魚影が濃く、大物が狙えるロックショアが熱い!

瀬渡し船を利用しての沖磯の釣りというと、かつてはエサ釣りのものというイメージが強かったが、近年はルアーアングラーが磯に渡るケースも増えている。場所によっては船1隻全員ルアーということもある。そんな磯人気を裏付けるかのように、磯でのショアゲームのことを「ロックショア」と呼ぶようになっている。そう、磯は堤防では味わえない魅力が満載なのだ。

なぜ磯が釣れるのか

ショアからルアーフィッシングの多くのターゲットで、どのような場所を狙うかというところでよくキーワードとなるのがストラクチャーだ。多くの魚はストラクチャーに付きやすい性質を持っている。これは危険から身を守るためでもあり、捕食しやすいように身を隠すためでもある。磯は言わば自然が作り出した天然のストラクチャーだ。大自然のみが生み出せる険しい造形が広範囲に渡る。魚が付きやすい場所が豊富にあるということだ。つまり、必然的に魚のストック量が多くなる。

沖磯は潮通しが良く、すぐ脇に激流が走ることも多い。

渡船で渡る沖磯の場合はそれに加えて潮通しが良いというのが挙げられる。本島から少し離れた沖の小島周辺は潮の流れを遮るものがほとんどないため、本島と比べると潮通しが抜群だ。この流れに乗って多くの魚が泳いでくるので、魚の量も必然的に多くなり、大型に巡り会えるチャンスも増える。また、この潮の流れが小島にぶつかるときに迂回するように流れに変化が生まれる。そのため沖磯ではすぐ脇に本流の速い流れが通るところが多く、緩い潮とぶつかることで潮流の潮目ができる。本流があまりにも速いために緩い潮の中にいた遊泳力の弱い小魚やプランクトンなどはこの潮目の壁を超えることができずに潮目周辺に溜まってしまう。大型魚はそういったベイトフィッシュを狙っているのだ。

潮流が磯にぶつかると迂回しようとしてすぐそばに速い流れができる。緩い流れの中にいたベイトはその速い潮流を越えることができずに潮目に溜まってしまう。

さらに沖磯の場合は水深がそれなりにある場所が多い。単純に海面の同じ面積内で考えた場合、水深が浅いよりも深い方が、海水の体積量の違いでみても魚のストック量が多いのは当たり前だ。また、警戒心の高い成長した個体は身の危険にさらされやすい浅場よりも深場を好む傾向にある。深場の方が大型に出会えるチャンスも多くなってくるのだ。

磯には多くの魚が集まり、また大型を狙える理由というのが満載なのだ。

地磯と沖磯

地続きとなっており、歩いてアクセス可能な磯を地磯と呼び、渡船などを利用して渡る沖の離れ小島のような磯を沖磯と呼ぶ。地続きの磯であっても実際にアクセスするためのルートがなく、渡船を使わなければ立てない磯もある。ここで言う地磯とは自力で歩いてアクセス可能な磯という前提で解説していきたい。

地磯は釣行のためのコストが少なくてすむが、労力や危険を伴う場合が多い。

地磯のメリットはなんといっても利用コストがかからないということだろう。もちろん車で移動する場合はガソリン代は必要となるが、磯を使うためにお金を払う必要がない。頻繁に通うアングラーにとってはこれは非常に大きなアドバンテージとなる。また、好きなときにいつでも楽しめるということも大きい。自分が行きたいときに行って、帰りたいときに帰ることが可能だ。

こう書くと気軽に釣りを楽しめると思いがちだが、そうでない場合も多い。

もちろん、車を止めて簡単にアクセス可能なポイントというのもある。しかしそのようなお手軽な場所は、当然多くのアングラーが訪れ、入れ替わりに叩いていく。一方、地元のアングラーが知っているようなスポットというのは簡単にはアクセスできないところが多い。まず、どこから入って行くのかが分かりづらい場所がほとんどだ。そして踏み固められできた獣道を草をかき分けながら進んで行く。丘を一つ超えるなどというのも当たり前で、ロープ1本を頼りに険しい崖を下っていく、などということも珍しくない。

このような簡単にはアクセスできないポイントは当然、訪れるアングラーも少なくなるため魚がスレていない。また抜かれる数も少なくなるため釣れる確率がグッとアップする。つまり「釣れる」地磯で釣りをしようとすると、それなり体力を要するパターンが多いということだ。体力だけならまだしも、危険を伴うことも多い。そのため、そういった地磯にアクセスする場合、できるだけ身軽にするといのが基本だ。タックルは1セットだけ手に持ち、必要なルアーや小物は全てゲームベストに入れて移動するのがスタンダードなスタイルとなる。

渡船を利用して沖磯へ渡る様子。このワクワク感がたまらない。

一方、渡船を利用する沖磯の場合、場所によって異なるが渡船料が5000円前後必要となる。そして、そのような渡船が出港する場所というのは都心部から離れた地方であることがほとんどだ。ガソリン代や高速代を含めると結構な出費となってしまう。出港時間も場所によっては午前3時などということもある。そこに合わせて港に到着するためには前日出発となることも当たり前だ。渡船も前もって予約を入れておくことが基本となるためある程度の計画性を持っての釣行となるのが普通だ。

しかし、沖磯は地磯よりも釣れる確率がグッとアップするということがなんと言っても魅力的だ。そして地磯とは比べものにならないスケールの大きなさ、雄大な自然が作り出したシツエーションは圧巻に値する。そこに立てただけで半分満足してしまうくらいだ。

沖磯に渡る渡船の出港の様子。
さまざまな釣りや予備を想定して、準備万端で磯へ上がる。

渡船で渡る沖磯は体力に自信がない人でも問題ない。荷物の積み込み・積み下ろしをするだけでよいのだ。そのため、タックルも複数持ち込むことが可能だ。青物用、ヒラスズキ用、ロックフィッシュ用など、いくつかのターゲットを見据えてルアーもたっぷりと持ち込むことができる。逆にタックルにトラブルが発生しても釣りを続けられるように予備も用意しておくことが基本となる。また、クーラーボックスを持ち込めば、飲み物や食料もたっぷりと準備して1日をゆったりと過ごすことも可能だ。

このような理由から、体力使って危険を犯してまで地磯にいくより、お金を払ってでも沖磯のほうがいい、と思うアングラーも少なくはない。

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