類
流し始めの一投目ではフォールはスピードが命です。とにかく誰よりも速く着底を目指したいのです。一番早くルアーを魚に見せた者がヒットする確率が高くなるからです。そのためラインは、ほぼフリーの状態で、わずかにサミングしてテンションを保つ程度でルアーを落としていきます。ほとんどの人が、このフォールで1日中釣りをしているのではないでしょうか。もちろん、このときのフォールで食ってくることも多々あります。そのアタリを取るためにはきちんとサミングをして、何かしらの違和感を覚えたときは迷わずアワせることが肝心です。
また、ルアーを回収して入れ直すときも同じように速いフォールを心掛けましょう。この場合は、いち早く着底させる必要はありませんが、あまりゆっくりとしたフォールでは周りの人とおまつりする原因となってしまうからです。

着底後、船長の指示ダナまで巻き上げて再度落とすときからフォールスピードに積極的な変化を付けていきましょう。水深とラインの放出量をしっかりと把握できていれば、ルアーの入れ直しの途中からスピードをコントロールするのもよいでしょう。
では、どのくらいのスピードで落とせばよいのでしょうか。これは潮の流れや魚の活性で大きく変化するので、その日のヒットフォールスピードを探していく必要があります。やり方としては通常のフォールを基本として、そこから徐々にスピードをゆっくりにしていく方法がよいでしょう。
アタリの取り方
では実際、フォールでのアタリはどのように現れるのでしょうか。多くの場合はフォール中にラインがフッと止まったり、突然ラインが走り出したりします。もちろんいきなり竿先にそれと分かる振動が伝わってくることもあります。とにかく何か違和感を覚えたら迷わずアワセましょう。巻き上げるルアーを追尾して食ってくるときと違い、フォールでアタってくる場合は即アワセが基本となります。

アタリも通常のフリーに近いフォールよりも、ある程度ゆっくり落としていったほうが分かりやすいでしょう。
つまりフォールスピードを遅くするということは、ルアーを魚に気付かせるだけではなく、人間にとってもアタリに気付きやすくなるのです。これは是非試してみるしかないでしょう。
今まで常識とされていたことが次々と覆され、新たな釣法がどんどん生まれているタイラバ。あなたのメソッドにフォールというテクニッックを加えてみてはいかがでしょう。