釣りが変わるごとに巻き替えるラインの号数。リールからリールへと行うと後がとても面倒。なので、ラインスプールに保管できるよう電動ラインリムーバーを作ってみました。
「市販品を買えばいいじゃない」とは思いません。なぜならつくりたいから(笑)。結果的に市販品購入が安かったり長持ちしたりするのですが、釣りに行けないときにコツコツつくるのも楽しいのです。

試作品を制作
1号機(実は0号機、1.5号機もあったりする)

ダイソーのMINI FANを使ったもの。回転数は出せるが、トルクがないためいまいち。
2号機制作(鉄っちゃんならたまんないでしょうVer)

ダイソーのプチ電車シリーズを使い、車輪をプーリーとして使ったもの。単三電池1本なので、少しパワー不足を感じました。
3号機制作(電車モーターに限界を感じた)


プチ電車のモーターを使い、電池は単三電池2本で駆動(3Vだけどモーターは大丈夫のようでした)。でもやっぱりあれがないと面倒くさい。そう、ラインを巻く際に、手で左右に振り分けるのは面倒。
いよいよ4号機制作
まずは適当に図面づくり

現物合わせが多いため、完全な図面はありません。寸法は後入れだったりするので、まぁこの通りです。参考程度に見ておいてください。そもそも、こんなものを作ろうとする人なら、アイデアだけで自分で作ってしまうので必要ないかと思いますが……。興味ない人から見たら落書きなんだろうな。
部品集め
ベアリング
快適に回すためにベアリングは必須。最初は樹脂パイプで行おうとしましたが、丁度良いものがなく断念。ダイソーでベアリングがないか検索したところありました!
でも、あったのはSeria。おもちゃコーナーにあったハンドスピナーでした。スポーツコーナーにある場合もあるそうです。ネットで購入すればよかったのですが、2号機制作時に思いついたので、Seriaで4個購入。


必要なのはセンターにあるベアリングです。外径が13㎜で、穴径が5㎜のベアリングになります。
縁にある細い隙間からマイナスドライバーでこじ開けると外れます。外枠と鉄球は不要なので、ガッツリ破壊してOK。100円よりも安く購入することはできますが、身近なもので済ませるためにこれを使います。ヨーヨーにも入っているらしいですよ。

取り出したベアリングにはオイルシールみたいなのが付属しているけど、念のため注油しておきます。
電池ボックス調達


ダイソーのガーランドライト。クリスマスイルミネーションってやつですね。これから電池ボックスだけを使います。下の画像は別のもの。無駄に買ってしまったので点灯して遊ぶ。
速度調整ボリューム

電池ボックスにスイッチはついているのですが、速度調整とかしたくないですか? ひねりたいですよね? これはAmazonで購入。送料込みで980円。いや、2個もいらないんだが…..。
WayinTop PWM 2A DCモーター速度制御モジュール 速度コントローラー レギュレータ DC 1.8V 3V 5V 6V 12V スイッチ機能付き 1803BK 2個入り
モーター(もちろんマブチ!)

RE-280RA。トルク重視のモーターを選択。多分大丈夫。これでだめならリサイクルショップで12V探さないといけないかも。プーリー付きがうれしい。(結果としてまぁ使えるモーターでした)

4号機では使っていませんが、これがダイソーの電車の中身。
MDF材(土台)

外枠や土台となる材料。直角に切るってけっこう大変なんですよね。これは手間が省けて助かる材料でした。6枚入りなので、1パックで事足ります。
プーリー

マブチモーターを買ったので、今度はタミヤで決まり 笑 それまでは戸車をプーリーにしていたので手作り感が大きかったですが、少しスリムに作ることができます。実店舗で買いましたが、460円と高くないのが魅力です。部品はプーリー4個とスペーサーを1個使ったのみ。
制作開始
どこから作るかというと、面倒くさくて失敗しやすいところから。一番面倒なのは、レベルワインダーからくり。部品を全て購入すればそうでもないんだけど、ケチって手作り。
というか、そもそもプーリーではなくギア式にすればトルクも出せるし、レベルワインダー機構も比較的かんたんに作れます。でも、静かな音で巻き取りたかったのと、単純にからくりっぽく作りたかっただけです。ということで、まずは歯車制作。
歯車制作

