ジグ単特化のコルト・プロトタイプ 21GCORPS-672L-HSがオリムピックから鮮烈デビュー

文・写真/藤井大介

OLYMPICフィールドテスターの藤井です。

私が1年以上にわたってテストを繰り返してきたジグ単特化型のロングロッド、グラファイトリーダー・コルト・プロトタイプ「21GCORPS-672L-HS」が2022年の2月末に発売されることになりましたのでご紹介させていただきます。

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こだわりのポイント

まず最大の特徴は、前述した通り「ジグ単特化」で「ロングロッド」であるという点です。

最近のアジング界は操作性を求めてショートロッド化が進み、5ftはもちろん、4ft台というロッドも出てきました。素材と技術の進歩により短いロッドでもある程度の飛距離が稼げるようになったことは非常にうれしいこと。またジグ単の操作感、ダイレクト感は他のリグよりも圧倒的に優っており、非常に繊細なアジングにおいてショートロッドが優位であることは確かです。

しかしショートロッド化によって、私が大切にしている「ロッドを動かした(立てた)ときのストローク」に大きなネガティブな影響を及ぼしました。

詳しく説明しましょう。

例えばアジを掛ける瞬間。ショートロッドとロングロッド、同じ角度でフッキングしたとすると、より魚に対して鋭角にフッキングできるのはどちらでしょうか?

正解は後者。ロングロッドは掛けてからアジとロッドの先端を繋ぐ角度がショートロッドに比べてより鋭角になるため、ロスなくフッキングできるうえ、早く海面に浮かせることができます。

もちろんショートロッドでも足元を釣るのであれば鋭角を作り出すことはできるのですが、激流エリアや水深20mのディープエリアではたった数cmのロッドの長さの差が「獲れる」「獲れない」に大きく関わってきます。ショートロッドの操作性を維持しつつ、ストロークを確保できる長さのロッドを作りたい。そんな欲張りな願望からこのロッドの開発がスタートしました。

とはいえ、開発段階で課題も多くありました。

ひとつめは、レングスを長くすると飛距離は伸びるものの、どうしてもロッド自体のダルさが露呈し、タフコンディションでは操作性が大幅に落ちてしまうことです。ましてや扱うのはタフコンディションならではのジグヘッドの重さ(1.5〜3g)であり、この重さを扱うのであれば正直仕方ないのかな? と思うところもありました。

しかしながら、そんな悩みをいとも簡単に解消してくれるのがオリムピックの開発陣。素材を替え、ガイドセッティングを変え、あたかも1gを扱うときのような操作感を得ることに成功してくれました。相反するものさえ上手く融合して解消していく。さすがは「WE ARE BLANKSMAKER」と言うだけのことはある! と感心してしまいました。

次に、グリップへのこだわりを。

カタログを見ていただくと分かるように、このモデル以外のコルトプロトタイプはオリジナルDPSを採用しているのですが、この672には小振りなIPSを採用しています。

感度面でいえばオリジナルDPSが素晴らしいグリップであることは先行して発売されている21コルトシリーズでも周知の事実であり、最後の最後まで悩みました。しかし、テストである1尾を釣ったことでIPSに大きく傾きました。

それは関西でテストをしている際に、たまたま釣れたアコウ(キジハタ)。この1尾のお陰で踏ん切りがついたのです。

そこは激流と呼ぶに相応しい流れの速さで、水深が10m以上はあるポイント。デカアジはボトムにいると踏んで探っていると、突然強烈な引き! しっかり握っていないとロッドごと引き込まれそうです。なんとか最初の締め込みをいなして、時間をかけたやり取りの末に浮かせたのは、なんと40cmを大きく超えるアコウ。周りの方の協力もあって無事にキャッチできたのですが、ここでふっと気付いたのです。

「腕が上がらない」

これまで旧コルトプロトタイプの612ULでも同様のサイズを釣っているのですが、腕への疲労はここまで感じることはありませんでした。もしかすると楽に握れるIPSのお陰で、負荷が腕から手全体に分散されていたのではないか。

オリジナルDPSによる感度は捨てがたいものの、一般的なロッドよりも沖のポイントへリグを届けることができるこのロッドにおいて、一般的なサイズを超えるアジや、もしかするとまだ見ぬBIG ONEと対峙する可能性は大いにあり、「しっかり握る」ことは「獲る」ことに関わる大切な要素と考え、手の大きさにフィットするIPSに決定したのです。

おすすめの使い方

その他にも挙げればキリがないほどのこだわりと想いが詰まったこのロッドですが、どんな釣りで使用するのがおすすめかを簡単にまとめておきます。

1.激流エリア、ディープエリアで普段通りの感覚でジグ単を操って釣りたい方

このロッドは前述の通り、あくまでジグ単にこだわった仕様を意識して開発しています。例え扱うジグヘッドが重くなってもアクションやフッキングにタイムラグがなく、いつも通りの釣りをしたい! という方には特におすすめです。

2.「あの明暗まで届けば……」と思うシチュエーション

飛びます(笑)

まずもって飛距離が出なければ長いロッドの意味がありません。旧作612ULと比較しても体感値で4~5mは飛距離が伸びていると感じます。ライトゲームにおいて4~5mの差は世界観が変わってきます。Over The Blakeline…

港内の釣れるサイズが20cmほどのアジングにおいては、決して「使えない」ということはありませんが、こういった釣りの場合は流れや水深もあまりなく、もっと扱いやすいロッドは他にあります。例えば21GCORS-572UL-TSや21GCORS-592XUL-Sなどが良いでしょう。シチュエーションや好みに合わせてロッド選びをすることが釣果upへの近道となります。

タックルバランス

あまり注目されていませんが、タックルバランスも釣果を上げるための大切な要素だと思うのでテスト環境も記載しておきます。

リールは2000サイズのハイギア(150g、巻き上げ量81cm)に板鉛を仕込んだスタンドを装着、ラインはPE0.3号またはエステル0.4号を軸にテストをしました。ジグヘッドは1.3g~3gが快適に扱えるテイストで、672というレングスですが、あくまで「ジグ単特化」としてテストしておりますので、キャロに使用すると本来の使用感とは異なる可能性がありますのでご理解ください。

今回オリムピック様から貴重な出荷前の画像をいただきました! ありがとうございます!

以上、2月末に発売予定となる「21GCORPS-672L-HS」のご紹介でした。このロッドでぜひデカアジを仕留めてくださいね!

問い合わせ/オリムピック ℡ 06-6533-8988 

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