
寒くなるにつれて盛り上がるのがアジングやメバリングなどのライトゲーム。これから始めたいと思っている人のために、タックルを選ぶ際の基本項目をまとめてみた。
冬のルアー釣りで年々人気が高まっているのが、アジングやメバリングといったライトゲーム。雑誌などで紹介される場合、「手軽に挑める」などという言葉がくっ付いてくることがよくある。
確かに、エサの手配が不要なのでいつでも気軽に釣りを始めることができ、エサの残量を気にする必要もない。時間をかけてポイントを作ったりはせず、魚を求めてランガンすることが多く、いろいろな場所を転戦するとそのつど気分がリセットされるというメリットもある。また納竿後の後始末に関してもかなり楽チンだ。それに釣果がともなうというのだからトライしない手はない。

しかし、その前に第一の難関が立ちはだかる。それはタックル選び。無数に種類があるルアー以前にロッドやリールを揃えなければならないとよく聞くが、そのラインアップもかなり多い。
ライトゲームで欠かせない主なタックルは、ロッドとリール、ライン、ルアー。本稿ではルアー以外のアイテムについてまとめたい。
最近は、釣技の進化にともなってさまざまなタイプのものがリリースされている。重要なのは、まずは使いやすい道具を選ぶこと。高額なハイエンドモデルが自分に合ったよいものではないというのもよくあることなのだ。
ライトゲームの釣りの内容が細分化されていなかった時期は今ほどの種類はなかったが、現在は攻め方の違いによってアクション(調子)の異なるロッドがたくさんリリースされており、アジングやメバリングを分けている場合も珍しくない。


考慮すべきはなにを狙うかと、どのような釣り方をするのかということになるが、そういわれてもビギナーは困惑するだろう。
タックルの選び方・掛けの釣りと乗せの釣り

ロッドを選ぶときにまず大切なのがどれくらいの重さのルアーを投げるのかということである。ライトゲームでは1g前後のものがよく使われるため繊細なティップのロッドが多い。もちろん設計以上のウエイトのルアーを投げると破損しやすいのも事実だ。
ただ、1g以下のルアーをキャストするのはビギナーにはなかなか難しい。特に短いロッドはよりシャープに振り抜いてキャストする必要があるから初心者には向かない。最初に購入するロッドは使い勝手を重視し、0.5〜7gとウエイト設定の幅が広く7〜8ftの長めのものをおすすめしたい。
話は変わるが、エサ釣りでは狙う魚によって仕掛けを変えるのが普通だ。それと同じく、魚種別にキャストするものの重さや操作法が異なってくるルアー釣りではタックル自体を変えて臨むのが一般的である。

ターゲットがアジでもメバルでもライトゲームでは、ジグヘッドや付属シンカーのリグ、プラグを使うのが主流だ。とはいえ、それらを対象魚や状況によって使い分けるために始めから何本も買うわけにはいかない。
ここで頭を抱え込む前に掛けの釣りと乗せの釣りがあることを知っておくとよいだろう。
端的にいうと、前者はアタリを取って積極的にアワセを入れていくスタイルで、シンプルなジグヘッド単体で行うのが主。後者は向こうアワセで掛かった魚をバラさずに取り込むというもの。
掛けの釣りには感度が高くて全体的に張りのあるロッドがふさわしく、乗せの釣りは食い込みのいいティップとしなやかな調子が求められる。
いろいろあるラインの素材
軽いルアーを遠くに飛ばすためには細いラインが有効だ。中でもライトゲームで使われるラインは極めて細い。細ければ細いほど飛距離がのびるうえに感度もよくなるが、細いラインは劣化が激しくトラブルも多い。ビギナーには細すぎず太すぎでもない3〜4lb程度を推奨する。
ラインの素材には種類があり、特性を考慮して選ぶとよいだろう。

トラブルが少なくてビギナーが使いやすいのがナイロンである。糸グセがつきにくく、飛距離も出しやすい。おまけに伸度が高いので魚の引きを多少やわらげる効果があるためバレにくい。このことから乗せの釣りには打ってつけである。ただし、劣化するのが比較的早く、摩擦に弱い。

ナイロンとは異なり耐摩耗性に優れているのがフロロカーボン。根ズレに強いからストラクチャーを攻めるときなどに最適だ。また、感度と比重が高いのでルアーを沈ませて探るときによく使われている。注意点は糸グセがつきやすいこと。釣行前に伸ばして、糸グセを取っておくとよい。

そしてポリエステルライン。感度抜群で、比重はフロロより軽く磨耗性も高い。1g以下のジグヘッド単体で掛けの釣りをするアジングで人気がある。でも、瞬間的に強い力が掛かると切れやすく、リーダーを要する場合がある。

PEにもライトゲーム用の極細仕様が存在する。遠投性に優れ、感度も非常によい。

だが、細いPEはリーダーが必須となる。ラインとリーダーを組むのには慣れが必要。練習を積むかライン結び器を使おう。

リールは1000〜1500番クラスの小型スピニングリールがベターだ。気にすべきはタックルバランスで、特に全体的なウエイトのバランスがいいのが小型のリールである。バランスはいくぶん悪いが、自重が軽いリールであればエギングなどで使う2000番台でも使える。
そのためにラインをシーズンごとに巻き替えたり、リールではなく替えスプールを一個追加購入するというのも手である。その点、ライトゲーム用のライトラインは極めて細いためそれなりに巻いても厚みが出ない。そこで、スプール径を越さない範囲で極細ラインを追加して巻くのもアリということになる。
リールを一台新調するならばギア比に気を配ってほしい。

リールはギア比によってハンドル一回転あたりの糸巻き量が異なる。ハイギアタイプは巻き取り量が長く、ローギアタイプは比較的短い。これによりルアーを操作したりフッキングするときの操作効率が変わってくる。
例えばルアーをスローに引くことの多いライトゲームでスピード調整しやすいのはローギアである。しかし、アタリに対して瞬時に対応しやすいのはハイギアタイプ。また、キャロを使う際などシャクったあとにすぐに糸フケを取ってフォール中のアタリに備えるときにもハイギアのリールの方が適している。
どちらかを選ばなければならないならば、ハイギアがおすすめかもしれない。
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