素材はこれ。建材コーナーにあるやつ。名前はよく知りませんが、よく見るやつ。PVC素材とは「塩化ビニル樹脂」または「ポリ塩化ビニル」ってやつなので、接着剤を選びます。使用したのは、2液型エポキシ接着剤と、塗布後5分ほど置いてくっつける130円くらいの接着剤。

紙に線を引いて両面テープを貼り、その上に切った平板を乗せていきます。平板の厚みは7㎜か5㎜。並べたら真ん中に接着剤を垂らして固めます。

途中の写真がないのですが、固まったらこんな感じになります。余分な部分をカットして歯車っぽく整えます。って、この後の工程の写真がない….。すいません、図面で想像してください。きれいにして真ん中にΦ3㎜の穴をあけました。片方にプーリー(大)をセット。までの写真がないので次へ進みます。
土台に歯車とベアリングをセット

MDF材に穴をあけ、ベアリングをセットします。ベアリングの穴はΦ12.5㎜であけて、金槌で叩き入れています。後では入れにくいため、歯車を組立前にセットしました。説明が雑ですいません。
組み立ててからくりをセット






なぜ細かな解説がないかというと、現物合わせで作ったから。テコの原理というか、機関車の車輪と同じですね。円運動を直線運動に変えて、レベルワインダーもどきを作っているだけです。作り方はないですが、「回転運動を直線運動に変える」などと検索すればたくさん出てきます。
軸の制作


写真上がモーターから次のプーリー軸。写真下が巻き取るためのプーリー軸になります。写真の通りにネジに組みました。ネジの太さは5㎜。ハンドスピナーのベアリングにピッタリのサイズです。

軸に差したところ。両側をネジで締めて抜けないようにするのですが、締め具合はカタカタがなく、指で回すとシャーと少し回るくらい。片方のネジは緩みどめナットを使っています。
土台を作る

プーリーの囲いはありますが、不安定なので土台をつくります。サイズはダイソーのMDF材をそのままです。モーターをセットする土台を貼り付けます。後にネジで留めました。
配線する

電池ボックス、コントローラー、モーターを配線します。動かなかったり、基盤が熱くなったら間違っているので注意してください。モーターの回転方向にも注意(右回り)。
モーターをセット

モーターをセットして、プーリーの囲いを貼り付けます。その際、モータープーリーや他のプーリーの位置が合わさるように注意します。ズレていると、輪ゴムをかけた際に外れてしまいます。

輪ゴムをセットするとこんな感じです。完成も間近です。輪ゴムをXにかけるとプーリーを逆転させることができます。完成後に分かったことですが、二番目のプーリーを小さなものにしていますが、ここでゴムが滑る現象が出ました。もっと大きいものの方が良さそうです。使用するゴムも検討の余地があります。


電池とコントローラーはこんな感じで、箱の中に収めることができました。
スプール止め


スプールを固定する材料です。ここは動かなければなんでもOK。左から二番目の物体は、スプール穴に固定するためのもの。ダイソーにあった竹製ストローにビニールテープを巻いたものです。ラインスプールの穴はテーパー状になっているので注意。入り口と出口のサイズが違います。
完成品をごらんあれ!



今回のように耐久性を無視して作るなら、製品を買った方が頑丈ですが、これはこれで、すごく楽しめます。
まだまだ課題が残ったレベルワインダー付き 電動ラインリムーバー。次なる改造は、ゴム滑りの対応、プーリーサイズの調整といったところです。
面倒な方はこちらをどうぞ!