リーダーラインにフロロカーボンを使う人が圧倒的に多いですね。メーカーからリーダーラインとして発売されている商品も、ほぼフロロカーボン素材です。
フロロカーボンラインは、昭和47年に発売されました。
普及するにつれて、ナイロンラインとの使い分けが進み、やがてルアー釣りが盛んになると、リーダーはフロロカーボンが主流となりました。しかし、著名なルアーマンの中にはナイロンを愛用している方がいらっしゃいます。なぜでしょう? それぞれの長所について解説しましょう。
それぞれの原料
フロロカーボンの原料は、ポリフッ化ビニリデン。一般的な名称と原料名が同じで、フロロカーボンという名前は釣りで主に使用されています。対してナイロンラインはポリアミド。
樹脂を溶かして押し出し、さらに伸ばすことで作られています。だから1本の糸(モノフィラメント)で成形されています。
これを商品ごとに他の素材を混ぜたり、コーティングしたり、色を加えたりとさまざまです。

使いやすさ
扱いやすさは適度なしなやかさでクセが付きにくいナイロンラインに軍配が上がります。カーボンラインはキンク(折れ曲がり)が付きやすいし、リールに巻くとクセがつきます。
縄とワイヤーを比べるように、単純に軟らかいラインの方が扱いやすいということですね。
感度

こちらは圧倒的にフロロカーボンラインが有利です。同じ号数で同じ長さにして確かめるとよく分かりますが、ロッドや手に伝わってくる振動がかなり違います。
これをPEラインと比較するとさらに違います。
言葉で表すと、ナイロンラインはラインが動いた後に振動が伝わってくる感じですが、PEラインはラインが動く前に振動が手元に伝わってくるほどの違いがあります。
これがルアーのメインラインとして使われる理由でもあります。
強度
引っ張り強度だけでいえば、実はナイロンラインの方が初期伸び率があるため強いのです。また、他のラインと結んだときもナイロンラインの方が強度を持ちます。

耐ショック性能
いきなり魚がガツンと来た場合や、突然走り始めたとき、リールのドラグが間に合わないときがあります。こんなときは初期伸度があるナイロンラインが有利。
対策として、カーボンラインを使う場合はそれなりに長さを取っている人もいます。
耐久性

海中で使用した場合、吸水性がないカーボンラインの方が耐久性が高いです。
ナイロンラインは水を吸収して膨らんでしまい、劣化が大きいのが弱点。1日通して使うとなると、耐久性の高いカーボンラインがいいでしょう。
擦れなどの摩擦の強さでも圧倒的にカーボンラインが優れています。
カラー

光の屈折率ではフロロカーボンの方が低いです。すなわち、海中では見えにくいということです。
魚は人間でいう近視と同じなので、魚にラインが見えているかということはさておき、カーボンに色を付けて販売している商品は少ないです。
賛否ありますが、魚に近い部分のリーダーは、何かしら魚の食いに影響があります。ルアー釣りでは比較的太めのリーダーとしてラインを使うので、気になる部分ですね。
まとめ

いかがでしたでしょうか?
SNSなどを見ると「フロロの方が強い! ナイロンは弱い!」なんてコメントをたまに見かけますが、実際に比較するとナイロンの方が強かったりとナイロン側の利点もあることが分かります。
要するにそれぞれの特性を知り、理解した上で「フロロの方が感度が良いから」などの理論を構築すればいいんです。そういった知識を得ればバラシも少なくなり、釣果も伸びてくるはずです。