コンパクトなテレスコピックロッドといえば、子どもが扱えるような廉価釣り具で、雑に使える予備ロッドでもあった。素材はグラスが主流だったが、最近はカーボン素材のコンパクトロッドが主流だ。
さすがに980円といった格安ものはないが、3000円も出せば海外製のカーボンロッドが購入できるようになった。その価格帯の実力を知りたい人も多いだろう。
ここではそんなロッドを使ってみたレビューを交じえて、より快適にコンパクトロッドで釣りで遊ぶためのノウハウをご紹介しよう。
安いのと高いのどう違う?

最も違うのはガイド。国内メーカーが使用しているタイプのガイドならよいが、それ以外はトラブルが多いと思ってよい。
国内メーカーが販売しているロッドのほとんどは、富士工業のガイドを使用している。コピーされた粗悪品が出回らないように、海外でも多く特許を取得している。
だから最新式のガイドは、ほぼ国内メーカー製造のロッドにのみ搭載されている。この背景もあり、廉価版のロッドにはトラブルの少ないガイドが採用されていない場合が多い。
もちろん、海外製のロッドでも富士工業のガイドを採用したものがあるので、迷ったらそれを目安に購入すればよい。

ブランクスについては、素材となるカーボンは同じ(厳密には違うが)だから、ルアーロッドなど継数の少ないものに関してはそれほど神経質にならなくても大丈夫だ。
ただし、硬い、軟らかいなどロッドの「調子(テーパー)」については、日本製ほどシビアに作られていないようだ。
実際に手にとって購入できるチャンスは少ないから、通販のレビューを参考にするしかない。

「すぐ折れた」とか、「表記と長さが違う」などというレビューを見た人も多いだろう。ここが国内メーカーとの一番の違いともいえ、要は検品する際の厳格さの違いだ。
釣り具に限らず、機械などでも、日本では購入したときが最高の状態で届くというのが当たり前であるが、海外では購入したらまず調整という考えの国も多い。
だから海外製品を購入する場合は、少し差し引いた目で選んだ方が無難だ。
海外製品が届いたらまず最初に行うこと

最近では通販でも返品が楽にできるようになった。だから、商品が届いたら竿を細かくチェックすること。
◯ブランクス、ガイドの傷の有無。(擦り傷くらいは覚悟)
◯ガイドの位置・向き。
◯ガイドの接着剤の強度。
これらは目視すればだいたい分かるだろう。破損や傷、不具合を見つけたら、必ず写真撮影すること。最近は、返品・交換の際には写真を要求されることが多い。
次に目に見えない部分。日本の検品レベルでは、少しでも傷や亀裂、不具合があれば商品にはならないが、前述の通り海外ではそのまま出荷される可能性が高い。
製造者が不具合を判断するのではなく、購入者が判断することになる。

すぐに分かる亀裂や傷はよいが、雑に補修されて届く場合もある。特にブランクス内部は気付きにくいので、数回使ってから折れるということも多い。
だから届いたら、ブランクスを鉛筆などで軽く叩き、部分的に異音がする場所がないかを確かめておこう。最悪の場合、そこだけ接着剤で埋められていることもある。
廉価ロッドは購入すべきか?

ここまで悪い話を聞くと、あまり購入する意欲はわかないだろう。快適に釣りをしたいなら、国内メーカー品を絶対におすすめする。
では、どういった場合に海外の廉価品がおすすめできるかであるが、初期不良は論外として、この先釣りを趣味とするか、もしくは初めてジャンルの違う釣りのとりあえず用として購入する人にはおすすめできる。
品質にバラつきが多いため、いわゆる「当たり外れ」があり、本格的にガンガン使いたいという人には向かない。
有効利用する一番の楽しみ方

品質にバラつきはあるが、圧倒的なコストパフォーマンスはだれしも魅力に感じるだろう。
だから、補修品やカスタムパーツとして購入する場合は、とても頼もしいものとなる。
ガイドにしても、特許に影響しない商品も増えており、セラミックリング装着のガイドは魅力的だ。古い竿のガイドをこれに変更する人も多い。
ブランクスの修理や、ロッドの改造にも役立つ商品がある。ガイドもそうだが、リールシートやグリップエンドなど、部品単体の販売もある。